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月兎紬
2024年7月6日 23:36
どうやって川を渡ろうか貴方がくるのを待ってられないどうやって夜を越えようかノートの中の星、傷、ナイフどうやって月を落とそうかあの日の言葉をミサイル代わりにどうやって愛を放とうか臆病に、でも大胆にどうやって老いを拒もうか別にこのままでもいいかどうやって日々を偲ぼうか喪に服すより飛び切りの笑みでどうやって謝辞を述べようか百個の詩なんか読んでくれたなら了P.S. コメン
2024年7月5日 23:44
雷で瞳を貫いて危うく罪が重くなっても向日葵で首を絞めつけて思い通り推定無罪でも結果なんて何でもいいんだどうせ後の祭りなんだからレモネードを注射して夏を感じて死にたいか日焼け止めを飲み続け夏を拒んで管を満たすかほら言葉なんかゴミ屑だどうか身体で確かめさせて壊れるくらい抱き合って壊れていてもくちづけて了
2024年7月4日 20:56
沸騰したお湯に二十秒ほど浸っていればトマトの皮が剥けるみたいに私の表面に嫌と言うほど染みついた何もかもを剥がせるのかな氷水に飛び込むその時はこの心臓は停止してお酢と砂糖と白だしで生き返らない様にトドメを刺して頭の上に刻んだ十字はこの身を捨てるための約束心電図の様に逃げ出した過去も挿し絵の様に抱きしめる別れも逆さに読んでも同じ名前でもこの心さえ真っ赤でいれたら了
2024年7月3日 18:36
ドーナツを分け合う暑い日の喉を冷やしたアイスコーヒーのほろ苦さは後ろめたさか伝えきれない大好きかエアコンの効いた肌寒い部屋朝から上がりきらない微熱この胸で燃える確実な炎百年の恋は冷めないのときどき僕らすれ違い桜が海で茜に凍りどきどきしながら手を繋ぎ雪がピンクに暑さで紅葉夜になっても変わらず微熱この胸に隠る薄情な炎了
2024年7月2日 13:25
君の嘘を破ったら白い鳩と虹が飛び出した夜の闇を詩ったら海が嫉妬で荒れていた夏の雲を齧ったら時の流れがわからなくなった胸の傷を開いても僕は一人のままだった蛍たちが輝く前に蜃気楼が揺らめいて記憶の中の君が消えそうで慌てて顔を両手で覆った了
2024年7月2日 02:56
どうしてこんなに言葉を紡ぐどうして同じ夢ばかり見る愛を例えて何になる画面を埋めて何を生む雨が鴉が酒が太陽が夏がハートが迷いが闇が君を救えぬこの僕が無力に沈むこの声が通りであの日のままだったどうして同じ事ばかり詩う君を失くして何を得る詭弁に埋もれて何を詠む愛を果実を砂漠を旅を凪を蜂蜜を魔法を安らぎを誰も救えぬこの僕を無傷で怯えるこの胸を誰が許してくれようか罰として生
2024年7月1日 22:06
包み紙は夜の空天の川のリボン解いて澄んだ空気に小指重ねて閉じかけたドアに左手添えて間に合うように秋の夢絶やさぬように隙間埋め病んだ湿った小指重ねて1、2の3で柵を飛び越えて本当は飛べると知ってるわきっともう一度会えるよねイヤホン外して確かめる月もそこにちゃんとある了
2024年6月30日 21:47
両手いっぱいの花束もきっと枯らせてしまうからせめて僕の涙でよければどれだけでも注ぎましょうコップいっぱいのサヨナラもそっと飲み干してしまえたらやがて僕の涙となってまたあなたに注ぐのに精一杯の魔法でもってやっと少しだけ笑顔にできる涙と笑顔の交換じゃ喜んではくれないかだから僕の涙を固めてあなたの耳に飾ってくれたら両目いっぱいの水溜りもっと降らせてアメフラシせめて君の花
2024年6月29日 23:24
スマートフォンの夜の孤独をネオンの街の矛盾の闇をLEDの豪雨に弱虫の影をデジタルに進む黒い有限を偽物ばかり明るくて私の光に気づいてないのお風呂上がりの両手で耳をバスソルトの香りで鼻孔を蜂蜜のようなキスで唇を勿論両目は瞑っていてねほら真っ暗なのに暖かい私の光に気づいたでしょだって私は生きているだって君も生きている了
2024年6月29日 11:49
頭にコツリと何か落ちてきた地面をみると惑星が転がって暫く眺めて煙草をふかすフィルターまではまだ十分こんな小さな灯りでもこんな夜をか弱く照らして手を伸ばして惑星を拾った殻を破いて中身を出した暫く眺めて長く息を吐くフィルターまではあと少しこんな燦く種だとはこんな僕の全部を染めて気づかないふりは終わりだな最初っからわかっていたよな君を上手に愛せるかでなくこんな僕をどう愛する
2024年6月28日 15:08
ノートの隅に落書いた惑星をこの空に浮かべたら少し未来が明るい気がした温い温度ではしゃぐ風にカーテンは揺れて踊るのに私の心はすんと黙ってルージュをひいて大人ぶったヒールを履いて空に近づいた少しなんでもできる気がした帰り道はひどく静かで車を降りても耳が痛くて私の心も少し痛くて早く大人になりたいなんて文字にしたって子どものままで頭上の惑星に名前をつけてバレないように君に放っ
2024年6月27日 21:06
駅前の珈琲店に伸びる列向かいの交差点の傘の海学校鞄が弾ける夕暮れ横断歩道の隙間の安堵悲しいとかは全くない寂しいとかも勿論ないただ被弾したこの胸を塞ぐための手段がないだから孤独と綴っても何かうまく嵌まらないだけど孤独と詠うしか僕は僕を誤魔化せない誰かと照らし合うためのアリア強がり嘘つき歌い上げたなら草原に一つ光が差して画面の向こうに帯びる熱電子の格子点の雨の粒毒林
2024年6月27日 02:29
海の月だと言い張って君が放った電気に痺れ夢芝居だと言い聞かせ紅を重ねた心は浮かれ星の屑だと言うくせに君が放った光に見惚れ額紫陽花と夜が重なり藍を隠した私は千切れ空の器へと言葉を注ぎ泣き始めた心を宥めて愛だったと漸く気づき白く散った花弁を喰む了
2024年6月25日 22:54
花の色が貴方に移りまた私は記憶に追加悪戯だって繰り返したなら眺めも変えてしまうよな川の流れに言葉を映しビリビリに破く五秒前巻き戻しのないこの世界だからやっぱりまた逢いたくなるよな再び菖蒲が咲く頃に雨を押しのけて此処に来たいな何種類も咲いていたって今日の香りに気付いてみせるわ了