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穀醤トゥアナオ

東南アジアといえば魚醤を多用することで有名ですが、日本の醤油や味噌のように大豆から作られた穀醤もあります。

ラオス北部のルー族というタイ系諸族の一派は、トゥアナオという食品を作り日常的に使用しています。トゥアは豆、ナオは腐ったいう意味で、腐った豆、つまり、納豆のことですが、日本のように生食はせず、納豆として発酵させたものを潰し、塩と唐辛子で半年以上漬け込み、さらに熟成させます。味噌のようなペースト状でも、納豆の香りを持つ、調味料が出来上がります。

炒め物の際に、にんにくや肉、野菜と一緒に炒めたり、チェオというディップにしてもち米や野菜と一緒に食したり。

不思議なことに、トゥアナオをよく食べる地域では、魚醤がほとんど食べられていません。魚醤の元になる漁獲が少ないということかもしれませんが、うまみの要素であるアミノ酸を醸成する食品として、トゥアナオで充分に味が完成するからということかもしれません。

同地域では、濃口醤油や豆腐、豆乳、涼粉など、中国からの伝来食品も作られ、研究者によると、トゥアナオも豆豉の派生食品だということです。

トゥアナオを使った有名な料理は、古都ルアンパバーンで提供されているカオソーイという麺が挙げられます。ビーフンの上に載る肉味噌にトゥアナオが使われています。


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