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[リーガル翻訳]リーガルテックと翻訳

4年に1度訪れる2月29日に記事を書いてみようかと。

機械翻訳やAIの登場で契約書の作成も自動化できる時代になりつつあります。ということは・・・契約書の翻訳も「ある程度」は機械翻訳やAIに任されてしまう時代も来るのではとも思っています(いわゆるリーガルテック的な)。

「ある程度」としたのは、契約書の英日翻訳であればいわゆる「一般条項」(General Provision)は自動化されるであろうなと思う反面、それ以外の条項については自動化は難しいと思うからです。

たとえば、
Matters not stipulated herein or doubts about interpretation hereof shall be resolved by Parties through their good-faith consultation.

とか
Buyer and Seller have executed this Agreement in duplicate by affixing their names and seals thereto and each Party retains one (1) copy thereof.

ある程度経験を重ねれば上記のような一般条項は何も見なくても書けてしまうと思うのです。なぜ書けるのかというと、ある程度決まり文句というか定型文があるから、としか言えないです。パターン化できるのであれば機械翻訳でも一定の品質の訳文を出力できるのでは?という感じです。

では、リーガルテックが進化していく中で、人間のリーガル翻訳者が生き延びるにはどのようなスキルが必要になってくるのか。

答えは意外とシンプルで「一般条項以外の難しい規定、パターン化できない規定」をしっかりと訳出する力を身につけることだと思います。

あるいは、「契約書」以外の法的文書の翻訳スキルを身につけることも良いと思います。たとえば、「就業規則」「コンプライアンス研修資料」「内部監査チェック表」などが「契約書」以外のリーガル翻訳の対象文書になってくるかと。あとは「訴訟資料」「登記簿」などもあります。

翻訳業界全体において、With MT/AI時代にどう生き抜くかというのは誰しもが悩むところかと思います。そこで、今回は「リーガル翻訳」に絞って、記事を書いてみました。最適解ではないと思いますが、考えるきっかけになれば幸いです。

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