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カリキュラム紹介~Connect~

「エッジの科目名って変わってるよね。”自由への教養”とか、”Connect”とか、”音と身体性”とか。かっこいいよね。何の授業かは分からないけどね」とスクール生に言われたことがあります。

今回は、そんな「何の授業?」のひとつ、「Connect」をご紹介します。

これは、今年度からカリキュラムに新しく加えた授業のひとつで、現代を生きる私たちが直面している課題を題材として取り上げ、スクール内外の色んな人と一緒に学びを深めようという時間です。

このカリキュラムを実施するにあたって私たちが大切にしたいと思ったのは、実践者や当事者から直接話を聞かせていただいたり、意見交換をしたりすること。その上で、自分たちに何ができるか考え、社会と直につながることでした。それで科目名を「Connect」としたわけです。

1学期は「気候変動」をテーマとしました。グレタ・トゥーンベリさんをはじめ、エッジに来ている子と同世代の人たちが気候変動に多大な関心を寄せて行動を起こしている今、私たちもこの問題と無縁ではいられません。

「どうやって進めよう?」「どんな人に関わってもらうのがいいかな」「子どもたちは誰のどんな話を聞きたいかな」と色々考えて計画していたのですが、この状況下、様々なゲスト企画がキャンセルに…。そこで、まずは環境省が出している「こども環境白書」をみんなで読むところから始めました。

4月・5月はオンラインでの授業だったこともあり、色々な意味でConnect感をもつことが難しい状況でしたが、そんな中、私たちと最初に繋がってくださったのが、長野県白馬高校3年生の金子さん、手塚さん、宮坂さん、Hakuba SDGs Labの渡邉宏太さん、Hakuba International School設立準備財団の草本朋子さんでした。

このご縁のきっかけは、2019年のSEL研修(※1)でご一緒させていただいた草本さんが白馬高校生の活動をFacebookで紹介されているのを拝見したことでした。エッジの子たちと同世代でこんな活動をしている高校生がいるなんて!是非直接話してもらいたい!とお願いしたところ、ご快諾いただき、オンラインでの交流が実現しました。

3人の白馬高校生の活動についてはこちらをご覧ください。
・気候変動から雪を守る‼高校生が立ち上がった長野県白馬村(朝日中高生新聞)
https://www.asagaku.com/chugaku/topnews/17714.html
・グローバル気候マーチin白馬(Hakuba SDGs Lab)
http://hakuba-sdgs-lab.org/190920_globalclimatestrike

オンラインでお会いする前に、みんなでこの記事を読んでみました。子ども達からは「始めた人数が少なかったことに驚き」「グレタさんの影響力がすごい」「高校生の活動、と聞いた時はもっと小さいことをやっていると思ったけど、思ったより大きいことをやってるんだ」「2050 年ゼロカーボン目標って長いな」「気候非常事態宣言はどれくらいの影響力があるんだろうか」「そもそも、気候非常事態宣言って何?」などなど、ストレートな感想。

いよいよ当日。それぞれの自宅や職場からオンラインで集合しました。高校生の3人は、この日のために資料も作ってくださって、活動を始めたきっかけや内容、現在取り組んでいるアクション等、様々な話をしてくれました。

「楽しいことが大好き。楽しくないと続けられない!」「高校生だからこそ注目される。中学生だったらもっと注目されると思う」「今は仲間がこの3人だけ。後継者がいない」などなど自然に話される様子と、「行動を始めるのに遅すぎることも、早すぎることもない」「今がちょうどいい」というメッセージが私にはとても印象的でした。

子ども達の感想をいくつか紹介します。

・高校生だからこそ注目されるし、むしろやりやすいことがある、と話されていたのが印象的でした。また、自動販売機は使わないとかレジ袋はもらわないなど、身近な取り組みもしっかりされていて流石だなと思いました。私はコンタクトレンズを使っているのですが、コンタクトのケースをリサイクルできることを最近知ったのでリサイクルしようと思います。今回お話を聞いて、環境問題は難しいものじゃないし、小さなことをしていけばいいんだと思いました。(中3・OM)

・なかなか活動を起こそうと思っても、本当に活動することはとても難しいことだと思っていたので本当に活動している人を見て本当にすごいなーと思いました。自分で活動することはちょっと難しいので自分は普段生活するときにできるだけ優しいものを使ったり、家で使う消費電力を減らすように努力したりしようと思いました。(中3・IY)

人の協力があっても 3 人だけでここまで影響を与えてて凄いと思いました。そんなに雪が降ってないと知ってびっくりしました。(小6・KM)

・日本で初めて気候非常事態宣言発令を目指してすごいと思った。あとマーチの後に署名をだして次の日にその宣言がでたのもすごい。 (中1・FK)

・学校、村全体を巻きこんですごく大きな事をやっていたのが、すごい。(中3・OS)

・気候非常事態宣言を出してもらうために、マーチをしたり署名を取って、1 日後に町から出してもらったのは本当にすごいと思ったし、行動力の塊だと思いました。その活動をした理由が、雪を守りたいだとか、そういうことではなくて、シンプルに「東京に行きたい!!」という目に見えている目標だったからこそ、成功まで運べたのではないかと思いました。また学校のことも考えて、断熱材を壁に使おうととか、自動販売機を半分に減らしてもらうという学校側も取り組みもしているのがびっくりしました。(中2・KK)

その後、エッジでも気候変動に何か具体的なアクションをしようと話し合いを続けています。ささやかなアクションでも、楽しく始めてみよう!

金子さん、手塚さん、宮坂さん、渡邉さん、草本さん、本当にありがとうございました。(冒頭の写真は、「山が好き!」という手塚さんの発案により、みんなで山のポーズ!)

2学期のConnectでは、映画監督の戸田ひかるさん(「愛と法」)、小森はるかさん(「息の跡」)にご参加いただき、「“今”を残す」をテーマにドキュメンタリーの撮影に挑戦する予定です!

※1 米国カリフォルニア州サンフランシスコのミレニアム・スクールによるSEL (Social Emotional Learning - 社会性と情動の学習)研修。2019年8月、ミレニアム・スクールからクリス・バーム校長、リンジー・バーク先生、ステファン・レザード先生が来日し、一般社団法人 SOLLAの主催で開催されました。


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