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音楽の記録 Vol.6

気づいたら、人生で一番自由とも言われるこの3月が終わろうとしている。4月からは大学生。いろんなものが変わるだろう。慣れないスーツのジャケットに袖を通し、少し高さのあるパンプスを履き、沢山の人にもみくちゃにされながら電車に乗り込み、2日の入学式に向かうんだろう。それが楽しみだったのに、いざ近づいてくると不安しか無い。

不安なのは私だけではないし、世界も不安定だ。そんなどうしようもないことに心が押しつぶされて、ナイーブになってしまい、少し泣いてしまうこともあったこの3月。画面にニュースを映したくなくてずっと漫才を見たり、音楽を聴いたりしていた。1ヶ月分なのでだいぶ多いが、今回も聴いた楽曲の中から、特にハマった楽曲を紹介する。
※その中でも特に聴いて欲しい!!という楽曲は、URLを載せている。

1.偶像/カンザキイオリ

「創作」は、身体の中から生まれるものを言葉や絵に落とし込み形にする活動だ。でも実際、その活動を職に出来る人なんて米粒くらいしか居ない。誰かの心を動かそうと考えると、どうしても生の創作では無くなってしまう。生み出したいのに生み出せなくなってしまう。それを「偶像」と表し、世界と自分を皮肉るような語彙で咽び泣くように歌われているこの曲に一度で心を射抜かれた。

カンザキイオリさんの楽曲の歌詞は、綺麗な言葉で隠さずに、まっすぐなそのままの素直な言葉で痛いところをグッサリ刺してくる。それなのにどこか暖かさがある。素敵な楽曲で、どうやら連作のようなので、他の楽曲と繋げて聴くと物語も楽しめる面白い作品だ。

2.はやく夜へ/水槽

誘拐した少女が自分に懐いてしまった。
純粋無垢な少女の「私も入れて」「離さないで」などの声が、弱い大人の自分を追い詰める。二人で行けるけれど、一人で行こうとする。なのに少女は着いてくる。こんなのダメだ、違うと突き放しても、残る良心がそれを許さない。(少々情報不足で解釈しきれてないところがあるかもしれない。)

すぐに壊れてしまいそうな繊細な誘拐犯の心情を表したような静かでゆったりとした楽曲だ。少し悲しげな歌い方をしていて、少女の声が追い打ちをかけている様子を表すように、高い声が重なり合って何度も似たような言葉を繰り返すところに感激した。

はやく夜への、「夜」というのは、夜ではなく暗闇を表しているのではと思った。夜以上に、彼は最後暗いところに一人で行ってしまう。それを追いかけようと少女が見たものは...ストーリーまで素敵に描かれた楽曲だ。YouTubeとアルバム「事後叙景」で音源が違うようなので、そちらも聴いてみると良いかもしれない。

3.HERO/Vaundy

私がたくさん音楽を聴こうと思ったきっかけのVaundyさんの新たな楽曲だ。

時が経ち、忘れ去られたヒーロー。闇の中、自分の名前を呼ぶ声がする。その小さな希望の中、闇の力を使って、ヴィラン達を倒していく。なかなか言葉にしにくいが私の中ではそんなイメージ。

Vaundyさんの楽曲をこれまで3つ紹介してきたが、どの楽曲も歌い方にハッキリとした違いが見られる。「踊り子」は静かに妖艶に、「裸の勇者」は勇気を振り絞る様に、そして「HERO」は少し気だるそうに歌っている。声に表情がある。とても素敵だ。

4.レリギオス/はねるさかな

とにかくリズムが最高。

毎回ひとつは私の語彙力では表せない!という程に最高な楽曲があるのだが、今回はこの曲だろう。

平成ボカロを彷彿とさせるようなボーカロイドらしい歌わせ方の楽曲だが、令和の時代の、一瞬で心を掴むエモさも兼ね備えている。中毒性の凄い楽曲だ。

5.うるうびと/RADWIMPS

現在公開中の映画「余命10年」の主題歌である。

余命10年と告げられた不治の病の女性と、彼女の同級生の男性が恋に落ちるラブロマンス。

どれだけ愛しても、彼女の命は僕より早く削れていく。どうにか生きて欲しい。そんなこの映画の核を代弁するような「あといくつ心臓があれば僕は君の手を掴んでこの胸の中に攫えるだろう」や、「今や人類はこの地球を飛び出し火星を目指す、なのに僕は20センチ先の君の方が遠い」といった歌詞が胸をうつ素敵な楽曲だ。

私はあまり映画は見ないのだが、いざ見るとしっかり見入ってしまう。「余命10年」のような映画は絶対泣いてしまうだろう。「君の膵臓をたべたい」を見せられた時もかなり泣いた。私は結構豪快に泣いてしまうので、映画館では見るのは避けるが、これから見られる方は是非、最後に流れるであろうこの楽曲にも涙して欲しい。

6.恋風邪にのせて/Vaundy

「クズを愛したお前も悪いんだよ」
そんな台詞から始まるこの楽曲は「くだらない愛」を謳っている。

「くだらない愛」と言いながら、いつも笑い合い、日々を思い出しては感傷に浸り、枯れるまで共に笑っていようなんて言う。Vaundyさんの歌声も、力強く歌詞を紡いでいる。

どんな形であれ、人は人を愛し、その愛に翻弄される。たとえ「愛している」と認め会えなくても、心のどこかでは繋がっている。そんなちぐはぐな、でもどこか尊い複雑な感情を汲み取った素敵な楽曲だ。

こうもぽんぽん素敵な楽曲を生み出せるのは凄い。最初に歌詞を持ってきたりせずに、しっかり音を聴かせる音楽を多く手がけているのに、確実に視聴者の心を掴む。ドラマのように練られたストーリーと、演奏姿歌い姿を一切見せないMVにはいつも見入ってしまう。今一番私の心を盗んでいる方だと思う。

7.ジャンキー/フレデリック

「オドループ」や「YONA YONA DANCE」で最近よく耳にするフレデリックの新しい楽曲。

不思議で中毒性のある、ピコピコとした音を使い、巧みな言葉遊びで魅せるフレデリックの世界観。ボーカルの方の飄々としつつも爽やかな声がより音楽に彩りを持たせている。

フレデリックの楽曲は、カラオケで歌ったらどれも大盛り上がりしそうだ。そんな乗らずには踊らずにはいられないようなノリノリな楽曲だ。

8.きみに回帰線/稲葉曇

静かで気だるげな音の流れに心を掴まれた。

歌詞も「今日はずるやすみしよう」と、現実逃避を彷彿とさせる。世界に馴染めない自分の姿を描きながらも、「進む教科書 皆勤仕様」「いらない給食じゃんけんしよう」など、自分がずるやすみすることによって生じる問題を挙げ、自分が居なくなることによって、世界の予定調和が変わることを歌詞にしている。

出会ったその日に何十回もループ再生した。何もしたくない時はこれを聴いて座ってるだけでいい日になる気がする。

9.セブンティーン/神山羊

17歳の焦燥感、葛藤を激しく歌った楽曲だ。

私はもう18歳だけど、確かに華のセブンティーンは高校生活の中で一番しんどかったかもしれない。教室の隅っこで、同級生を睨みつけ、自分さえ良ければなんてネガティブな感情ばっかり抱いていた気がする。大人になってしまったな、とこの楽曲に共感しきれない自分に対して思った。1歳しか変わらないのだけど...。

でもこの音楽の走るような、でも気だるそうな激しさに、すぐ心は射抜かれた。独特な表現や中毒性のあるリズムはとても素敵だ。

以上。

久々に『考古学とは何か』なんてたいそうな本を読んだ。薄くて小さい本なのだが、やはり活字を読むのが苦手で何日もかかって、まだ読み終えていない。同じ行を何回も読んでしまう。
結構な長文をnoteに書いてるくせに、なぜ読めないのか自分でも疑問で仕方がない。なんとか答えを探そうとした時に出てくる答えは、ゲームと音楽だ。

ゲームが見せるストーリーに心を動かされ、音楽を聴いて感想文を書く。それの繰り返しできっと文は書けるようになったのだろう。

本を読んでいないくせに言うのも何だが、本ばかりが人間を作るわけでは無い。私のように読書が苦手な人でも、音楽に触れれば豊かになるだろう。そこに知識は要らない。心さえあればいいのだと思う。

▼今回聴いた楽曲(多すぎて重くなるので省略)
313曲目. 振り返って/澤田空海理
        〜
437曲目. STEP IT/Nulbrich

全.122曲
YouTubeより

▼ これまで紹介した全楽曲

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