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蛍光灯 _ 詩

君の頬にそっと手を当てた
蛍がふっと輝いたから
何処へも飛んでいかないように
何処かへいってしまわぬように
僕の手のひらを何かが濡らした
何かがそっと溢れて落ちた
深く澄んだ透明なそれに
混じり気のない密度のそれに
きっと惹かれてきたんだね
きっと引き寄せ合うんだね
黒く伸びる無音の宇宙に
僅か光る久遠の惑星に
怖くなって電気をつけた
蛍光灯が二人を照らした


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