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起きてるって、バグなんだってさーーーッ!

オズワルドの伊藤ちゃんのツッコミが好きすぎる…。

…なんて話は置いといて、さーーーーーーーーーッ!

現在、一種のバグの最中さなかに取り残されている猫暮です。

先ほど読了し終わった森博嗣さんの『すべてはFになる』の衝撃ゆえ、すっかり睡眠というプログラムが私の中から欠落しました。
興奮さめやらぬままリビングをうろうろしていると、なんと玄関横の小窓がすでに青みがかっているではありませんか。時計をみやると午前4時。

これはまずい!と、日清のチリトマトヌードルを棚から取り出して、フライパンでお湯を沸騰させました

はい、ここで早速一つ目のバグが発生していますね。

ヌードルふやかしとる場合かッ!今すぐ寝ろッ!
そんなツッコミがどこからともなく聞こえてくるようですが、それも私が脳内で作り上げた「世間」という名のバグが私の頭の中で誤再生されているだけなので一切合切無視します。

いや違うのです。
今はとにかく体を動かすエネルギーが欲しいのです。
確かに、あと数時間もすればすっかりと朝を迎え、スーツ姿で道行く人が窓の向こうにチラホラ現れては駅のホームも人でごった返すころ。

しかし私はといえば万年インドア生活。懐はわびしけれど、出勤時間も定時も存在しないので、このまま日の光を浴びてやろうという算段が頭の中でついてしまった。その判断基準こそ紛れもなくバグなのですがね。バッバッバグ、バッバババグ。

しかし、IHで温めるフライパンは火力が極端までに抑えられていて、なかなか沸点に到達しない。
沸かす時間を含めて私がヌードルを摂取するまでの時間を計測した場合、外装に記載された3分間は、きっと倍以上に膨れ上がる。

なぜ過去の私は、ティファールのケトルを捨てたのか。それがあれば40秒でヌードルにありつけたのに、「断捨離するのだ!」といってイッチバン必要なものを初手で捨てたのだ。断捨離大失敗にもほどがある。うん。これもバグ。バッバッバグ。思い出し笑いならぬ、思い出しバグである。二つ目としてカウントしておこう。タイパ至上主義者からすれば断頭台に贈られたって文句はいえないもったいなさ。

しかし、私の周りは、リアル積読の群れと、手元のスマートフォンの中にひしめく電子書籍であふれかえっているのだ。よってフライパンをゆるく監視をしながら、京極夏彦先生の『魍魎の匣』を読み進め、相対的な時間の加速を体験するにした。

面白き本は時間の流れが加速させる。
加速しすぎた結果、1日が12時間くらいになってしまうから、当然睡眠時間は足りない。
しかし加速した時間は夢のようなものだ。ディズニーランドに行って体感時間が伸びる人はいないだろう。苦しみの時間は永遠にも感じるが、非現実的でファンタジックな環境で過ごす時間は、次世代の延命装置すらも及ばないほど強力なモノだ。

つまりこの場合、「本=ケトル」なのだ。何をいっているのだ。しかし私は猛烈に確信している。ケトルは本であり、本はケトルなのだと。三つ目のバグである。

時間の加速とは没頭であり、現実を現実と認識しなくていい都会のオアシスなのだ。
ちょうど読んでいた書籍でも語られていたことだが、人間は「常に睡眠に向かって」いるらしい。
「生の果てに死」が必ず待ち受けているように、起きたその瞬間から私たちの活動時間は減価償却されていく。耐用年数がわたしたちの起きていられる時間で、バランスシートを俯瞰した時、その資産額がぴったり「0」になれば、はれて入眠。スヤァ。お布団やホットココアを使えばいくらでも早期償却が可能なのだから節税対策ともいえる(?)

しかし、しかしだ。私はあえてここに高カロリーなヌードルを持ち込むのだ。償却のスパンを大幅に延命する。耐用年数をちょろまかす。「まだ夜はこれからですよ」と到底ありえない嘘で脳と意識をごまかす。すると夢のような時間がいくらか延長されるのだ。健康とか生活リズムとか、そういうのを犠牲にして踊ってない夜を楽しむのだ。…え、そんなのよくないって?よくないと分かっていてもバグなのだからしょうがないではないか。

タバコと同じだ。体に良くないのにみんな吸っているだろう?
ほら、今の寝不足な私も、十分に睡眠時間を確保できているだろう喫煙者もみな等しくバグを取り込んでいる。バグにお金を払うか時間を払うかの違いってだけで、どちらも愚か者には変わらないが、「起きている時間そのものがバグ」なのだから、至極当たり前のことを我々はしているのだよワトソンくん。よってタバコが4つ目のバグだよレストレード警部。


さて、この話からいくと、寝ている状態は人にとってきわめて正常なのだろう。ずっと寝ていることが人類の到達点なのかもしれない。

私たちは「楽」になりたいからバリバリと働いているけれど、「楽」をすればするほどに仕事が増えていくという、これまた奇妙なバグの中で生活をしている。働いて楽になろう。でも楽になったらもっと働けるね!と優しげな仮面をかぶった上司から肩をポンとされる。そうして「やった!もっと責任ある仕事ができるぞ」と喜んで働いていくのだ。5つ目のバグに他ならないのではないか?

いや、もしかしたら一定のラインまで不労所得や権利収入の仕組みを作れたならば本当の意味で「何もしなくなる」かもしれない。しかし、不思議とそういった方の活動が留まる現場を目撃したことはなく、自身の欲望のみならず、周囲を彩る人々の欲望までも加速させて、結局は働くことから抜け出せない。FIREとは、社会からの離脱リストラではなく、燃料をひたすら投下され燃え盛るほうのFIREではないのだろうか。

若いうちの苦労は買ってでもしろなんて方便があるが、それも後々苦労しないため、つまり「楽」になるための格言として世に放たれた言葉。しかし、結果として「楽」じゃない仕事に踏み入っていく様子を見ていると、それは「楽」じゃなくて「バグ」なのではないかと錯覚してしまいそうだ。

「バグ」を作れば作るほど「仕事」は増えるのだ。
誰もが「ソリューション」って名前のデバッグ作業に躍起になっている。解決すべき問題を人間自身が増やしながら「ソリューション」していく図式はなかなかに滑稽で見モノなことだ。講演料を払ってもいい。いや、すでに払っていたっけな。住民税とか所得税とかがそうだ。うん高い。家計に大打撃。そうしてさらに侘しくなっていく懐事情を「ソリューション」してほしいものだが、そのためには「仕事」を頑張らねばならないらしい。しかし仕事を頑張ると「バグ」が増える。まさに社会構造そのものがバグの様相を呈している。…えーっと、これでいくつめのバグだ?もう数えるのも億劫になってきたから、この辺にしておこう。カウント機能もバグってきました。

そうだ、話を本題に戻そう。
…まって。どこまで戻ればいいんだっけ。
あ、そうだそうだ。ヌードルだよ。そろそろフライパンにはったお湯も沸点を越えはじめ、そこからプツプツと気泡が沸き立つころだろう。そう、ここまで3分くらいしか経っていないのだ。バグにもほどがある体感時間。夜更かしを極めると、脳のおかしなOSが起動するのだろう。いつもとまったく違うスイッチが入っている。セーフモードで起動とかそんなんじゃなくて「積極的バグモード」だ。ある意味、夜更かしって麻薬みたいなものかもしれない。

半分フタをあけたチリトマヌードルにお湯を注ぎ込んで、3分間。
またもや京極堂の世界に身を投じて、またもや秘匿されたオアシスが目の前に現れる。

ふと眠りについて考える。さきほどの「眠り」が人間にとって通常の状態ならば、私たちの一切は夢物語なのだ。こうしてキーボードというペンに変わるデバイスが発明され、金やらプラスチックやらの加工樹脂とロボットが動く工場で組み立てられたパソコンを紙に見立てて、ひとりの人間が扱える量をはるかに超越した文書体をカタカタとつづっていけるわけなのだが、これは全部「夢」の出来事。

「欲望」と「バグ」と「仕事」とが上手に混ざり合った結果、社会は24時間いつでも働ける道具を作り出してしまった。眠らない建屋をそこかしこに建設。モルタル壁やらガラスやらに光を乱反射させて夜に打ち勝ってしまった頃から、すでに人間の在り方はバグを引き起こしている。

不思議な話だ。進んでバグを引き起こしながらも「夜はちゃんと寝よう!人間は朝起きて夜寝るようにできているんだよ!」って口を揃えてわぁわぁと語るし研究成果を次々と報告する。

「夜は終わらない」って欲望を現実にしてしまいながら、欲望に抗うことをどうにも推奨したくて仕方ないらしい。なるほど。実に面白い(福山雅治)

であれば「「欲望を抑えよう」って欲望」を現実のものにするために人類はどんなソリューションを提供するのだろうか。それとも不眠不休を実現する、夢のような産業を生み出すのが先だろうか。人類アンドロイド計画も目前に迫ってきているように思えて、ますます眠気は消え去っていくようだ。

そうなった世の中で人がやることいえば、もう踊ることくらいじゃないだろうか? 音声加工やらVOICEBOX変換の技術が発展していけばどんなド音痴だって美空ひばりみたいな歌声を響かせられるかもしれない。個人が行えるものはすべてAIによってソリューションされる。年末調整も確定申告も、扶養控除の申請も高額療養費制度の計上も、全部全部アウトソーシングされるだろう。働くのは国でも自治体でも人間でもなく「ロボット」や「AI」になり、真の意味で人は「楽」になっていくのだろうか。どうなの。AIに取って代わられた世の中でも、まだ私たちが情熱のままに打ち込めることは残っているのだろうか。たぶんヌードルをすすることだけだろう。

疑問はたえないけど、このチリトマトヌードルがおいしいって事実だけは揺るぎようがない。しかし味覚も細かく分割できてしまうらしい。

塩味はナトリウムと塩化物の複合体。
酸味は酢酸、クエン酸、乳酸とか。
苦味の代表格はカフェインやニコチン。
うま味なんて特に分析が進んでいてグルタミン酸やイノシン酸なんかだ。
辛みはカプサイシン。

これらの黄金配合もいずれAIが探し出してしまうのだろうか。
ところが人間様は相当にグルメだからこのへんを網羅するには時間がかかるだろう。というか正解がない。人間はわけわからんと、AIが匙を投げるかもしれない。そう。だから人間はバグだらけなのだ。バグだらけの人間が作ったAIが、それらの偏食を「バグ」だと判定できるのだから、やはり起きている人間はバグなのだろう。

料理人の仕事はなくならないような気がしたけど、料理のレシピをそのままなぞれるロボットが登場してしまったら、料理本を出版した人間に印税がひたすら入る結果になるかもしれない。まるでAWSの課金方針みたいに、料理本APIが呼び出されるごとに執筆者と編集者と監修した料理人さんに取り分が入るのだ。その呼び出し先がロボットであるから、人件費もかからない。せいぜい電気代と保守費用くらいなものか。

あ、でもあれだ、そのロボットの製造業やらライセンス関係とか、例えばロボットを販売するディーラー、そこから買い付けた個人事業主、フランチャイズ店舗のような業務形態においてのレンタル料とか地場代とか、そういったステークホルダーが増大していったら、各個人に入るお金なんてちんまりとしたものになるのだろうな。

カストリ(死語)みたいな仲介業者がたくさんあらわれては、何とか日々生きていくだけのお金を稼いでいくこと。それしか凡人に生きる道は残されていないのだろうか。

「あ、そのチリトマトヌードルの”ヌ”をデザインしたの、アッシなんですよ…へへ…じゃあ、その使用料として1円いただきやすね…へへ…」

こんな感じのが世にあふれかえるのだろうか。ひどい話すぎる。ベーシックインカムを早々に導入しないと、世の中にまたバグが溢れかえってしまうよ!

この話の帰結するところは単純明快。





起きてるって、バグなんだってさーーーーーーーーーーーッ!



はよ寝ろわたし。



(本記事は昨晩、午前5時に執筆した内容になります。いまの私はいたって正常です。…正常? はたして正常なのでしょうか…? うごご。)



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