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空色の羽根

木々の揺れる音に怯え
木漏れ日の残酷さに涙しても
あなたは生きる、苦しむように
世界は残酷でしょう
汚れているでしょう
あなたの美しい心には
きっとぼくも汚れて見えるでしょう
軽薄な正義と
重苦しい悪意の狭間の「普通」
それを強制されることを嫌い
ふたりは羽を身につけ
空に向かっていく
木々は今日も揺れ、日差しは差し込む
はるか空の彼方ではあまりに些末
もう怯えなくていいよ
泣かなくていいよ
あなたはあなたとして
ぼくはぼくとして
空を居場所に選んだ
ふたり空に似た色の羽根を身に纏い
踊るように舞い上がり
歌うように愛し合う
ふたりきり、誰もいない場所へ行こう
空の彼方、地平線の終わり
きっとそこならば生きられる
きっとそこならば生きられる
もう世界のための涙はいらない
ただ全てがぼくとあなたのために
世界を越えて、空色の羽根
世界を越えて、世界を越えて
ふたりきり、誰もいない終点
もう怯えなくていい、そんな未来を



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