家事労働(1)-家事労働とは
「家事労働」という概念が成立し流布される以前には、「家事」は「労働」と見なされなかった。「家事と育児に追われる」専業主婦の女性は、たとえ「クタクタの毎日」を送っていても「三食ヒルネつきの身分」と揶揄される。「私だって、朝から晩までコマネズミみたいに働いているのよ」と異議申し立てをすれば、「キミのやっているようなことは、仕事のうちに入らないさ」と一蹴されるのがオチだった。「家事は仕事ではない」と言われれば、「そうなの」と引き下がらざるをえないのが、これまでの女性だった。(上野千