群生 _ 詩
温度を感じる程度の距離を
独り言が聞こえる時間を
すり抜け合ってたまに擦れて
橙に染まったり蒼く透けたり
大体はわかったり全く知らなかったり
こじ開けてでも笑顔で迎えて
だって此処で群れているから
そうしないなら孤独の星だ
もっと微細で不完全でも
要するに僕ら似たもの同士だ
ビルの昇降機硝子の向こう
何億とゆう生命の電飾
テールランプが流れる運河
とびっきりの星はもう
とっくの昔に見つけているのに
臆病な振りで僕らは家路に
たった一つの言葉も言えずに
了
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