マガジン

  • ビジネス×アート=?

    ビジネス×アートの思考実験

  • 映画バカの部屋

    映画批評、映画監督のなり方、映画とビジネス、映画と写真などについて書いています。

最近の記事

ポン・ジュノ作品『寄生虫』とカンヌ

カンヌで最高賞を受賞した本作、日本では来年初に公開されるとのこと。私は先月、一足早く韓国で観てきました。 こりゃ快作です。 二回観ましたが、一つ一つのシーンの情報集約率が高いので、二回目の方がむしろ堪能できたかも。 ネタバレ厳禁の作品なので、あまり詳しいことは言えませんが…あれですね。ポン・ジュノ/レオン・カラックス/ミシェル・ゴンドリーが監督し、香川照之や蒼井優も出演したオムニバス映画『TOKYO!』(2008)を観た人であれば、「あっ!これは!」と思うはずです。何か

    • ネトフリでコーエン兄弟の『バスターのバラード』を観てやられてる。さすがだなと。よくここを通して来るなと。笑うと同時に冷静になる。

      • 映画と数学の重なるところ 〜脚本・興行・アート〜

        映画監督の北野武(ビートたけし)は映画と数学の関係について以下のように語っている。 映画や芝居の映像表現に計算が必要ないなんて、それはとんだ間違いなんですよ。映画のカット割りや芝居の舞台構成なんてのは、加減乗除の繰り返し。台数や幾何、因数分解ができないと、映像表現はできないんだと思いますよ。だから、芸大の入試にも数学をやらせたほうがいい。 (映画は)だらだら長くてもしかたないから短くしなきゃならない。そういうときどうするかっていうと、シーンの因数分解っていうやり

        • 『運び屋』

          映画の新しい発見があった。 それは「老人最強説」。 美男も美女もムキムキも宇宙人も敵わない。 老人こそ最強。イーストウッドなら尚更最強。 老人だからドラマが映える。 言葉も含蓄深いものに聴こえる。 顔のシワやゆっくりとした佇まいに目が釘付けになる。理解したくなる。親身になる。これぞ「老人力」。マジックだ。色々やらかしても許したくなる。 老人といっても、必ず若い時代があったわけで、その頃を悔いる言葉とか…たぶん刺さる人多い。頑張ってる人ほど。(笑) もちろんイーストウッド作品

        ポン・ジュノ作品『寄生虫』とカンヌ

        • ネトフリでコーエン兄弟の『バスターのバラード』を観てやられてる。さすがだなと。よくここを通して来るなと。笑うと同時に冷静になる。

        • 映画と数学の重なるところ 〜脚本・興行・アート〜

        • 『運び屋』

        マガジン

        • ビジネス×アート=?
          4本
        • 映画バカの部屋
          53本

        記事

          商売は一番最高の芸術! (書評-『ぼくの哲学』(A・ウォーホル 他)

          アートの次に商売の術が来る。僕は商業芸術家として出発したから商業芸術家として終わりたい。ぼくがアートというやつ、まあどう言ってもいいが、それをした後、商業の術に進んだ。ぼくは芸術を商売にする人か、商売の達人というのになりたかった。1番魅惑的なアートは商売に長けていることだと思う。ヒッピーの時代には商売という考えを軽蔑した。"金は悪だ''とか"働くのは悪だ"とか言っていたけど金を作るのは技術だし、働くのも技術だし、うまく行ってる商売は1番最高の芸術だと思う。(アンディ・ウォーホ

          商売は一番最高の芸術! (書評-『ぼくの哲学』(A・ウォーホル 他)

          映画『グリーンブック』

          良質のウェルメイド作品。笑いあり、涙あり、強過ぎず弱過ぎず、ちょうど良いバランスでメッセージを送ってくる。とはいえ、それほどシンプルな話ではない。 1960年初という黒人差別が濃厚に残るアメリカ南部を回るロードムービー。主人公二人、特にピアニストであるアフリカ系米国人のアイデンティティは複雑だ。英才教育を受けた来た天才ゆえに、さらに異なるアイデンティティなり心情を持つ。 そんな込み入った背景がありながらも、ロードムービーならではの流れるようなリズムでらコミカルに痛快に、ときに

          映画『グリーンブック』

          映画『ギルティ』

          警察の緊急コールセンターが舞台、ほぼ電話の声と主人公の警官の表情だけで構成された異色作。ほぼネットだけで進行する『サーチ』と似てるが、もっと文学的、そしてどこかクラシカルな匂いのする欧州映画。 発信者と通信しながら、事件の真相を追求しながら、同時に主人公(警官)自身の内面にも焦点が絞られていく。電話のこちらと向こうの非対称性が対称に向かっいく展開が脚本的にも完成度高い。電話だけというアイデアもさることながら、観た人にきっちり爪痕残すぜという作品です。 警察のコールセンター

          映画『ギルティ』

          ネトフリ配給ドラマ『トロツキー』がヤバい

          レーニンに次ぐソ連の初期最高幹部の一人であり、アナーキストとして一種謎めいた名を歴史に残すトロツキー。 その人生を描いたロシア産ドラマがネトフリで配信中だ。ロシアでは、レーニンのドラマと同時期に放映開始したが、視聴率でトロツキーが勝ったという。私はまだシーズン1の第3話までしか観てないが、そのクオリティの高さや内容の激烈さに唸らされている。 史実として、トロツキーは亡命先のメキシコで暗殺されるのだが、ドラマでは、その人生後年を送るメキシコでの回想という形を取る。第1話ではメ

          ネトフリ配給ドラマ『トロツキー』がヤバい

          「ビジネスもアートも性欲の延長にあり、それを綺麗事のみで考える者は愚かである」とフロイト博士が言ったとか言わなかったとか。

          「ビジネスもアートも性欲の延長にあり、それを綺麗事のみで考える者は愚かである」とフロイト博士が言ったとか言わなかったとか。

          先日書いた「東京寿司ランド(TSL)」の企画案が日経COMEMOの週間ランキングで8位になりました。読んで頂いた方々、スキしてくれた方々、ありがとうございます。実現したら年パスあげます。🤗🍣 https://note.mu/comemo/n/n910a9ad8f7bc

          先日書いた「東京寿司ランド(TSL)」の企画案が日経COMEMOの週間ランキングで8位になりました。読んで頂いた方々、スキしてくれた方々、ありがとうございます。実現したら年パスあげます。🤗🍣 https://note.mu/comemo/n/n910a9ad8f7bc

          もしも自分に予算の制約がなければどんな作品をつくるか? 表現者たる者、常にイメージしてないと駄目だ。 私なら等身大のピラミッドや宮殿を北極に作らせ、エキストラ100万人で『イントレランス2』を作る。 面白くなくても伝説になれる。いや、面白くない方が伝説になれる。

          もしも自分に予算の制約がなければどんな作品をつくるか? 表現者たる者、常にイメージしてないと駄目だ。 私なら等身大のピラミッドや宮殿を北極に作らせ、エキストラ100万人で『イントレランス2』を作る。 面白くなくても伝説になれる。いや、面白くない方が伝説になれる。

          展望・希望・矜持・固執・意欲など、多くの感情は予算制約に縛られている。想像の画質も金次第。洒落でも良いから、縛りを外して考える癖を持つ。

          展望・希望・矜持・固執・意欲など、多くの感情は予算制約に縛られている。想像の画質も金次第。洒落でも良いから、縛りを外して考える癖を持つ。

          衝撃! 巨大テーマパーク『東京寿司ランド』開発計画案公開

          東京ディズニーランド(TDL)の近郊に、寿司をテーマにした巨大テーマパーク開発案が浮上している。その名も『東京寿司ランド』(TSL)。 日本の寿司文化の素晴らしさを世界に発信し、同文化の裾野と可能性を広げ、世界の寿司文化を体系化するために設立される。 私は本計画の中心にいる。 主な内容は以下の通りだ。 ・TDL近郊に、TDLと同規模の広さのテーマパークをつくる ・寿司専門のフードコート・魚介類を模した乗り物アトラクション・マグロの解体ショー・握り体験パビリオン・寿司博

          衝撃! 巨大テーマパーク『東京寿司ランド』開発計画案公開

          ・すばらしい芸術はジャンルを超えて思想にも革命を起こす。 ・歴史に残るのは、革命を起こした作品だけ。 ・追従者は小銭を稼ぐことはできるでが小銭は小銭。 『芸術起業論』再読中

          ・すばらしい芸術はジャンルを超えて思想にも革命を起こす。 ・歴史に残るのは、革命を起こした作品だけ。 ・追従者は小銭を稼ぐことはできるでが小銭は小銭。 『芸術起業論』再読中

          映画3作短評

          『アクアマン』(公開中) 地上での戦闘シーンが息を飲むほどキレッキレッで最高。髪の赤いヒロインもエキゾチックで魅入った。カニ型の大型生物兵器もグッド。それ以外はノーコメントで。あ、4Dで観で大惨事でした。IMAXの非3Dの方が映像は堪能出来るでしょう。 『七つの会議』(公開中) もはや誰もその大袈裟な演技に疑問を持たないであろう池井戸潤シリーズ。手に汗握る企業サスペンスドラマ。香川照之に唯一食われない演者・野村萬斎。歌舞伎役者と狂言師の存在感バトルを堪能できます。映画の

          映画3作短評

          要約抜粋『アートスピリット』- 百年近く続くロングランのアート書

          これは濃い~一冊です。凡百のアート本、自己啓発本が束になっても叶わない。1923年、当時人気画家だったロバート・ヘンライ(1865~1929)が表した一冊、百年近い歳月のなか読み続けられてるロングランです。 私も読んでいて線を引く個所が多過ぎて、本の中身が真っ赤っかになりました。内容自体は画を志す人に向けに書かれていいますが、映画や小説など、他の表現を志す人たちも刺さる言葉がたくさん。個人的には、経営理念や、個人の人生指針を立てる上でも参考になると思っています。 以下、これは

          要約抜粋『アートスピリット』- 百年近く続くロングランのアート書