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【初心者向け】独学ボイトレの基本原則について【無料】

どうも、れーむです。
今回はボイストレーニング編として基本原則について示していこうと思います。


独学ボイトレの基本的流れ

皆さんはボイストレーニングを始めるにあたり何をしていけばいいか思い描くことができますか?
ボイストレーニングといえば「あ~あ~あ~あ~あ~」とピアノに合わせて音階をなぞる練習をイメージされるかもしれません。
この練習はボイストレーニングのほんの1例にすぎません。
まずはボイストレーニングの流れといった基本原則についてみていきましょう。

最終目標設定

ボイストレーニングを行うにあたり最も重要なことが「最終目標の設定」です。最初に行うべきことです。
下図は最終目標の例です。

最終目標の例

歌が上手くなるためにとにかく練習しまくればいいと考える方がいらっしゃいますが、闇雲に練習してもうまくはなりません。
なぜなら同じことを繰り返しているだけで試行錯誤や修正を行わないために成長がないからです。
修正や試行錯誤を行うには目標という比較対象が必要なんです。
目標と現状を比べてどんな具合だから次はこうしてみようといった感じです。
どんな目標を設定するのかですが、それは最終的にボイストレーニングをしてどうしたいのかです。
大層なことでなくてもかまいません、各個人の自由です。
例えばこんな感じのライブがしたいとか、○○さんみたいなテクニックで歌いたいとかです。
最終的な目標が決まれば身につけないといけないことや練習しないといけないことなど課題が自ずと見えてきます。
課題ごとにトレーニングメニューをこなしていくという流れです。
したがって歌もスポーツもトレーニングの流れは何ら変わらないんです。

段階的目標設定

最終的な目標が決まったらその実現に向けての小さな段階的目標を設定します。
要は最終目標達成に向けた計画を立てるということです。
下図は独学ボイトレの基本的流れの図です。

独学ボイトレの基本的流れ

第一目標、第二目標、第三目標・・・というように設定します。
第一目標は必要な要素の分析・勉強、
第二目標はテクニック会得のための基盤づくりトレーニング、
第三目標はテクニックの会得のためのトレーニング、
その後必要なら技術を磨いていくためのトレーニングといった具合です。

そしてつまずいたら前のステップに戻って振り返るといったように進めていきます。
ボイトレはどうしても順調にはいかないものです。
そういう場合はたいてい前のステップがしっかりクリアできていないことが多いです。
したがってつまづいたら前のステップに戻るのも効果的で効率的です。

それでは各ステップについてみていきましょう。

第一目標 目指す像の明確化

基本的な流れとしては
まず第一目標として最終目標達成に必要な要素を分析します。
その要素はどういうテクニックなのか、どういう歌声なのかなどを掘り下げて研究し勉強していくのです。
ただ一般的に歌(特にPOPs)とは主観的な感覚で成り立つために正解というものがなく、
各自の自論で成り立っているという側面があります。
例)私は○○すべきだと思う等、人により主張が異なる

学術研究も行われていますが結論は出ていないという状況ですね。
そのため歌を勉強するための客観的事実を含んだ教科書がないため、勉強するのが難しいです。
身につけたいテクニックを使用したと記載のある様々な音源を聞いて分析していきます。

分析していくことで

目指す像を明確化

していくのです。
第一目標については後述します。

第二目標 発声能力の基盤づくり

次に第二目標として息のコントロールや息と声帯の連動能力を向上させます。
別記事で詳しく述べる予定ですが
息だけでなく息と声帯との連動も重要なため
必ず声を出しながらトレーニングしていきます。
これらを鍛えることで

発声能力の基盤

を作っていくのです。
第二目標に関しては別記事で詳しくまとめていきます。

第三目標 テクニック会得・熟達

そして第三目標として分析結果に準じて声帯/共鳴/エフェクトといった歌声の構成要素別の調整をトレーニングしていきます。
声帯伸展、声帯閉鎖、鼻腔共鳴といった要素別に
歌手の声真似を軸としてトレーニングメニューを調整していきます。
ボイトレメニューをこなしていくことで

テクニックを習得し、その後独自に磨き上げて最終目標達成に努めていく

のです。
ボイトレメニューについては別記事にまとめていきます。

このような流れでボイストレーニングを行っていくのです。


独学ボイトレ前の分析における重要ポイント

それでは第一目標の分析を詳しく解説していきます。
ボイストレーニング教室であればボイストレーナーが分析や判断、それに伴った次なるアプローチを補助してくれますが、
独学ではすべて自身で行わなければなりません
自分で分析しなくてもボイストレーナーに補助してもらえばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、他者には補助できないこと(喉の感覚等)もあり自身での分析が必要となります。後ほど説明します。

そこで分析するにあたり重要となるポイントが

「会得したい声の特徴の把握」
「自身の目指したい声のイメージの明確化」

です。

下図は分析時の重要ポイントのまとめです。
それぞれについてみていきましょう。

独学ボイトレ前分析の重要ポイント

会得したい声の特徴把握

まずは自分の会得したい目指したい声がどういう名称で、どういう特徴なのか、さらにどういう要素から構成されているのかを明らかにする必要があります。
これらを明確にすることで「向かうべきゴールおよび鍛えるべきこと」が見えてきます。
さらに練習の際に「できているかの自己判断および自己修正」が可能となります。
これら「特徴の把握とイメージの明確化」が不十分のまま練習を重ねても、時間を浪費するだけで何も得られないなんてことになりかねないので
必ず練習を始める前に分析・勉強に励んでください。
分析方法に関してですが、教科書などがないため
サンプル音源を数多く聞いて自身で見出すしかありません。

私の場合ですと
イメージしている声のざっくりした特徴から名称を割り出し
音楽関係者が○○ボイスと評している音源を数多く聞いて傾向や詳細な特徴をつかんでいきました。
さらにその声の構成要素を発声メカニズムや発声器官と結び付けて理解し、自身の鍛えるべきことを見出していきました。
音楽関係者の評論も各自の解釈によるもので信用できるのかと思われるかもしれません。
しかし評論に細かい差異はあれど方向性として大きくずれることはなく、サンプル音源数を増やせば傾向の把握が可能であるため参考としては問題ないと思われます。
まあ自分の考えに近しい評論を参考にしても良いかと思います。

TikTokの『声種別参考歌手』やYouTubeの『歌唱研究Report1&2&3』をアップしていますのでぜひ分析の参考に活用してみてください。


自身の目指したい声のイメージ明確化

向かうべきゴール

自身の目指したい声のイメージの明確化に伴って向かうべきゴールが見えてくると述べましたが、注意点があります。
誰しもこうなりたいといった憧れや理想を抱いていると思います。
中には憧れの歌手の声を出したいと思い
ボイストレーニングを始めるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし憧れの歌手と全く同じ歌声を自身の向かうべきゴールと定めることは推奨しません。
というのも歌唱の世界においてはただの二番煎じあるいは劣化コピーとされてしまうからです。
ここでの歌声は声質やテクニックを指しますが、
似た声質で同じテクニックを目指すのではなく

自分らしく活かした声質やテクニックを自身の目指すべきゴールとする

のです。
声質は生まれ持っての個性であり、歌手の目標の個性の表現という点からみても理にかなっているためぜひ参考にしていただければと思います。


独学ボイトレの際の注意事項

分析後はボイストレーニングに取り掛かりますが、始めるにあたりいくつか注意点があります。

トレーニングでは発声中の喉とかの感覚と聞こえる声を分析/記憶

まず1つ目、トレーニングの際発声中の喉などの感覚および聞こえる声を分析記憶してください。
声帯の状態は目で確認できないので
感覚と聞こえる声が状態把握のための判断材料になります。
独学とは違いボイストレーニング教室であればボイストレーナーが分析や判断の補助をしてくれると述べましたが、ボイストレーナーは聞こえる声でしか判断できません
しかしこの発声時の感覚はトレーニングにおいて非常に重要です。
というのも歌唱テクニックは記憶した発声時の感覚へ切り替えることで使用されるからです。
声と違い発声時の感覚は自分にしかわからないため、
いかに補助を受けたとしても結局自身で分析できなければ成長しません
したがって発声時感覚に注目してできる限り細かく分析してください。

トレーニングの際は毎回声を録音

次に二つ目、トレーニングの際は毎回声を録音してください。
これはトレーニング後の振り返りや自身の声の客観的認識のためです。
厄介なことに自分自身と他者とでは発した声の聞こえ方が異なります
録音された自分の声を聴いたとき自分が認識しているより低い声に聞こえたなんてことがないでしょうか。
このギャップは歌唱においては厄介で、自分ではうまく歌えたように聞こえても聞き手には下手にきこえていることがあるのです。
歌が苦手な方はこのギャップを考慮していないことも原因として関係あるかもしれません。
このギャップや聞き手にはどう聞こえているのかを認識するために録音してください。
またボイストレーニングではある日できていたことができなくなるスランプに陥ることがしばしばあります。
そんな時は以前録音した声をお手本として思い出すことができます。
自分の声からなるサンプル音源としても有用なためぜひ活用してください。


こまめに水分補給

続いて3つ目、こまめに水分補給してください。
乾燥で喉を傷めるだけでなく、
コンディションが悪いと練習にならないテクニックがあるためです。

喉の痛みや違和感が生じたらすぐに中止

それに加えて4つ目、のどの痛みや違和感が生じたらすぐに中止してください。
どうしてもテクニック会得に向けた練習の際には喉の違和感などが生じることがあります。
正しい発声であれば何の違和感や痛みも現れません。
したがって正しい発声かどうか判断し練習内容を見直すための指標として意識してみてください。

連日の練習を避ける(特にテクニック会得前)

最後5つ目、連日の練習を避けてください。
ボイストレーニングはインナーマッスルの筋トレと言え、
歌うための筋肉は歌うことで鍛えられていきます。
しかし声帯は繊細で負荷がかかるとダメージが蓄積してしまいます。
ダメージが蓄積し続けるとポリープといった不可逆的な損傷となる恐れがあるのです。
したがって回復期間をもうけるため、
週2~3回くらいを目安に各自調整していただければと思います。
またダラダラ長時間続けて疲れると正しい発声ができなくなるだけでなく変な癖がつくため、
1回1~2時間くらいと短時間で効率よく練習するように心がけてください。

ちなみに私の場合はクリーンボイス1時間とスクリームボイス1時間の計2時間を1回として月木とか火金といった間隔で行っています。


今回は独学ボイトレの基本原則について解説しました。
ボイトレメニューについては別の記事にまとめようと思います。

見ていただきありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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