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【古代オリエント3】 シュメールとアッカド
●世界史シリーズ Sec.3
1) メソポタミアの地域区分 「メソポタミア」は,ギリシア語で「川の間の土地」を意味します。北のティグリス川と南のユーフラテス川の流域を指し,現在のイラクからシリア北東部にいたる地域です。
メソポタミアは,バグダード周辺を境に南北に分けられ,北部を「アッシリア」,南部を「バビロニア」と呼びます。
アッシリアはギリシア語で「アッシュルの地」を意味し,バビロニア
【古代オリエント6】 古代エジプト史概説
●世界史シリーズ Sec.6
「古代エジプト」については,オリエント世界の中でも独自性が強いため,一旦,教科書のカリキュラムを離れて,古代エジプトの王朝史だけをザッと通して概観することにしました。
1) 特異なる3000年王国 「古代エジプト」は,地勢的・文化的・歴史的に,他のオリエント諸国とは一線を画します。
ナイルの豊かな恵みのもと,独自の世界観を育み,神の子ファラオを王として戴くエ
【古代オリエント7】 ファラオの王国(1) 〜始まりから中王国まで〜
●世界史シリーズ Sec.7
前回は古代エジプト3000年の王朝史を概観しました。引き続き,エジプト文明の特質や統一王国の変遷などについて,3回に分けて記します。
1) 「ナイルの賜物」 〜そのメカニズム〜
[写真]エジプトの衛星画像(NASA提供)
現在のエジプト・アラブ共和国は国土の95%が砂漠です。衛星画像では,赤茶けた砂漠が広がる中,上エジプトのナイル河谷と下エジプトのデルタ地帯
【古代オリエント8】 ファラオの王国(2) 〜異民族支配と新王国〜
「ファラオの王国」2回目は,ヒクソス侵入から古代エジプト史のクライマックスとも言える新王国・第18王朝時代について記します。
1) ヒクソス王国 〜初の異民族支配〜 第13王朝の時代(第2中間期),王権の弱体化によって下エジプトのデルタ地帯の防衛がおろそかになり,デルタ北東部にシリア・パレスチナからの移住者が定住するようになりました。
前18世紀には,デルタ東部(アヴァリス)を根拠地にシリ
【古代オリエント9】 ファラオの王国(3) 〜新王国ラメセス朝〜
「ファラオの王国」の3回目(最終回)は,新王国時代後半の「ラメセス朝」を中心に取り上げます。
1) ツタンカーメン 〜数奇な運命のファラオ〜 古代エジプトのファラオといえば,誰もがツタンカーメン(トゥトアンクアメン)と,その黄金のマスクを思い浮かべるのではないでしょうか。
ところが,その群を抜く知名度にも関わらず,世界史教科書には全く記述がありません。
その経緯とは…
近年,新王国
【古代オリエント13】 新アッシリア⑵ 〜世界帝国とその崩壊〜
アッシリア史の3回目(最終回)は,新アッシリア帝国の絶頂期と,そのあまりにも呆気ない幕切れについて紐解きます。
1) 「世界帝国」完成へ サルゴン2世の治世までに獲得した広大な領土をもとに,史上初の「世界帝国」に成長した前7世紀初めからの約70年間は,アッシリアにとってまさに絶頂期でした。
▶︎センナケリブ 〜ユダ攻撃とバビロン破壊〜
サルゴン2世の没後,皇太子として父王を補佐してきたセ
【古代オリエント14】 メディア, リディア, 新バビロニア
前612年の新アッシリア帝国の滅亡後,オリエントは4つの王国が分立する時代に入ります。
ペルシア帝国の先駆者ともいわれるメディア王国,世界初の硬貨鋳造で知られるリディア(リュディア)王国,メソポタミア最後の光芒を放った新バビロニア王国,古代エジプト最後の繁栄期とされる第26王朝。
のちアケメネス朝ペルシアに征服されるこれら4王国のうち,一般にあまり知られていないメディア,リディア,新バ