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言い方について

行動経済学とは、経済学と心理学の視点を組み合わせ、人間の経済行動を、現実に即した分析をする学問です。

「行動経済学」では、人間は必ずしも合理的には動かないという考えをもとにして経済学を分析します。

人は、言い方の違いで、合理的に動かないことについて説明していきます。

フレーミング効果とは

フレーミング効果とは、同じ意味を持つ情報であっても、焦点の当て方によって、人はまったく別の意思決定を行うという認知バイアスのことです。

事例として、「アジア病問題」という、謎の病気の流行時に、謎の対策を選んでもらうという実験が行われました。

米国は、「アジア病」という伝染病の大流行に備えています。死者は600人に達する見込みです。2つの対策が提案されていますが、どちらを採用しますか?

対策Aを実施した場合:200人が助かる
対策Bを実施した場合:600人が助かる確率は1/3で、誰も助からない確率は2/3

この場合、
対策Aを選択する人は、72%
対策Bを選択する人は、28%
という結果となりました。

600人に対して、1/3の事象ではありますが、
対策Aは、200人が確実に助かるというのがポイントです。

次に、言い方を変えて実験してみました。
対策Cを実施した場合:400人が死亡
対策Dを実施した場合:誰も死なない確率は1/3で、600人が死ぬ確率は2/3

この場合、
対策Cを選択する人は、22%
対策Bを選択する人は、78%
という結果となりました。

対策Cを選ぶと確実に400人が死亡すると聞いたときに、リスクをとって利益を求めるというのがポイントになります。

このケースは、言い方の違いで、人は合理的な判断ができなくなってしまうということです。

結果として、「人」は、
ポジティブな面に注目:確実性を好み、損失を避ける
ネガティブな面に注目:リスクを負ってでも利益を求める
という行動をするということです。

プラセボ効果とは

プラセボという有効成分が含まれていないニセの薬を服用しても、患者さん自身が、自分が飲んでいるくすりは効き目があると思い込むことで、病気の症状が改善することがあるという効果です。

お医者さんに「この薬は効果があります」と言われることで、患者が「薬を飲んだ」という安心感や、効果への期待、信頼感などの要因で病気が治ってしまう場合があります。

このケースは、言い方の違いで、病気が治ってしまうというケースです。

まとめ

フレーミング効果とプラセボ効果2つについて説明しました。
言い方の違いで、同じ確率で起こる事象も結果が変わりますし、利用者が効果があるように感じることがあるとわかったと思います。

ビジネスではこれを応用して、
「20%の顧客は満足していない」という表現を「5段階中 星4つ」
というように、満足感を演出したり、
「ダイエット効果」を「肥満は病気のもと」と健康のために購入を促したりします。
また、「高い栄養ドリンク」と「安い栄養ドリンク」の成分は同じでも「高い栄養ドリンク」のほうが効果がある気がしたりします。

行動経済学を学び、言い方を工夫することで、ビジネスに応用しましょう!!

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