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スタートアップにちょうどいい「広報組織」を3パターンで検証

※本稿は、バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」でリープフロッグ代表の松田が執筆している専門家コラム「スタートアップの広報戦略 ~最適な広報組織とは?~」を許可を得て転載しているものです。その他の記事、最新コラムはコチラをご覧ください♪ URL:https://officenomikata.jp/expert/173/

リープフロッグ 松田純子について                URL:https://peraichi.com/landing_pages/view/leapfrog/

今回は、スタートアップ、中小企業における一般的な広報組織の形体や他部署との業務分担、効果的なレポートラインとそのメリット・デメリットについてお伝えします!

他社はどうしてる? 広報組織のあり方


 社員が数名のスタートアップから数百人規模の中小企業まで、企業ステージ、企業規模、トップの考え方(広報をどこまで重視するか)などによって広報組織のあり方は異なります。筆者が見聞きする範囲では以下のような形体が多く見られます

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①経営陣直轄の場合
 今では、創業者を含めて社員が数人の時点で、広報担当者を採用することも珍しくありません。この場合は、“ブランディングや営業支援になることは何でもやる部門”のイメージで経営陣直轄の広報部があります。特に創業間もないスタートアップは、日々企業を取り巻く環境が変わります。それに合わせて広報活動の方針も俊敏に変化させる必要があり、経営トップと広報がダイレクトにつながっていることには大きなメリットがあります。

②管理部に所属する場合
 もう少し大きな組織になってくると、経営トップの下に管理部門や複数のセールス部門などたくさんの部署があり、管理部門の中に人事や経理、総務などと並んで広報部(広報機能)があることがあります。一概には言えませんが、「管理」部門の中に広報機能を置く場合は、「守り」の広報となっていることが多いと感じます。ここで言う「守り」の広報とは、新商品や定休日など顧客や潜在顧客に「最低限お知らせすべき情報」を伝える、取材などは「相手から申込みがあれば対応する」、といったように「管理」業務の一貫として必要最低限の活動を行うイメージです。

③管理部以外に所属する場合
 一方、経営戦略室、経営企画室といった、管理部門以外の場所に広報部を置く場合もあります。組織図は、その時々の経営姿勢や経営戦略を如実に反映します。「管理」部門ではなく、「戦略・企画」部門に広報機能を持つことは、より戦略的な広報活動を行いたい、「守る」だけでなく「攻め」の活動を行いたいとする意思の表れです。

 典型的な「守り」の広報を行う企業は、事業が長く堅調であったり、何もしなくてもある程度は取材依頼が来る状態であり、余計なことをしてすでに築き上げたブランドを毀損したくない、広報に大きな工数を割く必要がないと考えるケースです。

シビアに判断しなければならないこと


 意外かもしれませんが、ある程度何もしなくても取材が入る企業では、むしろ「これ以上取材が増えると業務の妨げになる」と考える社長もいらっしゃいます。実際に、現場を巻き込んでの取材対応工数はバカにならないものがあり、かかる工数と効果をシビアに判断しているのですこれは広報活動を積極的に行う企業にとっても重要な視点です。「この活動でどんなコストを払うのか、その分どんな効果が得られるのか」を常に判断する必要があります。

 ただし、まだそれほど「守る」もの(堅調な事業や商品、ブランド)がない企業が「守り」の広報をしていても何も始まりません(汗)。

 そもそも自社や自社商品の存在を知ってもらうためには、「攻め」の広報活動が必要です。プレスリリースを発表したり、専門メディアで連載を持ったり、トップインタビューをしてもらえるように売り込みをしたり、自社にとって望ましい形で情報を取り上げてもらえるよう、戦略的に広報活動を行うのです。その意味で特にスタートアップや中小企業では、①・③のケースが適当な場合がほとんどだと考えます。

広報と他部門でどう業務を切り分けるか?


また、業務分担については、①のようにまだ会社組織が小さくて経営陣直轄の頃には、発信できる情報が少ないため、プレスリリース配信、メディアへの売り込みのほか、SNSマーケティングやSNSアカウント運用、採用広報(に紐付いて採用活動自体)など、少しずつ、幅広く担当することが一般的です

 一方、②や③の場合には、すでに社員数も100名を超えており、企業のなかにさまざまな専門機能を持つ部署が存在する状態です。広報部とマーケティング部などが関連業務を分担・協力しながら業務を行うことになります。

 この場合、広報部の主な仕事は、メディア(第三者)から自社に関する情報が発信されることを促進するメディアリレーションズや社内・採用広報などになります。

 マーケティング部はセールス部門と同じく、商品の売上目標を持って予算を管理しながら広告出稿やリード獲得イベントを開催するなど、より直接的な営業支援を担います。

 ただし、昨今では、広報部とマーケティング部の仕事の垣根がなくなりつつあります。インターネットやSNSの浸透などによって、今の生活者は同じ企業のさまざまな種類の情報に同時に触れています。これらの情報の整合性を保つ必要性があるほか、マーケティング施策と広報施策を上手に融合させることでの相乗効果も期待できます。両者の連携が非常に重要なことから、一人の責任者の元で両方の機能を持つ部署を作る企業も増えています。

経営陣と距離がある広報部門は要注意!


 小さな組織で初めて広報部門を置くのであれば、①経営陣直轄の部門にすることをお勧めします。先述の通り、経営トップと密にコミュニケーションを取りながら経営トップの意思を迅速に具現化していくことができるからです。こうしたメリットから、企業規模が大きくなっても、広報部門を経営陣直轄の部署にする企業も少なくありません。

 組織が大きくなると多くの社員によって専門分野を分担できるので、施策の効果は高まるでしょう。その反面、次第に広報担当者と経営陣との距離が生まれやすくなりますが、これは要注意です。

 広報部門が担う、企業ブランディングやそのための各種情報発信、一緒に働く仲間を集めるために会社の価値観を発信していく仕事は、一広報担当者が自分の思いつきでできる仕事でも、すべき仕事でもありません。担当者の立場としても、そんな重責は負いたくありません。そのため、経営陣と距離感のある広報部門は、“たまに経営陣から降りてくる少ない情報”を頼りに、ひたすらミスを侵さないよう保守的な活動を行うことになります。それでは、広報部門のバリューを発揮しづらくなってしまいます。

 逆に、経営陣が今考えていることや今後のビジョンをリラルタイムに共有していれば、広報部門は意図を汲んで、例えば「目的達成のためには、どんなメディアにどんな露出をすれば良いか?」「どうすれば経営陣の意図を社員に理解してもらえるか」など、プロフェッショナルとして施策を考え実行していくことができます

 スタートアップ専門に取材活動している記者の中には、「スタートアップの広報はトップ自身がすべきだ」とお話しされる方もいます。

 たしかに、企業のトップが自ら進んで広報活動をすれば、情報発信のスピード、クオリティともに最高レベルになるので一つの選択肢としてお薦めです。

 以上、今回はスタートアップ、中小企業内における一般的な広報組織のあり方や業務分担、効果的なレポートライン、そのメリット・デメリットなどについてご紹介しました!

See you next time! ^^

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(参考)リープフロッグ松田のメディア執筆一覧はこちら

URL:https://peraichi.com/landing_pages/view/leapfrog/





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