見出し画像

改善を阻む反対意見に挫けてしまった時のスクラムマスターの改善方法 勝手にやる

これまで、反対意見を軽減する方法を2つ紹介してきました。

しかし、こちらの2つの方法を実践するには、ある程度信頼関係が構築できている必要があります。

そのため、こう思うときもあるかと思います、「そんな暇はない、今すぐにこのチームに対して手を打たないと大きな損失につながってしまう」と。そうです、改善はチームのモチベーションが上がっているときや、後ろのスケジュールに大きく影響しそうなことは早めに手を打っておく必要がありますよね。
でも、信頼構築には時間がかかる、と。

私も、最初にスクラムマスターを始めた頃には、私のやることの何に対しても反対してくる上司がいて困った経験があります。今思うと、おそらく信頼関係がなかったからだと思いますが。信頼関係構築には時間もかかるし、自分の得意なことと上司が求めていることが大きくかけ離れていると、通常の業務をしながら信頼関係を構築していくのも大変です。

そんなふうに困っているときに、会社の先輩からひとことアドバイスをもらいました。「それが組織のためになると信じられるなら勝手にやったら?」と。そうです、私は、信頼関係ができていないにも関わらず、協力してくれることを望んでいたのか、許可を取らないとできないと思っていたのかわかりませんが、上司に「やろうと思うんです」と、共有していることが多かったんです。そこで反対されて振り出しに戻っていました。

先輩にアドバイス頂いたように、急ぎのときにピッタリの方法として、「勝手にやる」があります。これは、信頼構築しているような暇がない場合に、反対意見で改善が進まなくなってしまったときに取る手段です。じゃあ、反対意見を軽減せずに全部のケースで「勝手にやる」ことにすればいいのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。残念ながら、この方法には大きなデメリットがつきまといます。

それは、責任を取らされるということです。勝手にやることは成果が求められます。もちろん、相手が理解できることも大切だと思いますし、チームメンバーからやってよかったとの意見をもらうことも大切でしょう。

信頼関係があまりできていない状態でやったこと、とくに勝手にやったとなると厳しい目で見られてしまいます。成果が出てもマイナスの印象を持たれることも多くなります。なので、改善しようとして、何もできずに過ごしてしまうよりはマシだと思えるときにやりましょう。

では、どんなときに実施すればいいかといえば、急ぎでかつ、それは結果にかなりの自信があるものとなります。成果が出ているにもかかわらず、それでも非難されるのであれば、あなたは別の組織で求められる人材である可能性があるので、所属を変えることも検討してみてください。ここで成果を出したことは、社内であろうと、社外であろうと所属を変えるときのアピールに使えるはずです。なので、所属を変えることを検討しているのであれば、なおさら「勝手にやる」はおすすめです。

「勝手にやる」も、うまくいけば信頼関係が構築していけます。なので「勝手にやる」場合は、特に自信がある、チームにとって重要である、開発者から感謝されるなど、『成果がわかりやすいもの』でやってみてください。

というのも、支援している初心者スクラムマスターの方で、たまにあるのですが、「少し勉強して、新しいアイデアを知ったから試してみたい」くらいで、特に重要だと思っていることでも、チームの状況に適しているものでもないものを試そうとする方がいらっしゃいます。

そういったものは、反対意見を押し切ってでもやるのにはリスクが大きすぎますし、失敗すると更に立場が悪くなります。「勝手にやる」には、リスクがつきまとうので、それでも良いと思える場合、成果を出せると思えるものに挑戦するようにしてみてください。

じゃあ、初心者スクラムマスターは「勝手にやる」って選択肢は勧めないのか?と思われた方もいるかと思います。結論から言うと、その通りです。初心者スクラムマスターの方は、結果を出すためにある程度のスクラムの勉強期間があると思います。そのタイミングで、勉強と並行して関係者との信頼構築をするのがおすすめです。そして、その勉強の内容を上司に伝えることで能力面での信頼にもつながるのです。

詳しい信頼関係の構築方法はこちらから。

まとめ

  • 信頼関係構築の時間がなかったり、信頼構築が難しそうな場合は「勝手にやる」選択肢もある

  • 「勝手にやる」と、成果を求められるので、上司や周りのスクラムメンバーから認めて貰う必要がある

  • 成果がわかりやすいものにするとベター

  • 初心者は成果を出すのが難しいため、スクラムの勉強と並行して信頼関係の構築をするのがオススメ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?