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野生の息吹

どうやって書いていたのか思い出せないくらい久々のnoteだ。ずっと新生活の感想ばかりを書きなぐっていたので、今回は最近の私の大好きになったものについて書こうと思う。

何個か前のnoteにも少し書いたのだが、ゲーム実況者のキヨさんが現在シリーズ実況として♯17まで続けている「ゼルダの伝説-ブレスオブザワイルド-」の投稿が、ストーリーの続きが、今私は楽しみで楽しみで仕方がない。

楽しみすぎて、

動画の更新が待ちきれなくて、

自分でゲームを買ってしまった。

!?

もう一度言う。

自分でゲームを買ってしまった。

自分で「ゼルダの伝説-ブレスオブザワイルド-」を買ってしまった。


引用:Nintendo®

私はそもそも、このようなアクションゲームが非常に苦手だ。敵が来ると物凄く焦るし、何も考えず攻撃のボタン(ゼルダの伝説ではYボタン)を連打してしまう。
そんな臆病な私が、見るだけでは物足りなくなってしまったゼルダの伝説。

ゼルダの伝説については、本当に基礎知識も何も知らなかった。ただ、姫の名前がゼルダ、勇者の名前がリンクと言うことしか知らない。一体どんなストーリーなのか、どんな敵たちが現れるのか、何もかも全く知らなかった。

名前は知っているけれど、内容はよく知らないゲームを、好きな実況者さんがプレイし始めた。ただそれだけの感覚だった。最初に動画を開くときの私の感想を今でも覚えているのだが、本当に「へぇ〜キヨゼルダ始めたんだ〜」だけだ。

そもそも私はキヨさんのシリーズ物実況も噛み付いて見るほどの視聴者ではない。噂のUNDERTALEの実況も前までプレイされていた逆転裁判の実況も全部一切見ていない。この人がやってるから!とかではなく、ゲーム自体に興味が無いと見る気が起きない。人気すぎると見る気が失せるのも悪いところ。

だが、ゼルダの伝説には少し興味を惹かれ、始めたことに気づいた時には♯3程まで進んでいたのでそれを全部見た。ゲーム画面がものすごく綺麗で、最初の回生の祠でリンクが目覚める場面を"激キモ半身浴"と言ったりするキヨさんは相変わらず面白い。一度見るとよっぽどの事が無ければ見続けるタイプなので、続きが更新されると見ていた。

激キモ半身浴
引用:キヨ。さんのYouTubeチャンネルより

そんなゼルダの伝説の実況の更新が、待ちきれなくなってしまった決定的瞬間がある。

※ 「ゼルダの伝説-ブレスオブザワイルド-」自体は、5年前のゲーム作品なので、物凄いネタバレにはならないと見て、いろいろ説明するために内容もガッツリ書かせていただきますが、実況を見る予定がある、これからプレイする予定がある、知りたくないという方は、ここからの閲覧をお控えください。

❒ ストーリーの概要

この作品でのゼルダの伝説は、滅亡したハイラル王国の地で100年もの長い眠りから勇者リンクが目覚めるところから始まる。

ハイラルの歴史は、厄災ガノンとの闘いの繰り返しの歴史。1万年前、古代の民は、自らの意思でガノンに立ち向かうガーディアンと、獣を象った四体の巨大な神獣を作り出し、さらにその神獣に乗ることが出来る特別な力を持った英傑。そして退魔の剣に選ばれし勇者と、ガノンを封印する力を持つ姫の総力を持って厄災ガノンを打ち破り、封印することに成功した。

100年前の民も、古代の技術に習い、出土したガーディアンと神獣、英傑たちを鍛錬し、復活の兆しの見られる厄災ガノンに対して準備を進めていた。その時の姫がゼルダ、勇者がリンクであった。にも関わらず、復活した厄災ガノンにいとも簡単に古代兵器を乗っ取られ、4人の英傑は死に、ゼルダの父であるハイラル王も厄災の犠牲者となる。そして選ばれし勇者であるはずのリンクも、全身を挫傷。その後リンクは「回生の祠」に運び込まれ、長い眠りにつく。

封印されてきた厄災ガノンの復活により、滅ぼされてしまったハイラル王国。ハイラル城ではガノンに立ち向かい、飲み込まれてしまったゼルダ姫が、今も尚ガノンの力を封じ込めようと戦っている。

目覚めたリンクは記憶が無く、霊体のハイラル王や、100年前の世界を知る者達の力を借り、乗っ取られた四神獣をガノンから解放し、ゼルダ姫を助け、ガノンをこの世から消し去るという宿命を背負う。

ゲームの序盤に、100年前の世界を知る者の1人であるインパというおばあちゃんにこんな感じの経緯を語られ、古代の石版チックな映像が流れるのだが、それがもう面白くて面白くて、実況を見ながらワクワクが止まらなかった。

インパ
引用:Nintendo®
古代のハイラル
引用:Nintendo®

キヨさんの実況はかなり自由奔放で、好奇心のくすぐられる場所へと進んでいく。なのでストーリーの進みはかなり遅めなのだが、そんなキヨさんが初めて攻略した神獣と英傑のストーリーが完全に私の心を掴んだ。

キヨさんは初っ端火山エリアを攻略に選択。その先ではゴロンシティと呼ばれる街があり、ゴロン族と呼ばれる部族が生活していた。
煌々と燃える火山の名前はデスマウンテン。そこに炎の神獣ヴァ・ルーダニアがおり、デスマウンテンを噴火させたりしてゴロン族の生活を苦しめていた。

100年前この神獣に乗っていた英傑の名はダルケル。彼とリンクの記憶を思い出し、ダルケルの子孫であるユン坊と共に、神獣ヴァ・ルーダニアに乗り込もうとデスマウンテンを登っていく。偵察機をくぐり抜け、砲台で神獣を弱らせ、もう乗り込むだけ!!という時に、キヨさんの動画は一旦終了した。

気になる!!!

神獣に乗り込んだらどうなるのか?この先のストーリーはどうなっているのか?どう攻略するのか?ベットに潜り込み「気になるー!!!」と声が出た。私はもう、実況では無くゲーム自体にワクワクが止まらなくなっていた。

神獣ヴァ・ルーダニアを攻略した後、霊体のダルケルがリンクの前に現れる。リンクを相棒と呼び、感謝を述べたあと、彼は勇者リンクに自分の防護の力「ダルケルの護り」をリンクに授ける。そしてリンクの身体は光り始め、ゴロンシティにワープする。

ダルケルは懐かしい景色だと、デスマウンテン頂上から、取り返したヴァ・ルーダニアの上からゴロンシティを眺める。すると、下の方からユン坊がダルケルを見つける。ダルケルはふっと笑い、右の拳を天に突き上げる。それを見てユン坊は笑い、ダルケルに手を大きく振る。

ダルケル
引用:Nintendo®
ユン坊
引用:Nintendo®

そのシーンを見てキヨさんは「はぁ」と笑みの籠ったため息をつくのだった。

これで一度心の高まりは収まったかなと思ったのに、次のパートはより私に衝撃を与えた。

それは、リンクがゼルダとの思い出を思い出す場面である。リンクの持つシーカーストーンには、過去にゼルダが撮影したウツシエと呼ばれる絵が入っている。リンクはお付の騎士だったので、この撮影地に行けば記憶を取り戻すことが出来る。キヨさんもこれ以前にいくつか記憶を辿っていた。いつもは厄災ガノンに世界が壊される前の記憶。ゼルダ姫は可愛いし、キヨさんはキャッキャして見ていた。今回もそんな感じだと思いながらキヨさんは思い出そうとゲームを進める。

場面は雨の森。ゼルダの手を取り走る泥だらけのリンク。二人の荒い息遣いが聞こえる。その緊迫した中で、ゼルダは森の泥に足を取られてこけてしまう。リンクはすぐさま踵を返し姫に向き直る。そこには目に涙を溜めたゼルダの姿。

これは、厄災ガノンが復活し、世界を壊した後の二人の物語だった。

厄災ガノンにガーディアンも神獣も乗っ取られ、味方であった武器が敵になり、我々を傷つけた事に、ひと一倍自分の非力さに悩み、常に対抗策を考え、神獣の鍛錬などを傍で見届けてきたゼルダは、どこまでも暗闇の、絶望の中に居た。

「だから私は、大事な人達を、仲間を、民を、

お父様を、死なせてしまった。」

全てを封印の力に目覚めない自分のせいだと背負い込み、止まらない大粒の涙を流し、声を上げて泣き、リンクに縋り付くゼルダ。いつも表情を変えない寡黙で凛としているリンクの表情も、眉が下がり、やるせない表情でゼルダを抱き抱える。

ウツシエの記憶
引用:キヨさんのYouTubeチャンネルより

そこで記憶は途絶える。


ゲーム実況で、なんならゲームで初めて号泣した。たった17歳の少女が、世界の全ての災厄を自分の罪だと背負い込み、自分の最低限出来ることをとありとあらゆる手を尽くしてきたというのに、全てを闇に葬られ、自分だけは勇者に守られ逃げ延びている現状。この回想を見るまで、どれだけゼルダが重いものを背負っていたか、酷く辛い思いをしていたかを、私は気づかずにのほほんと見つめていた。あんなにおしゃべりなキヨさんも、呆気に取られて黙りこくってこのシーンを見ていた。回想が終わり「えぇ俺もう泣いちゃうよ...!」と呟くカスカスの声のキヨさんで少し気持ちを取り戻す。

なんて素晴らしいゲームなんだろう。どうして今まで知らなかったのだろう。私もゼルダを救いたい。この回想を見て以降、そんな気持ちがふつふつと湧き上がってきた。

このふたつが、私をゼルダの伝説に夢中にさせた決定的瞬間である。

完全にゼルダの伝説-ブレスオブザワイルド-に心酔してしまった私は、日々日常がほわほわと浮いていた。大好きなお笑いコンビがM-1グランプリの決勝に行った時とはまた違った心の浮き方だった。どうなるんだろう。どうなってしまうんだろう。あぁなんて素敵なんだろう。そんなことばかりを考えて、大学の講義の内容も全然頭に入ってこなかった。

私はなかなか物語にハマらない。小説も漫画もアニメもドラマも映画も、ゲームも、受動的でないと読みも鑑賞もしない。おまけに人気なものは触れたら負けだと思ってしまう。
だからこの心の動きは、私の中では本当にレアな素敵な感覚なのだ。

母の前で「ゼルダやりたいなぁ〜」と呟いた。もちろんこの時の私は本気ではない。このゲームは難しいという躊躇と、どうせダメだと言われるだろうという諦めがあった。

だが驚いたことに、母はあっさり、条件付きだが承諾した。その条件は「自分の貯金から引くならいいよ」。特に欲しいモノが無い私は大興奮。ほんとに⁉️なんて言ってすぐさまSwitchにダウンロードした。ダウンロードの待ち時間はワクワクが止まらなかった。ゲームが始まり、あの激キモ半身浴が現れる。あぁ、ほんとに私の手の中で、あの物語がスタートしようとしている!その感覚が素敵で、なんとも言えない感覚だった。



敵と出逢えば震える手、高鳴る心臓。
物語が進めば緩む涙腺、素晴らしい物語。
歩いても走っても飛んでも泳いでもいい。
どこへ行ったって、そこには広大なハイラルが広がっている。
そして、中央には、未だ厄災ガノンに乗っ取られたハイラル城がある。



キヨさんと進捗を合わせようと思ったがダメだった。先が気になって気になって仕方がない。いつの間にかキヨさんを大幅に追い越していた。

退魔の剣、マスターソードも先に手に入れてしまった私のリンクは、次は3体目の神獣に向かおうとしている。私にとっての3体目の神獣はヴァ・ルーダニア。私の心を掴んだあの舞台。それを自分の画面で、自分のやり方で進んでいくのだ。


以上。
私の心をここまで掴んだゲーム。本当に久々だったので、熱が篭もりすぎて5000字近くなってしまった。ここまで読んでいる方は居るのだろうか。

まだまだ私のリンクもキヨさんのリンクも冒険の途中。これから物語の終焉に向け、どんなストーリーが描かれるのか。非常に楽しみだ。




▼ ゼルダの伝説-ブレスオブザワイルド-
 引用:Nintendo®

▼ キヨさんの実況動画再生リスト

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