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学生が語る杉浦裕太研・慶應理工②

第一弾記事も公開中!

学部4年 N・Sさん

研究紹介 カーテンを使った空間拡張システム


次のシーズンからは研究テーマを変えようと思っているんですが、今はカーテンとプロジェクター映像を用いた空間拡張システムというものを研究しています。簡潔に説明すると、カーテンとプロジェクションを用いて擬似的な窓を提示するシステムです。実際の窓ではなく、プロジェクターを用いて投影することで窓のように見せる手法となります。

研究を始めるきっかけになったのはカフェでした。休憩がてらによく行くのですが、最近のカフェって空間演出が巧みなんです。壁一面を鏡張りにするなどして奥行き感を演出して、実際の空間以上に広く見せる工夫がされています。そこから着想を得ました。カーテンに着目したのは従来のものとは違う、面白い空間演出ができるのではと考えたからです。プロジェクションマッピングのような手法で映像を投影する場合、対象にはソリッドなもの、物質的に固いものが多いですよね。そこで柔らかいものや形が変わるものに投影してみたら面白いんじゃないかと考えました。
 
東京のような人口密度が高い地域では、窓を開けたら隣の家の壁が目の前に、それこそ触れるような距離にあるなんてことがあります。そんな状況でも疑似的ながら景色を映し出す窓を自由に設置できたら、居心地の良さだったり解放感だったりを演出できるのではと考えました。地下空間などの、物理的に窓を設けることは出来ない場所でも役に立つかと思います。そうした空間に自由に設置できて大きさも変えられるような「窓」を提示できたら、デザインの面や利便性の面で有用性があるんじゃないかと考えています。

研究テーマの決め方


杉浦裕太研では研究テーマを自分で決めることもできます。僕の場合は自分でテーマを設定しました。もちろん先生や研究室してテーマを提案してくれることもありますが、自分からこういうのは面白いんじゃないか、みたいに提案して研究することもできます。どのような形ならこの研究室でできるかを模索できるので、結構幅広い分野の研究ができると思います。過去の研究テーマも幅広いですね。配属されたら知識や関心の幅は自然と広がっていくと思います。


杉浦裕太研を選んだ決め手


一度杉浦先生が担当されてる講義を受けたことがあり、当時から面白そうな研究室だとは感じていました。ただ研究テーマの幅が広いのではじめは具体的に何をやっているのか、捉えにくい部分はありましたね。研究室配属のタイミングで色んな研究室を見ていく中で、実生活ベースの情報系技術や医療について研究する場と認識しました。
 
自分が結構色んなことに興味を持つ方だったので、自分の興味が変化したり、新しいことに関心を持ったときに方向転換しやすい環境を選ぼうと考えていたのも杉浦裕太研を選んだ理由になったと思います。研究できる分野が他研究室に比べて広いので、新しいことを始めたくなった時に何かしら関連した研究ができそうな点が魅力的でした。

杉浦裕太先生ってどんな人?


杉浦先生は僕ら学生と比較的年齢が近いので、ジェネレーションギャップのようなものが小さく、感覚が共有しやすいです。先生との話しやすさって研究室でのコミュニケーションで意外と重要なので非常に助かっていますね。ほかにも先生は大前提としてとても優秀なんですが、それでいて僕らの研究の話や意見をちゃんと聞いてくれます。先生は比べ物にならない知識を蓄えているので、はじめから正解が分かっているような場面も多いと思うんですが、学生の主体的な研究姿勢を大事にしてくださるので、親身に研究を一緒に進めてくれる先生だと感じています。


配属されて感じたこと

実際に配属されてみて感じるのは、主体性が大事ということですね。自分からやる姿勢みたいなのを持っていないと、うまく研究を進められないと思います。ただそれは常に頑張り続けなくてはいけないという意味ではなく、いろいろな面で自主的になる必要があるということです。うちの研究室の話にはなってしまうんですが、みんなそれぞれ自分のペースみたいなのを持って研究しています。どの時期に集中して研究を進めるかも基本的には人それぞれです。僕はわりとマイペースな方なので助かっているのですが、配属前と比べ自分でスケジュールを管理する必要性や、責任も増えたように思います。3年生までは授業が基本のベースとしてあるようなスタイルだと思いますが、研究室配属後は授業がほぼ無くなって、研究するために大学に行くようになります。授業は他の誰かがカリキュラムや進捗予定をあらかじめ決めたうえで進みますが、研究室ではその日ごとにどういう作業をするのか、もちろん先生と相談もしますが、自分で決めたうえで進めていく必要があります。そういう意味でわりと主体性が求められるような環境に変化したように感じます。
 
興味の幅を広げておくことが大事かなと思います。具体的にどういう研究がしたいってほど狭める必要はないと思いますが、例えば授業で扱われたテーマで関心を持ったものは覚えておくと、学科の配属だったり、研究室の配属だったりのタイミングで、「あの時に面白そうだと思ったやつだ」とか、「あの面白そうな分野の先生だ」とか、自分の好きなこと、やりたいことを中心に進路を決められると思います。絞り込む必要は全然ないと思いますが、関心の幅が広ければそれだけ研究室に入ってからも意欲的に研究ができると思います。
 

研究とプライベートの両立


趣味などプライベートに充てる時間は全然あります。もちろん難しい時期もありますが、計画性を持ってやれば問題ないです。忙しい時期はもちろんありますが、うちの研究室では普段やることをやっていれば、自分のペースで研究も進められて、プライベートとうまく両立できると思います。趣味から派生したテーマで研究していている方もいるので、研究ばかりで自分の時間が取れない、みたいなケースにはなりにくい環境なんじゃないでしょうか。

 

研究室を選ぶうえで重要なことは?


僕は先生や研究室との相性が結局のところ大事だと思います。研究室の先生と密に連携を取って研究する場合、相性が悪いと研究室に行くこと自体が億劫になってしまうかもしれません。それはお互いに良くない。だから自分にあった環境を選ぶことが重要だと思います。先輩から主に教わる方がいいとか、研究室の先生と密なコミュニケーションをとったうえで進めていきたいとか、人それぞれ想像するスタイルがあると思うので、そういうのに沿ったところを選ぶのが、入ってから研究を進めるうえでいいのかなと思います。研究室見学では大体どこも先生がいらっしゃるので、僕はそのタイミングで先生がどういう雰囲気で学生と接しているのかとか、研究室自体がどういう雰囲気なのかとかを見ていましたね。サークルを決めるときと似て、どうしても肌に合う合わないっていうのは存在すると思うので、自分にあった雰囲気だったり、環境みたいなの把握しておくといいのかなと思います。
 

将来像


明確には決まっていないですが、自分の興味関心をなにかの形で具現化できるような仕事がしたいですね。例えば自分は趣味で写真を撮っていたりして、デザイン関係にも興味があります。そのため今はデザインエンジニアリングみたいなことを方向性として考えています。エンジニアリングもできるし、デザインもできるみたいな。何か製品を作るとき、エンジニアもデザイナーも必要不可欠ですが、互いの領域についてよく知らないなんてことが結構あります。その状態で自分のして欲しいことを要求し合うと、どうしようもない製品が完成したり、下手すると完成すらしないなんて状況になりかねません。そんなとき両方の知識がある立場から企画を後押しできる仕事ができればと考えています。



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