「何者」かはわからないけど
アラサーOLが、同じ会社で何年か働いてみてきたことの雑感をつらつらと。
何になりたかったんだっけ
若い時からぶれない軸を持っている人は、心底羨ましい。
就活の時、自己分析本やOB訪問で何度も問いかけられた、「自分の軸は?」という質問。
学生時代に頑張ったことは?
あなたの生い立ちは?心が動いた瞬間は?
私はどんなことが好きなのか、どんなことが苦手なのか。
将来本当にやりたいことは何なのか。
ぶれない軸、やりたいことが明確にあって、外資系企業への就職にチャレンジする友人や、インターンしていたベンチャー企業にそのまま就職する、と言って、涼しげな友人がいた。
一方で私は、手元のノートに樹形図のように色んな単語をずらずら書いて、あーでもない、こーでもない、でも多分こんな感じか。と答えっぽい答えを用意して(用意した答えを自分に言い聞かせて)、気がついたら面接に臨んでいた。
小さい頃は、あれだけ宇宙飛行士になりたかったのに。どうした。
テストには正解がある。義務教育の期間は定められている。単位を取れば卒業できる。だから、社会に出ることは、少し怖いことだった。泳ぎが苦手なのに、ビート板を離しましょう!と言われてしまったような、怖さ。
だいたい犯罪以外は、何が正しいわけでも正しくないわけでもなく、自分の手で、目の前の果てしない海の上に、レールを引いていかなければならない。
軸、ぶれてもいいかな**
とりあえず、社会に漕ぎ出して、がむしゃらに何年か働いてきた。
そしたら、やりたいことも、自分の軸も、大幅にではないけれど毎年変わるもんだ。あれだけ考えて、答えだ!と思っていたはずの自分の軸も、今では笑っちゃうくらいほぼ思い出せない。やりたいことに正解はないし、ぶれても良くないか?と思えるようになってくると、少し気が楽になってきた。生きてるだけでも頑張ってる。
さらに、何部署か経験できた。
すると、働く上でこれは苦手だ、得意だということが如実に分かった。やっぱり営業が苦痛とか。社外に電話かける時は未だにカンペを作らないと怖いし。逆に、じっくり考えられる仕事は心地いい。
(携わることができた仕事に軽重をつけず、なるべく先入観を持たず、食わず嫌いをせず、自分なりに最大限向き合うことだけは、ずっと大事にしているし、大事にしてきて良かったと思う)
そうやって経験を積んで、何となく自分が本当に軸としていることや、やりたいことの実像がぼんやり浮き上がってくる感じ。日常のふとしたタイミングで、これが好きだ!が分かると、一歩自分がどんな人間か理解が進んだ気がして、嬉しい。
いつか、人生の中でこれを突き詰めたい!というものを持てると良いな。と、ゆるく考える。お金を貯めて、たまの休みに、種子島に星を見に行けたら、やりたいことがまた思いつくかもしれない。
仕事に腹を括れるか
私の最終面接は、我ながら、かなりの圧迫だった。何とか入社して、同期の最終面接の様子を聞き、二倍以上の時間をかけられていたことを知った時は、かなりの衝撃だった。
禅問答のようなやりとりが一時間弱も延々と続く。向こうが欲してる答えが分からない。手元が震える。気を抜いたら涙が出てきそうで、喉の奥がツンと痛い。
というか、むしろ、まばたきをしただけで涙がこぼれ落ちそうで、まばたきすらできない!という危機的状況。なぜ今、私は、初対面の人に、こんなに何度も何度も同じ問いを問いかけられているんだろう。悔しいような、悲しいような。
そんな中でも何となく察していたのは、ここで涙の一滴でも落としたら、絶対に落とされるだろうということ。面接官の圧よ。
なんとかその場は耐え切って、無事に今の会社に内定を貰い、帰りの駅のホームの端っこで号泣したことは、今でも時折思い出す。
会社はコストをかけて人を採用している。数千人、数万人いるような会社になるほど、組織全体のパフォーマンスを最大限引き上げるために、一人一人のやりたいことを全て叶えることは困難になっていく。
ストレス耐性をみられていた、ということも勿論あったかとは思うけれど、数年働いて思うのは、働く覚悟を問われていたのかな、ということ。自分の希望通りにならないことも、理不尽なことも、世の中沢山あるけど、「仕事」は何かを生み出して誰かに提供している以上、一人では絶対にできない。それをきちんと理解した上で、ここで働いていけますか?という問い。のような、気がしている。
実際の質問は全然違う内容だったけど。
あの時腹を括れたおかげで(?)(会社に洗脳されたおかげで?)、その後色々大変なことはあったけど、何とか乗り越えられてきた気がしている。面接官に感謝。
(腹は括って真剣に仕事はしています…し、仕事は概ね楽しいです…が、サーティ越えたら、年間でトイレで泣く回数と吐く回数が少しでも減りますように。笑)
また書きたいことは別の機会へ。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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