不器用な愛をくれる恋人と、半年

22日へと
日を跨ごうとする
ちょうど10分前

まるでその時を見計らっていたかのように
恋人から電話がかかってきた

絶賛出張中で 毎晩のように
会社の人たちや友人たちと
飲み歩く恋人は
さも当たり前かのように
ふわふわと 今にも溶けそうな声をしていた

いつものように
何でもない日常を切り取って
お話してくれるのがとても嬉しくて

その上 無邪気に笑っているのが
電話越しに伝わってきて
今日も幸せそうでよかった、と
ほっとして 更に嬉しくなる

そして23:59

｢あと1分で半年記念日だね｣

と恋人は言った

驚いた

そうか、覚えていてくれたんだ

だから連日の疲労が蓄積された
アルコールでひたひたの身体で
無理にでも頑張って起きててくれたんだな

あまり記念日とか
気にしないひとだと思っていた

恋愛に対して
淡白な人だと思っていたしね

その上

ここ最近ぶつかることが多くて
このままお付き合いしていて
恋人はしあわせなのかなあ、とか
急に隣からいなくなっちゃったら……
って不安になることが多かったから
なんだか不意をつかれたような感覚だった

僅か60秒が
こんなにも長く感じられたのは
とても久しかった

早く過ぎ去ってほしい気もしたし
でもこのまま時が止まればいいのにと
複雑な相反する気持ちが
ふつふつと沸き立っていた

先日の温泉旅行。こころもからだもぽっかぽか
になったよ。一緒に行ってくれてありがとう。

そして、7/22  0:00

｢   半年記念日だね
さくらちゃん いつもありがとう
これからもよろしくね  だいすきだよ  ｣

何度も何度も繰り返し
気持ちを伝えてくれた

思わず涙が溢れてとまらなくなった

恋人は普段あまり
気持ちを言葉にする方ではない

それに対して
わたしはすぐに気持ちを伝えちゃう

だから、これまでふとした時に
独りよがりな感じがして寂しくなったり
正直 本当に好きでいてくれてるのかと
勝手に不安になったりもしていた

でも そんな気持ちを
吹き飛ばそうとするかの如く



その言葉に続いて

｢   普段さくらちゃんみたいに
手紙を書いたり 気持ちを伝えるのは苦手だから
半年を迎える今日はちゃんと伝えたくて。
こういう時にしかなかなか伝えられないから   ｣

そう言った恋人の
不器用な愛と思いやりで
こころのコップは溢れ返った

出張へ行く前に半年記念のお祝いで
連れて行ってくれた。この鮎が美味しすぎたのだ︎︎︎✌︎

思わずにっこりしちゃうほど
美味しかった蟹味噌甲羅焼き、贅沢だへへっ

記念日を覚えてくれていた上
大事にしてくれていたこと

好きだとストレートに伝えてくれたこと

これまでの日々を感謝してくれたこと

そして、これからもよろしくね、って
ふたりの歩む道に共有できる未来があったこと

いろんなもやもやが
どこかへ行っちゃって
今すぐにでも恋人を抱きしめたくなった

𓂃𓂃𓈒𓂃𓈒𓏸

先日、はじめて恋人の友人にお会いした
( 大学時代の先輩さんと後輩さんだとか )

一緒に夕食を囲ませてもらって
心地よい短夜にふけった

これまで知らなかった
恋人の新たな一面を知れたり

気のおける人達と過ごす
安心しきって心を開く
恋人の幸せそうな表情に
こちらまで幸せが伝染した

なによりも
友人に紹介してくれたことや
次の日に
｢会わせられてよかった｣
という言葉を聞けて
こちらこそありがとう、と
感謝と喜びで満たされた

恋人の先輩が持ってきてくださったお土産
お2人本当に素敵な時間をありがとうございました

正直、こんなにも
合わない人は初めてだ

でも
こんなにも安心感があって
人間らしくいさせてくれて
この人の笑顔をみたいと
思える人もまた初めてだ

これからも
些細なことでぶつかって
ふとした時に悲しくなるかもしれない

でもいまのわたしが
わたしらしくいられるのは
間違いなく恋人のおかげで

いま幸せだと思えるのもまた
紛れもなく恋人のおかげなのだ

恋人にとって

1番にこの話がしたい、
一緒にこれしたいな、
と思えるような

癒しや元気、笑顔を
享受できるような

無償の愛を得られるような

弱さをみせられて
強くなれるような

ポジティブな未来が
想像できるような

そんなパートナーでいたい

数日後にやーっと出張から
帰ってきてくれるので
心うきうきしながら
半年おめでとうありがとうケーキを
作ろうと企んでいるのです、へへ

喜んでくれると嬉しいなあ

こちらこそ、

いつも本当にたくさんのしあわせをありがとう

不器用で可愛らしい愛情に包まれて
今日もまた健やかでいられます

これからもよろしくね

だいすきだよ

2022.07.22