見出し画像

映画『グリーンブック』

良質のウェルメイド作品。笑いあり、涙あり、強過ぎず弱過ぎず、ちょうど良いバランスでメッセージを送ってくる。とはいえ、それほどシンプルな話ではない。
1960年初という黒人差別が濃厚に残るアメリカ南部を回るロードムービー。主人公二人、特にピアニストであるアフリカ系米国人のアイデンティティは複雑だ。英才教育を受けた来た天才ゆえに、さらに異なるアイデンティティなり心情を持つ。
そんな込み入った背景がありながらも、ロードムービーならではの流れるようなリズムでらコミカルに痛快に、ときに急所を突きながら走って行く。

作品の良さは言うまでもないが、ロードムービーというのはそれ自体が良くできてるなと今更ながら思う。出発から終着まで起承転結が立てやすく、移り変わる風景、移動というリズム、密室内で正面を向いた者同士の会話、シーンの区切りやすさなどなど。

※本作に関しては内容の真偽を巡り遺族たちの間で議論もあることに留意

#グリーンブック #映画 #映画レビュー #ロードムービー

サポート頂いたお金は全額書籍購入費に充てさせてもらいます。