#作文
夢の引越し便 #3-③
僕は帰宅後すぐにインスタントコーヒーを淹れ、焼き魚の匂いが家中に充満する中、空腹感を抑えて自分の部屋に引っ込んだ。音楽をかけようか悩んだが、それよりヒトミの手紙が気になったので、ベッドに寝転び、カバンから手紙を取り出した。その手紙は恐らく授業中に急いで書かれたようで、粗雑にひし形に折られていて、文体は走り書きで、青色のペンがところどころ滲んだり、文字の訂正が×印で入っていたりしていた。
「今日、
夢の引越し便 #4-②
その声はまるで氷の魔女の吐息を全身に浴びたかのような寒々しい震えと怯えを感じさせるものだった。
電話口の先にはカチカチと歯の鳴る音がうっすらと聞こえた。寒い場所にいるのだろうか? まだ秋だ。そんなはずはないと思いながら、僕は声すら出せなかった。少し間が空いて今度は遥か遠い場所にいるような距離感でヒトミは口を開いた。
「元気でしたか?」
「それなりにはね。」
4年経ってようやく出てきた僕の言葉