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間接競合に気をつけろ

直接競合と間接競合とは

「直接競合」とは、サービスや商品の内容が同じである同業者のことです。自社および顧客から見ても、比較されます。
直接競合と戦うためには、自社の優位性、強み、特徴などにより、競争優位の戦略を考えることが重要です。

「間接競合」とは、サービスや商品は違いますが、同じようなメリットを提供している相手となります。
普段は、意識していませんが、顧客側から見ると競合となる相手です。

同じ姿形の商品・サービスでなくても、「提供価値が同じ商品・サービス」になります。

現代では、「間接競合」の存在に気付かず、気が付くと顧客を奪われる出来事が発生しています。

事例

「間接競合」の事例を紹介します。

デジタルカメラとスマートフォン

デジタルカメラ市場が成長しているとき、同業同士の争いをしていたら、スマートフォンが登場し、デジタルカメラの市場が下がっていったという話は、「持続的イノベーションのリスク」で紹介しました。

デジタルカメラが「直接競合」に目を奪われ、競合に対して「もっと画素数が多く、高画質で安いデジタルカメラ」の開発を行っていたら、顧客にとって「写真を撮る」という機能が同じですが、「必ず持ち歩いて、写真を共有できる」という価値を持つ「間接競合」である携帯カメラ、スマートフォンに市場が奪われたという事例になります。

「デジタルカメラ」と「携帯電話」が競合なのか?といっても、すでにスマートフォンのカメラに市場は奪われています。

TV広告とネット広告

製品だけでなくサービスでも同じような事例が発生しています。TVや新聞広告とネット広告が良い事例です。
広告費用は、各TVチャンネルごと、各新聞ごとに「直接競合」に目を奪われているうちに、「視聴・閲覧する」という機能が同じですが、「タイムリーでいつでも見れる」価値を持つ「間接競合」であるGoogle検索、Youtubeにどんどん市場が奪われています。

「TV・新聞」と「Google検索」が競合なのか?と思うかもしれませんが、「多くの人に視聴・閲覧されるメディア」という意味で、広告の売り上げは完全にGoogleに奪われています。

間接競合に気をつけろ

現代では、それは本当に競合なのだろうか?というところから、競合が表れます。

例えば、
新幹線とオンラインミーティング
新幹線で移動する目的に出張による「ビジネスミーティング」があると思いますが、移動せずオンラインミーティングで十分だったりします。

本当に競合なのか?と思うかもしれませんが、出張は減り、顧客はオンラインミーティングに流れています。

家賃とサブスクリプション
賃貸のアパートを毎月定額で支払っていると思いますが、定住しないで定額で住居を借りられるサービスはあったり、家賃よりスマホ代、サブスク費用と考える人もいると思います。

本当に競合なのか?と思うかもしれませんが、働く場所が自由になると、定住しない人や、地方に住む人が現われます。

売上や市場が下がっていると感じている場合は、「間接競合」に市場を取られている可能性があります。顧客にとって「提供価値が同じ商品・サービス」は何かを考えていきましょう!!

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