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選択に関して

行動経済学とは

行動経済学とは、経済学と心理学の視点を組み合わせ、人間の経済行動を、現実に即した分析をする学問です。

「経済学」では、人間は、少しでも多くの利益を出すために合理的な判断をすると考えていますが、
「行動経済学」では、人間は必ずしも合理的には動かないという考えをもとにして経済学を分析します。

人は、選択肢を渡されたときに、合理的に動かないことについて説明していきます。

2つの選択肢の場合

ランチの弁当のメニューが、A:500円、B:1000円とあったとき、どれを選択するでしょうか?

店側としては、B:1000円の高い弁当を売りたいのですが、選択肢が2つの場合、選択肢が2つの場合、人は安いほうを選択する傾向にあります。

3つの選択肢の場合

ランチの弁当のメニューが、A:500円、B:1000円、C:1500円とあったとき、人はどれを選択するでしょうか?

通常は、真ん中のBを選ぶ傾向が多いです。人は、極端な選択を避ける傾向があり、3つ選択肢があった場合、真ん中ぐらいの選択肢を選ぶ傾向があります。

3段階の選択肢があった場合、人間は無意識のうちに真ん中の選択肢を選んでしまう傾向があります。これを「ゴルディロックス効果」と言います。日本では「松竹梅の法則」と呼ばれています。

結果として、店側が売りたいと思っていた、B:1000円の弁当が選ばれやすくなるということが起きます。

2つの選択肢の場合、安いほうの弁当が選ばれやすかったため、この行動は合理的でありません。
つまり、C:1500円の弁当をあえて追加することで、B:1000円の弁当が選ばれやすくなるということです。この効果を「おとり効果」といいます。

多すぎる選択肢の場合

あるスーパーマーケットに買い物に来たお客さんに、ジャムの試食販売をしました。お客さんのグループを2つに分け、それぞれで取り揃えるジャムの種類の数を変えて、どれだけ売れたかを観察するという実験を行いました。  
Aグループ 試食後、6種類のジャムを販売
Bグループ 試食後、24種類のジャムを販売

結果は、
Aグループ 試食後、6種類のジャムを販売:購入した割合:30%
Bグループ 試食後、24種類のジャムを販売:購入した割合:3%
となったそうです。

普通は、品揃えが多いほうが売れると考えると思いますので、この行動は合理的でありません。

実際は、24種類もあると、もっと良い選択肢があるかもしれないのに、ベストじゃない選択をしてしまったら損をすると感じ、「選べない」という「決定回避の法則」がはたらきます。これを「ジャムの法則」といいます。

まとめ

人は、合理的に、品揃えが多く、値段が安いものを選ぶと考えるのは間違っています。行動経済学は、このような実験を扱っており、興味深い学問です。
逆に、自分がモノを売る立場になったら、あえて3番目の選択肢を作り、真ん中の商品を販売したり、試食の後の品揃えを減らして売上を上げることもできますので、行動経済学を学んで活かしていきましょう!!

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