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自己理解と、それが就職活動にもたらすもの

 自己理解とは、ありのままの自分を知ることです。ありのままの自分を認めて受け入れることを自己受容と言います。ありのままの自分には、良いところも悪いところも含まれます。日頃わたしたちは、見たいものしか見ようとしない傾向があります。すると、見て欲しいところは強く意識するかもしれませんが、見られたくないものは無意識の底に沈められてしまうのです。ありのままの自分を知るためには、自分は知らないこと、自分は気づいていないことも含めて知る必要があるのです。

  そのためには、他者からのフィードバックをもらう方法が有効です。他人から教えてもらうのですが、これは勇気がいることです。自分にとっては辛口のことだったり、聞きたくないことにも耳を傾ける必要があるからです。ありのままの自分について知り、自己理解を深めることができたら、次はどうすればよいでしょう。それはありのままの自分でいいんだと自分を認めてあげることです。認めてあげることの中には、良いところだけでなく自分にとっては都合の悪いことも含まれます。これを自己受容と言います。

 自己受容は、ポジティブなこともネガティブなことも含めて、ありのままの自分を、「これでいいんだ」「それもありだね」と自分で認めてあげることです。自己受容している人は、安定した人格を獲得していると言うことができます。そのため、周りの人たちから安心して頼られたり、さらに自己受容している人は他者をも受容することができるようになり、他の人たちに優しく接することができるようになります。

 逆に、自己受容できない人はどうなるのでしょうか。ありのままの自分を受け入れられていないので、ネガティブな面から見た自分を否定したり、仮に失敗をしてしまうとポジティブな部分に目を向けることができずに、必要以上に自分を責めて正しく自己肯定感を育むことが困難になります。逆に、「わたしは〇〇ができるから偉いんだ」というふうに、条件付きの歪な自己肯定感を育ててしまうことがあります。そのため、自己受容ができていない人は、失敗から立ち直るのが下手だったり、他人から痛いところを突かれると過剰に反応してしまったりすることもあります。さらに、他者との付き合いも「わたしにとって安心できる人」と、条件付きのものになってしまう可能性もあります。

 就職活動において、自分を正しく理解して相手にそれを伝えることは大切です。自分をアピールするポイントを正しく理解するためにも、自己理解を深めておくことは大事です。しかしそればかりではなく、ありのままの自分を理解しそれを受け入れていることは、次のような効果が考えられます。一つは、たとえ一、二度上手くいかないことがあっても、一喜一憂することなく、次の挑戦に向けて前に進むことができるようになることです。思い通りにいかないことは、人生にはつきものです。そんな時でも冷静に現実を受け止め、相手を悪く言ったり自暴自棄に陥らず、次を見据えて前に進めることは、とても大事なことだと思います。二つ目には、安定した人格により相手に信頼感をもたらす効果が期待できると思います。
 

 ありのままの自分を理解してそれを受容するということは、自分の人生を自分の責任で生きるという、自立した大人の生き方につながることなのではないでしょうか。

・・・04/07/12・・・