見出し画像

部屋を借りる?家を買う?〜フランスの不動産事情(その3)〜肩を張らずにフランス24

実はこの状況でも家に投資する方がアパートを借りるよりずっと有利だ。近隣の相場を知らないのでパリ近郊の相場を引き合いに出すと、25m2のワンルームでも家賃が800€は下らない。これでもパリの内部ではない。あとは想像にお任せする。東京も似たり寄ったりの値段じゃないかと思う。パリで不動産を購入することは夢のまた夢。仮に夢が叶ったとしても良くてT3-4だろうから家族四人にはギリギリの大きさ。庭と呼べるほどの土地もなく周りは隣人だらけ。これを「夢」と呼んでいる。

「ふるさと回帰」は日本だけの話ではない。現代人の夢は首都圏から遥か遠い郊外に移っている。TGVで片道1時間半かけても「家」の名に恥じない自宅を持つのが首都圏で働くフランス人の夢。夢というよりむしろ現実と呼んだ方が良さそうだ。

ここまで書いてきて、ふと思った。

現代人と比べると自分の時代はまだ住みやすかった。少なくとも「衣食住」の「住」に関しては間違いなく20年30年40年前の方が生活しやすかった。同年齢で比較した場合、今の若者が今自分が住んでいるこの家を購入することは実現しそうにない。これは値段だけの問題ではなく供給も問題で、需要に全く追いつかない。古家を改築するにも物件は見つからないし新築家屋もできた途端に買い手がついてしまっている。かと言って無思慮に住宅地を広げたり開発を推進するのも考えもの。フランスでは移民問題も絡むのでいよいよ事態は深刻なものになっている。

ぶっちゃけ人間が多すぎるということだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?