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どうすれば未経験者からデザイナーに就職できるのか?

「誰でも最初は未経験!」

どうも!
「どうすればデザイン未経験者さんの雇用が増やせるか対策委員会」会長の坂元です。

前回、noteで記事にまとめた後、
①現場の方
②雇用主&求人側の方
③未経験で求職中&プロを目指している方
にアンケートを実行しました。

それぞれの当事者だからこそのリアルなお言葉の数々をいただきました。
ご協力ありがとうございました。

前回のnoteの内容と被る点はありますが、要約しますと以下のようになります。

⚫企業が求めるレベルを満たしていない
⚫離職率の高さ
⚫雇用しても未経験者を教育する余裕がない
⚫未経験者を雇用するメリットがない

雇用側に「未経験者を雇用しろ」というのは難しいと思います。
国から多額な助成金でも出ない限り、金銭的なメリットがないからです。
未経験者を雇用することは「未経験者の方ができる仕事を用意する」という新たな業務を生み出します。
プロスポーツのように「将来的に中心選手になる」「他社に移籍する場合、移籍金が発生する」等の長期的なリターンがあれば別ですが、前者は離職率の高さからハイリスクなギャンブルにならざるを得ないのが現状ですし、後者は人身売買的な仕組みで法的にアウトですですよね。

なので「未経験者がプロが求める能力を身に付ける」ということが、必要条件になるかと思います。

ということで、

  • プロが求めるレベルの見える化

  • デザイン業界についての正しい認識

  • トレーニング環境

  • 実務経験を積める場所

いただいたアンケートも参考にし、以上4点について考えてみます。

●プロが求めるレベルの見える化

「どれぐらいのレベルでプロになれるか?」をもっと明確にできれば、「こんなレベルで応募しないで欲しい」というミスマッチングは減るのではないでしょうか。
私自身、デザインスクールの代表兼講師で「意匠で他の応募者と差をつける」という戦略を取っていますが、非常に高い評価をいただくこともあれば、面接でボロクソに言われることもあるとのことです。
応募先によって評価が大きく分かれることが多いです。
なので「絶対的な評価基準」というもの自体がありません。
デザイン業界の多くの企業が代表のワンマン企業です。
代表や会社内での発言力が強い方の価値観によって、評価が分かれるのが現状です。
また、情報商材屋さんがSNS広告で「Webデザイン=カンタン」という誤解を垂れ流すことによる悪影響も大きいです。
新型コ○ナ以後、一気に情報商材系スクールやその広告が増えたことにより、弊スクールに入学する方の「デザイナーになりたい理由」も大きく変わりました。

[解決法を考えてみた]

情報サイトや動画のメディア、イベント等で「これぐらいのレベルが求められます」を伝達していく。

●デザイン業界についての正しい認識

  • 残業がないところが珍しい

  • クライアントの都合や納期に合わせないと信用を失う業界

  • 給与水準低め

  • 一人前になるまでにはある程度の年数がかかる

等の業界では常識とされている情報が正しく伝わっていない。
逆に「毎晩徹夜って本当ですか?」と聞かれることもありますが、たぶん人間寝ないと死にます。

[解決法を考えてみた]

情報サイトや動画のメディア、イベント等で「こういう業界です」を伝達していく。

●トレーニング環境

「どのように学べばいいか?」です。
感覚論や経験論じゃなく、論理的にデザインを学ぶ。
その論理に基づき課題作成とフィードバックを繰り返し、論理を自分の感覚に落とし込んでいく。
スクールや教材に頼らず自力でそれを行える方が現状求められているのかもですが、それができる人はめったにいないかと思います。
ということで、有能な指導者が必要になります。
ただ、現在デザイン講師層で制作業務を行わなくても生活できるだけの講師料をいただいている人は多くないと思います。
私は運良くデザインスクール及び講師業だけで生活させていただいていますが、新規参入して挫折する人が多いとはお聞きします。(運営、集客、顧客管理、対人対応が難しいのでしょうか)
ただ「デザイン講師業向きの人」がその実力に見合った報酬をいただける環境になれば、優秀な講師が増えるはずです。
しかし、何をもって「有能な指導者なのか?」という判断材料もないのが現状です。
例えば、学校の教師だと教職という資格があったり、サッカーのコーチだとライセンス制度があります。
誰が資格を制定し、認定するのか(うさん臭い利権団体ができるだけの気しかしません)。
「デザイナーを育成する上で必要な能力」というものが明確に定義されてない中で、資格化するのはハードルが高そうです。
また、体力と精神力がないとスポーツ選手のトレーニングが継続できないのと同様に、考える力と継続力がないとトレーニングは続けられません。
常に手っ取り早さ「ファスト」を求める時代背景的にも、トレーニングを長期継続できる人自体が珍しいです。

[解決法を考えてみた]

有能なデザイナーのネクストキャリアとしてのデザイン講師業という選択肢。
そのハードルになりそうなスクール運営、集客、収益化、生徒教育、生徒対応、就職までの道筋等のコンサルティング業務。
(私みたいなデザインスクール運営者がやるべきなんでしょうが需要を感じたことはございません…)

●実務経験を積める場所

スクールの課題を実際の企業案件で行う

超理想的です。
弊校でも何度も行いました。
ショップカード等ですとコンペ形式で行えたりするのですが、Webサイト作成になるとタイトなスケジュール管理や細かい修正も発生します。失業中の方でもない限り、制作会社ばりの対応をするのは困難です。納期に間に合わずスクール側が謝罪することもありましたし、ヘルプすることもあります。単発では可能かもしれませんが、多くの生徒にその環境を提供するのは現実的ではないかなと思います。

インターン等の職業経験の場をつくる

  • 企業側のインターン制度の悪用

  • 報酬がない労働への理解

  • 雇用と同じくインターン生が行う業務の準備

等が足かせになるかと。
スクール業を生業としながら「現場での実務体験が何よりの勉強。一気に成長します。」と伝えています。現場での経験は、お金を払う価値すらあると思います。
「実際の業務を行いながら学ぶWebスクール」もあるみたいですが、順調に運営でき、順調に育成できているのでしょうか(当事者にお聞きしてみたい!)。

[解決法を考えてみた]

「未経験者が実務経験を積むために働く企業」の設立。
(密かにずっと考えていることでもあります。)

  • 赤字にならない範囲で企業として運営できるか?

  • 教育しながら会社をマネージメントできる人材の確保

  • 安定した業務の確保(業務レベルが限定される)

  • それは果たして本当に未経験者のためになるのか?(弊校の生徒の方を見ていると、デザイン会社に就職・転職するためのポートフォリオ制作の段階になって一気に成長する方が多い。その機会をなくすことになる?)

まとめ

以上のようなことを考えてみましたがいかがでしょう?
まずは「未経験からデザイナーになるための情報発信を行うメディア」をつくるところが現実的な策でしょうか。
SEO対策ゴリゴリのアフィリサイトに打ち勝って、正しい情報を求める方の目に届くのか?という課題がありますが。
そういう運動体があることを周知していければ、求職者側も雇用側もお互いがお互いのことをよりわかっていけるのかもしれません。
また、私と飲みに行く同業の方々をこの話にも付き合わせるかもしれませんが、かわいい坂元の言うことなのでお許しを🤪

いろいろ考えて動いていきます!

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