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何故人間だけ排卵日でない日でもセックスをするのか?【ブッカソンレポート22.7.3[前編]】

こんにちは!野口です。

こちらの記事では、
問いが溢れちゃう読書会「ブッカソン」(ブックマラソンの略)
の様子を紹介します!
月1くらいの頻度で開催しています。
会場は僕の住んでいるコミュニティハウス「アオイエ」です。

ブッカソンとは?

「休日こそは知的好奇心を満タンに。」

というコンセプトの議論型読書会です。
・平日は忙しくて本が読めない人
・読んだ本について問いを深めたり、議論する相手がいない人
・積読を解消したい人
・集中して読書したい人
・「読んで終わり」にせずしっかりと知として己に還元したい人
・色んなテーマについて、様々な視点を取り込みながら議論したい人
上記1つでも当てはまったらおすすめです。

机いっぱいに並べられた本から気になったのを選ぶ。。。

1日、朝から晩まで1人平均5~10冊を読み込み込んでみんなにシェアする。シェアする過程で生まれた問いを深掘り、その場の知として還元する。
10人が参加すれば、その場では100冊分の問いが溢れ、知が生まれちゃう。
一見固そうに見えるけど、ゆる〜いです。

シェアタイムの様子

前編では、参加者が要約&シェアしてくれた本の紹介。
後編では、そこからどんな議論を経て、どんな知が生まれたのか
を一部紹介いたします!

ブッカソンの流れ

①3人1チームを組む
②20分特定の1冊を集中して読み込む。
③5分間で要約する
④5分間、グループの人にシェアタイム
ここまでを1セットとする。
⑤こちらを2セット取り組んだ後は、参加者の前でグループ毎に面白かった内容をシェア&議論タイム合計1時間
これを永遠に繰り返す。。。

20分死ぬ気で集中して読みます。。。

ブッカソンのルール

①1冊を全部読みきらなくても良い。どこかの章に絞って要約してもよい。(20分で読み切るとか無理….)
②完璧な要約じゃなくて良い。
③読む本のジャンルは問わない。(ただし、特定のテーマに絞って選書すると、より知が深まるので推奨)
④自分の意見や解釈を持っておくと、その後議論しやすくなる。
⑤他の人の要約シェアに対しては思ったことや、関連性のある話題、疑問があったらどんどん突っ込んで問いを広げる

やってることはハードだし、かなり疲れますが、、笑
かなりゆるい雰囲気でやってます!

それでは今回どんな本を要約してくれたのか、その一部を紹介していきます!

みんなが読んだ本の紹介

1冊目:人間の性は何故奇妙に進化するのか(ジャレドダイアモンド著)

京大から東大の大学院に進学し、生物物理の研究をしているゆきちゃんの選書です。

面白いなと思ったところは、
本書でも取り上げられている
「なぜ人間は、生殖可能な時期以外でもセックスがしたくなるのか」
という問い。
遺伝子を残すという目的でセックスというものがあるなら、生殖可能な排卵日だけセックスしたほうが合理的だし、
実際にういった生物の方が大多数なのに、
なんで人間は排卵日以外にもセックスしたがるんだろう、って純粋に疑問に思った。

この本では二つ説が取り上げられてたからそれを紹介するね。
一つ目は、マイホームパパ説。(名前ださっ笑)
人間のメスの排卵日ってオスから見たらよくわからないんだよね。
猿とかだったら排卵日になるとお尻を赤くするからわかりやすいけど、人間はその印がない。
だからオスは、排卵日だろうが、そうではなかろうが、セックスした方が、生殖できる可能性が高まる。
そうするとオスはメスに愛情を注ぎやすいよね。
つまり、メスは排卵日をあえてシークレットにすることで、
オスから愛情をたくさんもらって、子育てに生かしたいと思っている。

これがマイホームパパ説。
二つ目の説は….(続く

こんな感じでわかりやすく解説してくれました。
他の生物と比べることで見えてくる人間独特の性についていろいろな問いが出てきて面白かったですね。
続いて2冊目です!

2冊目:世界は贈与でできている。(近内悠太著)

続いては大学で観光について学び、そのまま観光系スタートアップで働いているよしくんによる選書です。

贈与はお金じゃ買えない。
贈与は市場における金銭的な交換と認識されがちだけど、まったく別物。

例えば、今僕がゆきちゃんに指輪を渡すとするじゃん?
それをゆきちゃんが無くしてしまって、同じ指輪を買ったとする。

そうだとしても、きっとゆきちゃんには負い目とか後悔とか感情が生まれると思うんだよね。
だから贈与はお金に買えられない、みたいなことだと思う。

親が子に捧ぐ無償の愛とかも贈与。
子は、親からもらったことに対する被贈与性を感じてて、何かを返したくなる。でも返す対象は自分の子や後世だったりする。
「先輩が後輩に奢る」の構造も、この贈与の構造だね。
だから贈与はどんどん後世に引き継がれる。

この構造で面白いのは、最初に贈与した人が一番損するっていうところに有ると思うんだよね。

贈与は返礼があるからこそ成り立つ。
返礼がなければただの自己犠牲。


では返礼を期待した贈与は成立するのかというと…..(続く

と言った感じで、日常にも馴染み深い行動を、「贈与」という構造に絡めて説明してくれました。
資本主義の変革にまつわる議論が増えてきた昨今ですが、贈与という視点を持って思索してみるのも面白そうですね。

続いて3冊目!

3冊目:都市と野生の思考(鷲田 清一 / 山極 寿一 著)

和歌山で映像制作や、HP制作など、クリエイティブ支援会社を立ち上げた起業家のしほちゃんによる選書です。

この本は一つのテーマを深掘りしているというよりは、
広いテーマでエッセンスをさらっている感じだった。
特に「食」に書かれた賞が面白かったので、紹介しようかなと。

「欲望は物語によって作られる」という主張があるんだけど、
それを説明するのに面白いのが、
霊長類は映像を見ても欲情しないけど、人間は映画なり、AVなり、映像をみて欲望を持つって話があるらしいんだよね。

そこから性の話に移るんだけど。
人間が面白いのは、
「食を公開して、性を秘匿する」
けど、霊長類は逆ですよねって。
食を共有するってことは基本的にない。分かち合うこともない。自分がとったものは自分で食べる。
でも性は、私のパートナーはこの人ですって他の同性にアピールしないといけないから、普通は性はオープンにする。

では、なぜ人は食を公開するのは何故か。
そのヒントがホスティリティー(敵対)とホスピタリティー(歓迎)の語源に隠されていて、
どちらも「ホステス」というホストとゲストという意味がある単語を語源にしているんだよね。この意味するところは、
「敵に共有することで、和平を保っている」ということ。

お互いに敵対し合っている昔の部族では、お互いの娘を交換し合うことで、和平を保ってたりしたんだよね。
そこから食の交換→公開が生まれたんじゃないかって言われているらしい

次に面白かったのが教養の話で、
「リベラル」の第一義は実は「気前の良いこと」という意味らしく…(続く

確かに、「飲みにいこ〜」とか「鍋しよ〜」とか仲良くなるために食という手段を使うのは我々も日常的にやっていますよね。
栄養補給以外にも、食には大切な役割がありそうです。面白い。

まだまだ、参加してくれた人が紹介してくれた面白い本はたくさんあるのですが、また機会があれば書いていきたいと思います。
他にどんな本を読んでシェアしてくれたのか、一部紹介します。

ただブッカソンは本を読んで紹介して終わりではなく、
紹介された側に新しい問いが生まれて、議論に発展しちゃうのが特徴です。

今回はどんな問いが生まれ、どんな議論があったのでしょうか。
続きは後編でまとめたいと思いますので、お楽しみに!

これは1月開催時の写真。毎回3~8人くらいの少人数でやってます。


後編はこちら

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