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幽玄なる邪に誘われるは
ダーツがひとつ、投げられた。それは俊敏に空を裂き、的の中心に突き刺さる。
「つまんない」
ダーツ=デラアーツは大きく跳んで、ベッドを召喚し頭から落ちた。ぼふん。
ジャシン様が自然文明に向かっている間、特に何もやることがない。アルトゥス様から不用意に外へ出るなと言われているし、幾重もの暇がミルフィーユとなり私の心の働きを鈍らせている。
つまらなくて暇で、消えそうだ。退屈でクソで、死にそうだ。何の気な
エアプサスペンスとゼロ計画
全てのゼニスはゼロより生まれる。
虚無より出でて虚無のために、ただその身を駆動し続ける。それがゼニスの存在意義であり、ゼニスが天頂の強者たる所以だった。
「そろそろ完成の時間です、サスペンス様」
布を全身に纏う少年、もといイズモが声を掛けた。声の先にいる対象、「呪」の頂サスペンスは、どうとも感じ取れない淡白な所作で顔を上げた。
眼前には、七色のトライストーンが集合し放射状に光を発していた。
ファンタジスタ・ライフ
「こんなものか」
邪神はつまらなさそうにそう言い放つと、そこから腕を思い切り引き抜いた。赤い飛沫が飛び散り、地面の黒々とした深淵と深く混ざりあった。首領竜ゴルファンタジスタは、べちゃりと音を立ててうつ伏せに倒れ込む。彼の胸には剛流振のゴールのようにぽっかりと空いた穴が開いており、邪神がその生命をホールインワンで葬ったことを示していた。ゴルファンタジスタは邪神の足元に手を伸ばそうとするが、力を使い