僕の好きなクリエーター041ルドガーハウアー

Knockin’ on heaven’s door 1997

ルドガーハウアー 個性の強い俳優で、強烈な印象を残す。
実は、ルドガーハウアーの出演している映画で僕の大好きな映画が有る 色々な映画の中で、もしかしたら、一番好きな映画かもしれない。

その名もノッキンオンヘブンズドア この映画は一介のタクシードライバーで生計をたてていたトーマスヤーンと言う人がドイツの俳優ティル・シュヴァイガーに脚本を送りつけたところ、ティルがこの脚本を大いに気に入り、いきなり映画を作ることになる。

映画を作るに当たって当時は売れない役者だったティル・シュヴァイガーもスポンサーを探しまわった。もちろん監督も雇えない。強いて監督は誰かとなると、ティル・シュヴァイガー本人になるのだろう。

そして、ティル・シュヴァイガーは共演に、ルドガーハウアーにマフィアのボス役をどうしてもやって欲しいと頼み込んだ。

ルドガーハウアーの男気

ルドガーハウアーのマネージャーは一日10万ドルのギャラをティルに要求した。そのためティル・シュヴァイガーは完全にルドガーハウアーの出演を諦めていたのだが、脚本を読んだルドガーは、「マネージャーがどう言ったか知らんが、金の事は気にするな、この映画にぜひ出演したい」と申し出があったそうである。

なんて男気のある俳優だろうか!この話を聞いて僕は一発でルドガーハウアーのファンになってしまった。しかも、出演するって言ったって脇役である。それでも出てくれたのだ。自分の作った映画でも無いのにうれしいなんて僕の頭はいったいどうなっちゃってるんだろうか?

ルドガーハウアーといえばブレードランナーにもレプリカント役で出演していて、なんとも奇妙なえげつない役をこなしている。役者としての個性が強すぎてアクが強く、ブレードランナーのルドガーは実にいやみったらしいのだ。
僕はその演技にすっかり騙されていたわけである。こんなに男気があるなんて思ってもみなかったわけだ。この人はやっぱり演技派なんである。

映画テーマ

そのルドガーが認めた脚本。それほど魅力的な話がノッキンオンヘブンズドアであるといえるのだろう。

この映画の魅力はは一言で何かと言えば、『男のロマンと死に方』について語るストーリーであると言える。

男の死に様 ロマン カッコ良さ おかしさ がたっぷり詰まった映画だ。

主題歌

この映画で使われている主題歌は映画の題名と同じくボブディランのノッキンオンヘブンズドア。それを、ゼーリッヒというドイツのバンドカバーで使われている。悪ガキ風に謳われていて 僕はボブディランより好きだ。

ストーリー

さて、僕がつべこべストーリーを語るより見て楽しい映画なのだが、少しだけストーリを紹介しよう。ネタバレ注意です。

末期の脳腫瘍患者の悪ガキ、マーティンと末期の骨髄種患者の真面目な男ルディが病院で出会う。お互い余命幾ばくかしか無いと医者に宣告されたのであるが、ある日、二人は死んだらどうなるかと、天国の話をし始める。マーティンは「天国に行ったら死んだ人間は海の話をするんだ」と言い、ルディは「俺は実は海を見た事が無いんだ」と話す。

マーティンは「それはかなりヤバい話だ。お前は見た事が無いんだから死んでも話に入れないぜ?今から海を見に行こうじゃないか」と提案する。しかし、ルディはまじめな男で、自分が末期の骨髄種患者であるにも関わらず、病院の規則をやたらと守ろうとする。

たとえば、マーティンががタバコを吸いすぎているのを心配したりするが、マーティンは『俺は肺がん患者じゃないんだぜ?頭の病気なんだ! 肺が駄目になるより早く死んじまうんだよ!』と、ルディの生真面目さを批判し、もうすぐお互い死ぬんだ。もっと自由に生き様じゃないかと熱っぽく語る。

『天国では海の話をするんだ』と自慢したマーティン しかし、実はマーティンも海を見た事が無いんだと気がついたルディはマーティンにも海を見て欲しくなる。そして、結局二人は病院を抜け出すことになる。

二人は海を見に行くのを口実に死に方を探しにハチャメチャな冒険に出る。手始めに、ベンツを盗むが、そのベンツが実はギャングの車だったのだ。 そして、ギャングはその車で麻薬の取引をする大金の輸送途中だったのである。

事もあろうにギャングの車を盗んでしまい、大金が入っているのを見つけた二人はそのまま金をネコババして使いまくる。二人は高級ホテルに泊まったり、一晩に何人もの娼婦と一緒に寝たりする。二人は金を取り戻しに来たギャングに追いかけられ、警察に終われ、にげてにげて逃げまくる。海を見るまでは死なないぜ!って感じだ。

しかし、 そして二人はとうとうギャングに捕まり、ルドガーハウアー扮するボスに殺されかける。さて、ふたりは目的である海にたどり着けるのだろうか?

ノッキンオンヘブンズドアと像の背中

死に方を語ると言う意味では、『像の背中』という邦画が有る。主演 役所広司。 末期の肺癌で余命半年と診断された48歳のサラリーマンの心情と生き方を描いている映画だが、このノッキンオンヘブンズドアの映画はその像の背中と対照的な映画だと僕は思う。こっちの映画は内容を説明するのは僕としてはかなり退屈なので、割愛いたします。見たい人は見比べてみてください。
この二つの映画の男達の死に方を見たときに男としてどちらを選びたいだろうか?こんな死に方が出来ると出来ないは別の話だろうが。僕の選択はノッキンオンヘブンズドアの死に方が数段良いに決まっている。


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