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割り切れない友情決裂

「別れは出会いの始まり。終わりがあるから始まりがある」

人生を歩んでいく中で、色々な人に出会い、別れ、そしてそれに伴う感情も味わってしまう。

高校までは親の仕事で15回ぐらい引っ越し回っていたので、誰かと親友と呼べるぐらい近しい関係まで辿り着くのがなかなか難しかった。

その上、私は割と内向的で真面目な性格ので、大学生や社会人として出会ってきた数多くの人たちの中に友達が数人しかいない。大勢の友達に囲まれるより少数の友人を持つタイプだと思う。

生きているうちに、人との出会いと別れは自然で当然な事だと思うけど、時々「え?」とちょっと腑に落ちない別れを経験した事があるかな?

どんなに親しくても突然フェードアウトされたり、子供の頃からの友人と疎遠になったりして、なぜこうなったんだろうと悩んだりする事もあるだろうか。

私にはそういう割り切れない別れがあって、その想いについて綴っていきたい。


小学校〜中学校までの友人: 価値観の変化-Aちゃん

小学校から高校までずっと友達でいてくれた、私の初めてのベストフレンドのAちゃん。私はあまりにも人見知りの上、クラスのオタクちゃんって感じだったせいか友達を作るのが最大の困難だったけど、Aちゃんはいつも気にかけてくれた。彼女は欠席すると落ち込んでしまうぐらい親切で頼りの良い子だった。

しかし、受験生になってから共通点がだんだん少なくなり、人生の目標も違ってきた気がする。私は良い大学に入学するために勉強や部活など集中していたので、周りのように恋愛やクラブなどの楽しい事よりガリ勉のような高校生活を送っていた。その反面、Aちゃんが高校を退学してシングルナザーになり、未成年の時から偽の年齢証明書を使ってクラブやお酒など楽しんでいた。私たちの関係は別に悪化されたわけではないので、そんなに気にしなかったけど、私の父が彼女から悪い影響を受けかねないという心配でさっさと縁を切ろと言われた。

なぜかというと、外科医である父は私にも医者になって欲しいらしくてクラブとお酒どころか、ゲームや漫画などあらゆるの娯楽に対しては中々厳しかった。子供って友達に影響されやすいとよく言われる事だし、もし私も彼女の影響で勉強を放棄して遊び人になったら。。。という心配があったかもしれない。

父をキャラとして例えるなら、ハリー・ポッターとマルフォイの父親、ルシウスみたいな感じだろうね(笑)。プライドが高くて傲慢で、逆らってはいけないような威厳のある雰囲気が常に漂っていた。今はそうでもないけど、昔はやはり怖くて気楽に話せるような人ではなかったかな。

その後、私とAちゃんは細かい事で喧嘩したんだけど、いつものように誤って仲直りをせず、彼女と袂を分かつ事になってしまった。喧嘩の原因が私だったって事もはっきりと覚えている。

もう15年前の話になるんだけど、もしその時に誤っていればどうなったんだろうか?価値観が違ってきても今でも友達のままでいられたのだろうか?

謝らなかった理由はやはり、父が言っていた事は気になっていたかもしれない。従順なガキだったし、親の言うことが常に正しいと信じてしまい、彼女の人生の選択を色眼鏡で見ていただろう。

でも、2年前に育てられた町で母と一緒に地元の人気なカフェへ行って、あそこで働いていたウェイトレスがまさかAちゃんだった。私の事を見たら何も言わず同僚を呼びに行ったらしい。そして、こっちのテーブルまで一度も足を運ぶことなく、私たちだけの接客をすべてその同僚に任せていたようだった。私の見た目はもちろん子供の頃とは違うけど、私だったということは分かったのが明確だった。何にせよ母は昔と全然変わらないし、別人として誤魔化すのは無理。

母は「話しかけなよ!」と何度も促されていたにもかかわらず、あまりにも複雑な気持ちだったので、知らないふりで過ごしていた。

もし、声をかけたらどうなったんだろうな〜。何もなかったかのように笑顔で「やあー、久しぶりだね!」みたいな感じで(笑)。

でも、喧嘩の原因が私で謝らなかった以上、そんなに易々と許してくれたとは思えない。

一番長い関係だったのでAちゃんのことは嫌いになれないけが、もし違った行動と取っていればと、頭の隅に張り付いて離れない友人の決裂だった。

医学部の優等生: 私の興味に対して不満を持っていたBちゃん

医学部1年生の時に出会った中国人の友達のBちゃん。医学部の試験って難易度の高いものばかりで、私はいつもギリギリ合格という感じで毎回かなり苦労していた反面、Bちゃんがクラスのトップで合格どころか、高得点を取れた。

共通点は特になかったけど、医師を目指している大学仲間のような存在だったかな。実習試験の練習を一緒にやった事は何度もあったし、旅行でドイツとプラハにも行った事もある。でも、あまり本音を出したりするタイプではなかったので、友達でも何を考えているの分からないぐらい読みにくい方だった。

友情の決裂の理由が中々意外だったので、当惑した覚えがある。3年生の頃に彼女はある日、私の趣味に対して不満を持っていたみたい。私は日本のアニメやゲーム、和食などが好きで、Bちゃんがその不満を溜め込んでいた怒りで爆発させて喧嘩別れになってしまった。今更のことだったので、最初から気に入らなかったのにずっと黙っていたのかそれとも呆れただけなのか、理由を問い詰める勇気がなくそのまま私たちの関係が崩れてしまった。

理由は定かではないけど、日本に関する趣味だからか中国人として認められなかったからか、もしくは娯楽と趣味より勉強だけに時間を割いた方が有意義だと思っていたからか、彼女の本心を知らずに縁が切られてしまった。

Bちゃんは今、シンガポールで外科医をやっているようで、さすが優等生ってことだね。彼女はシンガポールで育てられたけど、シンガポールのパスポートを拒否したらしい。中々強いパスポートで気になって聞いてみたら、中国人としての誇りのために中国のパスポートだけを持ちたいと言われた。私の趣味と関係あるかどうかはわからないけど、実はどうだったんだろう。

人の心を読むのって容易くできるものではないけど、私が彼女を知ろうとしなかっただけかもしれない。

友情って対面だけではなく、人と心を通わせるのも大事なんじゃないかなとこの経験から思い知らされた。

私たちの友情は3年間だけの短い期間だったけど、こんな形で終わってしまって残念に思っている。

理由もなくフェードアウトされた、同僚のCちゃん

家庭医専門研修を加入した時の最初の友達のCちゃん。ハーフ(白人x黒人)で、医師よりモデルのなった方が良くないと思われるぐらいめっちゃ美人だった。歌手のリアーナみたいな感じかな。

目指している専門は違った(私は家庭医、彼女は精神科医)けど、同じ病棟で働いていたので、仕事も一緒だった。友達になったきっかけは、韓国スキンケアやメイク、RPGなど共通点が多かったので、仲がすごく良かった。

一緒のファイナルファンタジー10もやっていて、雷避けという鬼畜のミニゲームをどうしてもクリアできなかった私のためCちゃんが簡単にやってくれて、おかげでFF10のプラチナトロフィーを獲得できた!よく一緒にアニメのイベントへ行ったり、中華街にあるタピオカドリンクのカフェで過ごしたりして、楽しい思い思い出ばかりだった。

彼女が彼氏さんと別れて悲しんでいた時にも、全力で支えてあげようと悩みなど色々聞いていたんだ。どっちかというと、ベストフレンドのような大切な友達に思えた。

でも、去年の秋から連絡がなぜか途絶えてしまい、メールを送っても既読スルーのまま。

何かをした覚えは全くなくて、半年間が経った今でも理由はピンとこないし、知るようがない。専門の違いの他に出身や学校も違う国なので、共通友達に聞いてみるという手段もなくて八方塞がりって感じ。よくある結婚や子供ができてから疎遠になったというわけでもないようだし、真相は闇の中。

有耶無耶に終わってしまって気持ちを割り切れないけど、こればかりは仕方がない。

終わりに

卒業、引っ越し、結婚・子供、転職など、友達と疎遠になる理由は様々なんだけど、縁が切られると悲しく思う関係は誰でもあるんじゃないかな。今までの出会いと別れの中に、この3人との関係が絶たれた事に対しての感情は複雑というか、釈然としないな〜。後悔していないとは言い切れないが、これからの友情関係をもっと大事にしていきたいと思っている。

ここまで読んで頂き、ありがとうございます!




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