Midjourneyを遊び倒す!
ここのところ子供の口の中の麻痺を取るために経絡の勉強をずっとしていたのですが、手掛かりはつかめたもののなかなか成果に結びつかず暑いし熱中症気味だしなんだかやる気が起きなくてダラダラと生活しておりました。シッターさんも胃潰瘍で入院してしまい、仕事をしようにも子供を見てくれる人がいないのですべてがストップしている状態。子供といちゃいちゃするのも楽しいけれど、1つ気になることが。
それはAIお絵描きMidjourneyです。最近ネット上で話題ですよね。文章を入力するだけでAIが絵を描いてくれるんです。今まで「自分には絵の才能がないから」なんて思っていた人でも凄い絵が描けちゃう!もうイラストレーターさんは廃業必至だなんて言われていますがどうなんでしょうか?!
いろんな人がものすごい神絵を描かせまくっていて、私もやってみたい!と思っていたんです。だって絶対楽しそうだから!たまには息抜きしてもいいでしょ!
と、いうことではじめてみたのですが、思った以上に簡単でした。
はじめてみよう!AIお絵描き!
やり方としては、最初にDiscordというSNSのアカウントを取得します。さらにMidjourneyに参加します。
するとDiscordのページのなかにMidjourneyのマークが出ているのでクリック。左にあるサイドバーの真ん中あたりにNOWCOMER ROOMSと書かれたところがあります。その中に「#newbies-○○」の名前のついたチャンネルがいくつか並んでいるのでどれでもいいから1つ開くと中央部分の下のほうに文字を入力するブースがあります。
そこにカーソルを合わせて「/imagine」と入力すると、その右にプロンプト(prompt)フィールドが表示されます。MidJourney Botにイラスト画像生成させたいテキスト(単語や文章)を入力すると、大体1分前後で画像が生成されます。
いろんな人がたくさん画像を作っているので自分のがどんどん流れて胃ってどこに行ったのかわからなくなることがあります。その時は画面右上にある?マークの隣の四角いアイコンをクリック。直近の発言がずらりと表示されます。詳しく見たい画像にマウスを合わせるとそのメッセージの右上に「ジャンプ」と表示されるのでそれをクリックすると該当のメッセージに飛ぶことができます。
そこには「入力した文字」「生成された画像」の他に「U1」「U2」「U3」「U4」と「V1」「V2」「V3」「V4」となにやら左回りに回転するようなマークが。この文字には意味があって、「U1」が生成された4枚の画像のうちの「左上」と言う意味です。「U2」が「右上」で「U3」が「左下」で「U4」が「右下」と言うことになります。これをクリックしてその横にある丸い絵のボタンを押すと新たに画像が生成されます。今度は4枚の画像ではなく1枚だけの画像が作られます。
「V1」「V2」「V3」「V4」の意味はVはバリエーションと言う意味なんでしょうかね。クリックしてその横の丸いボタンを押すとその画像をもとにさらに4枚の画像が作られます。
作った画像が「それなりに良いんだけどちょっと違うな~」と思うなら、もう一度最初から同じメッセージか、少し変えたメッセージを加えてコマンド入力してやるか、この「V1」「V2」「V3」「V4」の中から気になるものを選んでさらに生成させるかのどちらかになります。調子が良ければ「V1」「V2」「V3」「V4」を繰り返していると何とかいい画像に巡り合えるのですがやればやるほどおかしくなってしまうこともあります。そういう時は仕切り直し。
メッセージは日本語よりも英語のほうが良いようで、得意な人はそのまま英語で入力すればよいのですが、そうでもない場合はGoogle翻訳などに頼って入力するのでも全然大丈夫です。だってこれは「キーワード」から画像を抽出しているから、正しい文法でなくても割と平気みたい。変な英語を書いちゃってたら恥ずかしいだなんて思わなくても、それ以前にみんななんだか変なこといっぱい書いてるから平気だと思います。いわゆる厨二病っぽい画像を練成しようとしてる人が多いわけだし!恥ずかしがらずにやってみる!
キーワードを入力する
4枚の画像のうち気に入ったもののバリエーションを生成する
本命を見つけたらその1枚を選ぶ
という3ステップを延々やっていくだけ。
Discord内にはファンタジー系やサイバーパンク系の画像を作ろうとしている人がとても多いです。1人が画像を作っていいなと思うとみんなついつい真似をしてしまうので「龍」とか「兵士」とか「侍」とかアニメのキャラクターとかゲームの世界観を追い求めた画像をつくりがち。でもとりあえず真似して私もやってみました。
と言う感じでいかにもありそうな画像がすぐに作れちゃう。Discordを始めて30分くらいでこういう画像が作れたんです。すっごく簡単!
イラストっぽいのがよければ、こういうのも可能。
ただ「もっと高画質にしたい」とか「緻密な表現がいいのに」とか「女性の顔はそういうタイプじゃない人がいいのに」とかいろいろ個別で設定したくなるので、それに関してはほかの人の画像を参考にしながら入力していきます。
油断すると大抵このタイプの顔の女性を描いてくるので、アジア人顔にするには個別の指定が必要です。固有名詞をいれたりすると解決できます。
そこでアジア人風にしてみました。
このAI、案外こういうタッチのイラスト得意なのかも。
質感などの指定が上手くいくと、思った以上のクオリティで仕上げてきます。
キーワードやコマンド入力のコツに関してはもうすでにたくさんの方が解説記事を書かれているのでそれを参考にやってみるのもいいですが、計算してやってもうまくいかないんです。自分が狙っているものに近づくかどうかは実際やってみなければわかりません。実践ありき!やって失敗して覚えていくしかないですね。
たまたま偶然生成されたかっこいい画像を愛でることは簡単ですが、自分が狙った画像通りのものをAIに作らせることはとても難しい。失敗するとぐにゃぐにゃな画像が作られます。
特にこのAI絶対猫が苦手。「世界で一番かわいい猫の刺繍」と私は言ったのになんかちょっと私の求めていたものとは違う。このAIは猫を可愛いと思っていないのかも。
AIに指示を与える難しさ
最初は「ああ、いけるいける。簡単!本当に簡単にすぐ画像が作れる!」と調子に乗っていたのですが、怖い顔の猫画像連発によって私の不満が続出します。もやもや、イライラが最高潮!
自分の中の違和感をどのように片付けるのか、そしてそれを解決するだけの指示能力の向上の2つと向き合わなければ、AIを使いこなすことは不可能なのだと思いました。
「自分で絵を描くのが苦手な人でも簡単にかっこいい画像が作れる」のは本当。それは絶対間違いではないのですが、思ったような絵を描かせるにはAIの操作が上手くなる必要がある。それはうっかりすると自分で絵を描く以上に難しいことなのでは。
たとえば「金歯」を指定したのにも関わらず、歯茎が金で白い歯の画像を作ってきたりするようなAIですから、こういう時に「歯の方を金にしてよね!」と、指示できなければこの画像で我慢する以外なくなってしまう。というかごみ画像を作ってしまったということに。
猫とインコのモチーフで刺繍のワッペンの画像を作ってみようと思ってやらせてみるとこの通り。なぜか猫とインコが一体化しているし。
そうじゃないのよ!そういうことじゃないのよ!と思っても、そこは細かく指示できるだけの力量が必要なわけで。悪いのは指示の下手な自分であってAIのせいじゃない…。
「それは違う」と思ったからと言って「違う」と言っても狙った画像は生成されず、的確に細かく指示しなければならないものの、細かすぎると余計に違うものをつくってくるんです。
✕ 〜をしちゃダメ
○ 〜をしてください
なんだかうちの子供に間違ったことをしたから「違うそうじゃない」と言うと余計にわけのわからないことをしてきて、しかもそれを記憶してしまったせいでずっと違うことをされ続けてしまう現象に似ています。
AIも複雑なことは理解しにくい性質があるので、できるだけシンプルな指示を心がけなければ。
AIの得手不得手と絵の本質
苦手なものも確かにあるけれど、こういうちょっとダークで怖い画像とかはものすごく上手いです。
雲とか空とか宇宙とかのモチーフも得意。ファンタジーや天使などの宗教的なパーツも描かせる人が多いせいか上手です。
手も足が溶けているけれど、溶かすなと言えない私。
否定形の表現よりも具体的な言葉で言い切るほうが上手くいくとわかっていてもそういうときは逆の言い方だって思いつかないものです。
「だったらなんて言えばいいのか」と、盛大に迷うんですよね。
せめて顔の中身をもうちょっと描いて欲しいと思うことはよくあります。女の人の顔が苦手なのかな。
英語圏で生まれたものなので、欧米で有名なイラストレーターの場合は現役作家さんでも「〇〇〇〇〇風」と言う感じで入力するとその通りに精製されるのに、日本国内では超有名な日本画家さんや近現代の有名画家であっても完全スルーされて「和風」なだけの画像が作られてしまいます。葛飾北斎だとなんでもかんでも波のモチーフを絡めておけばいいと思ってるんだろうし、安直な感じが否めない。
でも案外有名なゲームや漫画の作家さんなんかのことは理解していて某有名クリエーターさんの名前を入れてみると普通にいけちゃったりするので、ダメもとで試してみるのもいいかも。
ほら、こんな感じで。どこかで見たことがあるようなないような画像が作れます。
「誰かのタッチに似せて描いて」といいうことはできるものの、「私のオリジナルの作風を作って」と言うことは難しい。どれだけたくさんのイラストレーターさんが「もう自分の仕事はAIに奪われるんじゃ?」と心配されてもその必要はないですよね。
AIは「どこかで誰かが作ったようなものに関して端的に指示をすればその通りの画像を作ってくるけれど、あくまでもそれだけ」なのだから。それがどんなに高画質で簡単であってもオリジナリティがなければ商業的には使いづらい画像です。
特にこういうタイプの画像は失敗なく簡単に作れますが、こういう絵を必要としている人がどのくらいいるのか。ジャンルが偏るんですよね。
ただきれいで見ていたいだけの絵や描く側が楽しくて描きたい絵と言うのもあると思いますが、本来絵は「他人に言葉よりも一目で見てわかる情報を与えたい」という目的があって描かれることが多いはずです。商業的に使われるイラストなんかは特にそう。必ず、ではないけれど大抵の絵には目的がある。
人に何かを伝えたくて絵にするのであれば、その目的を果たすための要素が存在します。絵は誰かによって何らかの意図をもって描かれ、その目的のために働いている。感動を与えたり癒したりする以外にも情報を伝えたりすることで、見た人に何らかの考え方や行動の変化を求めていることもあります。絵がうまいひとというのはそういうことが自然とできている人なのではないでしょうか。
AIを使う側はそのことの意味をその都度考えながら指示を出すキーフレーズを決めていかないと、「近いんだけどちょっと違う」と言う違和感に苦しみます。
その違和感の正体は「どんなに美しい画像であっても、その絵を使う側にとっての目的を果たしていないなら満足感は得られない」ということ。それはある意味私の自己満足かもしれません。私がどんなに不満を持っている画像を生成しても、その目的など関係のない人からすると「どこが嫌なの?十分良い絵だと思うけど?!凄いよ?」となると思います。
作りたかった画像となんか違う。
その違和感の蓄積に何とも言えない気分になってしまうのはなかなかの苦痛ですが克服するには自分が上手くなる以外ないんです。
時に思い通りに行かずもやもやすることもありますが、やっぱり自分では描けないような絵がかけることは単純に楽しい!
特に「絵」とはいえ「写真のような絵」が得意なAIなのでそこはこんな遊びができます。
世のなかに存在しない宝石を作ってみた!
宝石の絵を描かせている人がいたので、私もちょっと指示を出してみました。どうせだったら写真っぽい絵が描けるんだからとことん高画質に!
するとこんな感じ。デザインの方向性の好みはいろいろあるものの、なんでもいけちゃいそう。
たとえ売っていても私はこの中に1つも欲しいものはないのですが、やったらできたのでこのパターンでいろいろ作ってみました。
それがこちら。クリムト風のバスルーム。めっちゃ派手。
「〇〇風の〇〇」というパターンはAIにとっては理解しやすい表現なのかも。
このAIはクリムトが好きなのかな。ほかの画家のデザインとは取り組む熱意が違うように感じました。
これが上手くいくならもっと具体的な品物にもクリムトをねじ込んでみましょう。クリムトが食器作ってたらどんな絵付けをしたのかな~?」という私の疑問をAIにぶつけてみるとこんなふうに。
細かい部分がややブレる。
バリエーションを重ねると本来のイメージから少し離れたものを作ってきます。離れすぎると細かい部分がブレすぎるので調整が必要ですね。
そしてMidjourneyの苦手な猫のモチーフで椅子を作ってみました。見ての通りとても個性的。このAIはやっぱりアートに特化したAIなんですね。普通の椅子は全く作る気がないようです。
最後のなんて、どんなお金持ちの家の人ならこんな椅子を置けるのかというほどのインパクトですね。
でも頼んでもいないのにオッドアイにしてくるあたり、徐々に猫好きの趣味嗜好を理解しようとしてくれているのかもしれない。
お友達に「私が使えそうなおしゃれなマグカップ作ってみてね」と言われたので、早速挑戦。このようなものが出来上がりました。AIが考えるおしゃれとは一体…。
どうやらこのAIはちょっと派手なのが好きみたい。絶対そうでしょ。細かく指示を入れない限りはとにかく派手めにしてきます。
それなら日本のド派手芸術の極致!「金屏風」を作成してみることに。和風にしたかったのに、なぜか洋風になってしないましたが。
このように「絵を描かせる」というよりは「モノを作らせる」という観点でAIを使ってみたら結構楽しかったです。
AIはちょっと雑な部分があるから、AIに作らせた映像を元に人間がデザインしなおして、モノを作っていくという方法もありそうです。
だってこのAIに「売ってたら買いたくなるもの」を作らせるのはなかなか至難の業。なんというキーワードを入れてもどこかしら個性的なアート作品に仕上げてくるんだから。
あえて「一般的」な指示を出すとなんだか物足りなく感じてしまうのは私だけでしょうか。
これはやっぱり、こんな画像を作ったほうが楽しいと思ってしまう人間たちの心がMidjourneyを作り上げてしまったせいなのかも。
アニメが好きな人が参加していることが多いせいか、写実的なものもいいですがイラスト風なのもとてもいい。キャラクターデザインなんかもきっとMidjourneyは得意です。
こんな感じで、いくらでも遊べます。うまくいかない部分があるからこそ飽きないです。
今月は奇穴の勉強をしたかったのに、Midjourneyのおかげで暇がつぶれすぎて、お盆があっという間に終わりました。時間がいくらあっても足りない!子供に呆れられて「いい加減にしたら?」と言われ、「そんな言葉よく知ってるね」と言ったほどです。
楽しさと引き換えに私のようなオバサンには肩こりとかすみ目という弊害が訪れましたが、それでも楽しい。
初心者でもこれだけ楽しいのだから、AIを思い通りに自分の手足のように使えるようになったら、もっともっと楽しいでしょうね。
練習しましょ!
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