見出し画像

ワインとアルコール(その2)〜肩を張らずにフランス14

ちなみに読者の皆さんは余って飲めなくなった赤ワインをどうされるだろうか?飲めないんだから捨てる?それは勿体無いことをしている。うちではこの残ったワインを溜めてワインビネガーにしている。もう20年以上になるが、友達にワインビネガーの素 « mère »(「母」と呼ぶのが面白い)をもらって作り始めた。一度菌が死にかけてやり直したが、途切れることなく現在に至っている。うまくいくかどうか保証はできないが、どうせ捨てるのだから試すことをお勧めする。

« vin mousseux »ムスー、 « des bulles »デ・ビュルとも呼ばれるスパークリングワイン。 « champagne »シャンパーニュが一番有名だが、値段が高すぎるのと好みが合わない(貧乏性だけじゃない)ので « crémant »クレマンと呼ばれる他地方のものを購入することが多い。値段は安いシャンパーニュの半分ほど。うちでは « Saumur »か«Alsace »のものが気に入って購入している。お祝い事に欠かせないイメージが根強くあって、子供用のノンアルコール版もある。こうなると炭酸ジュースと変わらない。

去年素敵なプレゼントをされた。ワインの6ヶ月契約。月に1度、とある店 « caviste »のソムリエが選んだボトル2本が小包で届く。これは嬉しい。自分で選ばないところがミソで、知らない地方の知らないボトルを賞味できるのでなんとも楽しい。次は何が送られてくるかとウキウキしながら待つことになる。個包にはそれぞれのボトルの説明と店の小冊子が同梱されており、至れり尽くせり。いいところに目をつけたもんだと感心した。

ここまでワインの話ばかりしてきたが、勿論ビールも広まっている。夏の暑さもあってワインよりアルコール度の低いビールが以前より消費されるようになった。フランスでもビール製造はしている。比較的安価なものが知られている。それでもビールといえば昔からベルギーかドイツ。とりわけベルギーのビールは歴史があり、フランスでは自国産とベルギー産の双璧となっている感がある。うちは最近では « abbaye »修道院で作られるというものを買っている(大昔から修道院はビール造り、ワイン造りを大切な財源としてきた経緯がある)。一般的な日本のビールよりも甘味が濃くアルコール度も高い。ちなみに日本のビールもちらほらと見られるようになった。中国のかの有名なビールほどの知名度はまだない。

あとフランスで夏のアルコールと言うと « pastis »パスティスを忘れてはいけない。 « Marseille »マルセイユのマークが有名で、特に夏はこれを無しには考えられない。ある年齢以上の、特に男性にはビール以上に好まれている。アルコール度は高く(40−45度)そのままでは飲まない。5倍ほどに薄め氷を浮かべて飲む。原液はウイスキーのような琥珀色だが水を注ぐと白乳色に濁る。 « anis »アニスまたは« anis étoilé »八角の独特な香りと味がする。日本では馴染みのない味なのでとっつきにくいかもしれない。慣れると癖になる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?