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日記 20200629


<第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第二局>

衝撃!王手!和服!【棋譜並べ】渡辺明三冠vs藤井聡太七段【将棋】急戦矢倉

2020/6/28

nanami mizukiさんの棋譜解説動画。

約6年前からYouTubeで将棋動画を投稿されてますが、2年ほど前から藤井聡太七段(現在)の棋譜解説をメインにされているようです。

(2020/7/5追記)今見たら全部動画消しちゃってますね……何があったんだろう。

(2020/7/8追記)誤通報でnanami mizukiさんのチャンネルごと凍結されてしまったようです。復活しますように……(´・ω・`)

(2020/8/4追記)復活してました! やった!!ヾ(*´∀`*)ノ

将棋を知っている人であれば、18分程度で分かりやすく流れを解説してくれているので実際に動画を見てもらう方が早いかも……自分用にポイントだけ抜き書きしておきます。

渡辺明棋聖に先勝した藤井聡太七段

第二局は藤井七段が後手ですが、解説の都合で盤面の向きが逆になっているため、手前側が藤井七段の陣営となっています。

(通常とは逆で、左端が1筋目、右端が9筋目、上端が九段目、下端が一段目となります。)

(参考)


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渡辺棋聖が▼2四歩△同歩▼同飛△2三歩▼2九飛、と飛車先の歩を交換して深く引いた局面。

通常の矢倉戦では5筋の歩を突き合う形が自然なのです。中央5五地点の均衡を保ったり、角を引いた時に角筋を通すなどのメリットがありますから。でも藤井七段は今回5筋の歩を突いていません……不突きのメリットは何でしょうか。それは次の手で分かります。


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△5四金、と力強く△4三金を△5三歩の上に進めました。

指されてみれば▼4五桂を取りに行く手として自然ですが、守備の要である金を歩越しで前線に送るのは決断の一手。銀と違ってすぐ元に戻れないため、将棋の常識的には「歩越し金」は避ける方が良いのですが、藤井七段は囚われずに指しています。

これに対して、たとえば▼5五歩と突き出しても△4五金▼同銀△同銀で先手が桂損してしまいます。


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戦いの起こった筋に飛車を回るのは常道。藤井七段側は玉と飛車が接近しており形が悪い……とはいえ今すぐ咎める手段はなさそう。渡辺棋聖は▼4五桂が守り切れないので、▼5七銀左と▼8八角のラインを通して備えます。角交換になれば玉形(守備力)の差で有利という見通し。

藤井七段は銀を目標に△7三桂と跳ね、決戦を前に全軍躍動の態勢。


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いざ決戦。

4筋で駒交換が起こり、さらに角交換のため藤井七段の玉が涼しい格好に。△2二同金と「壁金」の悪い形になり、渡辺棋聖は▼6六角とその金を狙って好所に角を据えます。△3二金と避ければ▼1一角成と香車を奪いつつ馬を作る。また△3三銀には▼3四歩が厳しく、△4四歩には▼4五飛!△同歩▼2二角成と二枚替えで先手優勢。

このピンチに藤井七段はどうしたか。

盤面解説では△4六桂(▼2二角成には△5八桂成~△1四角などを狙う)などを候補に挙げていたところ……


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△3一銀!

金を取られないよう紐づけしながら自陣を銀で補強……という意味は分かります。しかし貴重な銀をそっぽに手放す悪形で、勝ち目を少なくするように見えるためプロならまず考えない。

上記の記事でも指摘のある通り、最強の将棋ソフトが6億手読んでようやく最善手と判断したのが△3一銀。藤井七段は23分の考慮で指しています。もちろん藤井七段が6億手読んだわけではなく、培った大局観から導き出したのでしょうが、それにしても凄まじい。

銀を手放したから早い攻めはないだろうと、持久戦志向で囲いを固める渡辺棋聖。しかし、藤井七段は僅かな綻びを見逃さず攻めかかります。

うまく守備金を上ずらせて渡辺玉の頭上にスペースを作り、決め手は。


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△4七歩成!

歩の成捨てが軽手ながら、これが取れないのです。

(1)▼同飛なら△6九角が詰めろ金取り。

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(2)▼同金なら△5八角。以下、▼4八飛△6九角成で次の△8七桂成が厳しく、▼7八銀と受けても△8七歩で受けになりません。

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実戦は(3)▼5九金と辛抱しましたが、と金ができたのは大きな戦果で勝負あり。後は藤井七段の寄せを見るばかり。


▼7五角と桂馬を払ったのを取らず、△5四角と▼7六金~▼9八玉のラインを睨む角打ちも急所です。

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△7六銀と上部脱出を阻止しながら、これが△9七銀▼同玉△7九角▼9八玉△8八角成までの詰めろ。

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さすがの渡辺棋聖も形作りをするしかなく、終局となりました。

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いよいよ、棋聖タイトルに王手をかけた藤井聡太七段。

最年少タイトルが更新されるかも?

棋聖戦第三局は、7月9日。楽しみに待ってます!!




※トップ画像は、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。

※記事が多くなったので、案内用の記事を作りました。


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