見出し画像

悪魔の証明はやめよう

悪魔の証明とは

悪魔の証明とは、「ある事実・現象が全くない・存在しない」ということを証明するような、非常に困難な命題を証明することです。

例えば、次のような会話です。
A 「雪男は、存在していると思うかい?」
B 「いいえ。雪男は存在しないと思います。」
A 「だとしたら、雪男が存在していない証拠を出してみろ」
B 「・・・」

つまり、雪男が存在していないことを証明するためには、世界中を探して雪男がいなかったことを証明する必要があり、証明が困難な命題だということです。

人に対して「ある」こと証明する場合は、その「もの」や「事実」を持ってくることで証明は可能ですが、「ない」ことを証明することは、非常に困難だということです。

悪魔の証明の事例

悪魔の証明の事例をお話しします。いろんなビジネスの場面で、悪魔の証明のような出来事は発生しますので注意が必要です。

上司「開発中の製品に、バグは無いでしょうか?」
部下 「いいえ。バグはないと思います。」
上司 「だとしたら、すべてのテストでバグがない証拠を出してみろ」
部下「・・・」

上司 「このプロジェクト、納期に間に合うと思うかい?」
部下 「いいえ。間に合わないと思います。」
上司 「だとしたら、プロジェクトが間に合わないを証拠を出してみろ」
部下 「・・・」

上司「今期の売上は、達成できると思うかい?」
部下 「いいえ。達成できないと思います。」
上司 「だとしたら、達成できない証拠を出してみろ」
部下 「・・・」

雪男が、「製品のバグ」や、「プロジェクトの納期」、「売上の達成」に置き換わっただけですが、証明することが非常に困難であると感じます。

製品にバグが絶対に存在しない・プロジェクトが絶対に間に合わない・売り上げが絶対に達成しないという「ない」ことを証明することは非常に困難であるということです。

一方で、「ない」ことを証明するには、関係するすべてのテストを実施したり、残業も含めてプロジェクトが間に合わないことを証明したり、手持ちの商談すべてを見せて達成できないことを証明する必要があり、非常に多くの時間がかかってしまいます。

悪魔の証明はやめよう

事例の会話のやり取りを見ると、上司と部下の関係が良くないと感じた方は多いと思います。

「悪魔の証明」に陥っている状況は、「議論のための議論」になってしまいますので、「できない」ことを証明するのに多くの時間がかかり疲弊してしまいます。

結局のところ、品質も、進捗も、売り上げも、ある時点での状況に過ぎず、
「できないこと」を証明するための議論するよりも、どうやったら「できるか?」の議論をすることのほうが重要です。

「できないこと」を証明するような「悪魔の証明」の議論はやめて、どうやったら「できるか?」を議論し、品質を満たし、プロジェクトを間に合わせ、売り上げを達成しましょう!!

いいなと思ったら応援しよう!