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小説を書くときのもろもろ

最近書いている小説は、ざっくり言うと戦いと禊の話で、十五年くらい続けてようやく終わりが見えてきました。

半年〜一年くらい間を置いたり、猛進してずっと書いている時期もあったり、稼働→休止→再稼働の波が激しすぎてもうついてきてくださっている方もいないだろうと思います。
わたしの意地と心の安定のために書き続けています。
もっと軽くいうと「趣味中の趣味」というか。

まあ、小説を書くこと自体「趣味」なんだけど、その中でも「趣味」というか。

本当は、もっとドライにやっていきたいと思っているのですが、なかなか上手くいきませぬ。

靴底についたガムみたいに、自分の作品だからどんなに頑張っても切り離せない部分はあるけど、ある程度距離を保って生まれ出てくる世界を見ていたいのですが……

そのために、今書いている小説を完結することが今年から来年にかけてのプチ目標です。

そんな語りはどうでも良くて、

小説を書くときにいくつかのパターンがあることに気づきました。
書く過程というよりも、作品を思いつく時点での違いーー作品によって哺乳類と鳥類くらい、生まれる過程が違っている。
小説書きが好きな人は、もしかしたら共感してもらえるかな。どうだろう。

1.自分の中にいる誰かが語ってくる

2.小説になる一部のシーンが見える

わたしの場合、現実的な話を書くときは1、非現実な話を書くときは2のパターンで思いつきます。

1のパターンはよく言われる「登場人物が降りてきた」やつで、心に根付いた人物が何かを色々と喋り続けます。

「あたしは今こんな感じで、職業はこれこれで、こんな恋人がいる」みたいな、とにかく勝手に身の上話をしてくる。
それを二週間くらいメモを取りながら聞き続けて、話してくれなかった部分は、わたし(作者)のバイト先や学校の友達のエピソードで補足して一つの小説が完成します。

一人称で書かれた「純文学」的なわたしの小説はだいたいそんな感じで作ってます。

体感的に、この声は頭の中というより胸の奥の方から聞こえてくる感じがあります。時にはその人の部屋の情景が見えたりします(わたしはこれを密かに視界ジャックと呼んでいる)

25才を過ぎたあたりからあまり聞こえなくなってしまい、最近は誰も話しかけてくれない(涙)

いつかまた聞こえ始めるのかな……こればかりはちょっと分かりません。

2のパターンは世界の仕組みが見えたり、人物が遠巻きで見えたり色々です。
話の内容によって、芸能人が演じてるドラマだったり、ゲームっぽいグラフィックだったり、漫画のコマ割りが見えたり、アニメ調の女の子が動いていたりします。

三人称視点のエンタメ系の小説はだいたいこれで、出てくる人物の外見が曖昧なときは、今までに見てきたアニメやドラマからキャラクターを引っ張ってきて演じてもらいます。
二次創作に近いのだけど、設定も話の流れも元のアニメやドラマとは全く違うので、どちらかというと「スターシステム」という言葉が適切かも知れません(引っ張ってきたキャラクターはわたしの作品ではないけれど)。

なので、この手法で作った話のキャラクターにはだいたい元ネタがあります。

1のパターンは、何かが憑依して書いている感じが強いので、怒りながら書いたり、泣きながら書いたりして忙しないから疲れます。気分も暗くなるし。

確か大塚英志さんの創作論に書いてあったと思うのですが、物語は「不均衡→均衡」に向かうか「均衡→不均衡」に向かうかのどちらかで作られているそうです。
不均衡→均衡に向かう途中の物語だったら、気分もアンバランスになりますよね。

1のパターンを書いている時によく思い出していたのはNirvanaの「lithium」という歌の歌詞。

I'm so happy 'cause today
I've found my friends
They're in my head

なるほど、この幸せ感はちょっと分かります。

心情的に楽なのは2で、話も軽いしキャラクターが動くのを見られるので、サクサク書けます。推敲も楽しい。
キャラクターが不幸な目に遭っていても自分のことではないからいじらしいなと微笑んでしまう。

冒頭でお話した小説は2に該当していて、漫画のコマ割りで見えています。だから登場人物を想像すると吹き出しで喋っている。
劇画調っぽい話だから関連して劇画=漫画で出てきたのでしょうか。
イメージの所以を探っていくのも楽しいです。

1のパターンがここ数年ご無沙汰なのでそろそろ降りてきてほしいです。仕事と生活で忙しく、退屈している日が少ないからかも知れません。
あるいは、年をとって、ドラマチックな感情を想像できなくなっているのかも。

ドラマのような私生活とは無縁でいたいけど、頭の中で展開されるドラマが欲しいです。思春期限定の自己陶酔感が過ぎてしまったから降りてこないのかな。コロナのせいで心が無になりかけているだけだと思いたい。

……というわけで、今日はここまで。

すげー電波な話をし過ぎてしまって自分でも引いています。あまりこういうことを書く年齢でもないんだけど、もういいや(自棄)。

最近ハマっている自家製ヨーグルト食べてきます。

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