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アプリで出会って、恋をして【20】

私とハレさんの好物の一つは寿司である。

幸運にも私の自宅からスシローが近いため、1週から2週に1回は必ず食べに行くくらいのヘビーリピーター具合。

大体私の機嫌が悪くなったら「今夜はお寿司食べよう」と言っておけばいいとハレさんは思ってる位である。チョロいという声が聞こえてきそうだ。

ほぼ週1で通って行くため、テーブルについてもメニューの変化がほとんどない。あんなにキャンペーン豊富なスシローを追い抜いてしまうほどの頻度。飽きない味。

好物は寿司と言えどお互い頼むものは違う。

ハレさんは、イカ・ホタテ・マグロ・いくら・しめ鯖をメインに、変わりネタを少々。お酒を飲むので多くを頼まない。大体8皿弱を食べる。サイドにアオサのお味噌汁と茶碗蒸しを頼む正統派。

私は光り物ラブ、コハダ・エンガワ・ハマチ・しめ鯖、その他エビ等をどかっと食べる。色んな物食べたいのでキャンペーン中の寿司ネタも頼む。サイドメニューにタコの唐揚げは外せない。だいたい12皿食べたら達成感。

お互い違うものを好きに頼んで食べたり、美味しいと思った物を一貫ずつ交換して食事を楽しむ。ハレさんは当然のようにお味噌汁と茶碗蒸しを半分くれる。

私の大好きな映画に「しあわせのパン」という物がある。大泉洋さんと原田知世さんが主演の心が温まる作品である。そのワンシーンに、夫婦である大泉洋さんと原田知世さんがパンを半分に割って、分け合って食べるものがある。

当然のように分けられるパン。当然のように「ありがとう」と言ってそれを受け入れる。そんな関係性はきっと尊いものだと思っていた。私にもそんな人が今、目の前にいることがなんだか擽ったく感じた。

ハレさんが卵を頼むと、それは締めの合図。当然のように夕食を終えて、私達は帰路につく。

「美味しかった」それを重ねて行ける日々もまた尊く感じる。

これからも、彼は私のマーニーでいてくれたら良いなと思う。

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