見出し画像

寄り道 山形を味わい尽くす元旦

合宿期間は15日間。うち、元旦のみが休みとなる。
前日に同じ宿舎の学生さんと話し、観光に行くことを決める。

山寺

タクシーで山寺へ向かう。
ここは松尾芭蕉がかの句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」を詠んだ場所として知られる。行き先を告げられたタクシーの運転手は話好きで、雪道教習の指導が始まったかと思うと、奥の細道を暗唱し、芭蕉にまつわるうん蓄を披露。(同行した学生さんは相槌を打ちながら半分寝ていたけれど)。

山寺は天台密教の古刹で、修験の寺にふさわしく、奥の院まで1070段の階段があり、道中視界には険しい崖が見える。芭蕉が訪れたのとは恐らく真逆の季節で、除雪のされていない階段を時に這って登るのは、なかなかに肝が冷えた(私は山履を履いていたので多少グリップが効いた。入り口で長靴を借りることもできる)。

途中、余裕のていでこれ見よがしに走って何往復も上り下りしているおじいさんと遭遇し、多分こういう人が最後には怪我をして年寄りの冷や水と言われるのだろうと、若干の恨めしさもあり考える。

樹氷

電車とバスを乗り継ぎ、樹氷を見に蔵王へ。極寒のスキー場をロープウェイを乗り継いで登る。

一眼は使い物にならず、iPhoneで食堂の窓からなんとか撮れたのがこの写真。
展望台は数メートル先も見えない吹雪で、雪山遭難者の気持ちが味わえた。

温泉、米沢牛、地酒

ロープウェイを下り、温泉に浸かり、バスで山形駅へ戻って地酒と米沢牛とおしゃべりを堪能し、宿舎へ帰る。

陣頭指揮を取るのは楽しい

道中タクシーの手配、現地での情報収集、店の確保、ルートの提案、トラブル対応やケアなど、ひとりで難なくこなし感謝される。 

旅に惑う若者に、いい思いをしてもらえてよかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?