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眞葛窯跡地

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今日のひとり言

突然ですが、

『やくならマグカップも』というアニメをご存知ですか?

岐阜県多治見市の美濃焼を舞台とした青春コメディ作品です。

放送の後半部分は、「やくもの放課後」というコーナーで、出演声優さん4人でアニメゆかりの多治見市周辺をブラブラと街歩きしながら、陶やアニメにまつわる色々なお話をしてくれます。

第二シーズンまで出ているんですねえ。人気作です。


あぁ、私の眞葛焼青春小説がアニメ化とかしたら……
うっとり妄想に浸ります。

宮川香山ゆかりの場所を、声優さんが紹介してくださって、作品の世界観のフカボリをするために、眞葛焼を検索する人がいたりして。

なんて素敵なんでしょう💗

私は絵心がないのですが、もし私の眞葛焼小説がアニメ化するならと、主人公二人のイラストを描きましたので恥ずかしながら掲載させていただきます。

「アスクー横浜のまくず焼ー」の主人公二人

これだけ描くのに、めっちゃ時間かかりました……😇
小説の内容は、この恵と由利絵の成長譚になります。
そこに眞葛焼の魅力をぐぐっと詰めました!!


眞葛窯跡地

以前投稿した『横浜のみほとけを語る』の回で、

「宮川香山の工房跡地も消え、今は民家が建ち痕跡は僅かです」

と書きましたが、今日はその部分についての説明をしたいと思います。


ものの本によると、こう書かれています。

約1000坪を誇った眞葛窯の跡地も、今や閑静な住宅街へと変貌している。
眞葛窯の正門付近に位置する住宅には、正門へと至る階段がわずかに残されていたが、建て替えに伴いその姿は失われた。しかしその際、所有者のご厚意で発掘調査を行うことが出来、数百にも及ぶ貴重な陶片を採取することができた。(中略)発掘で発見した数々の陶片は、銘の筆跡や印影、釉薬の色や厚さ、土の種類、素地の厚さなど、眞葛焼を研究する上で大変貴重な資料となる。また真贋を判定する上でも大いに役に立つ。

眞葛ミュージアム館長 山本博士

「大きな登り窯と、登り窯の間に、それこそ河原の砂利のように陶磁器の破片が一面散らばり重なった上を人が平気で歩いていた」

画家 有島生馬(1882-1974)

香山は焼き上がりが気に入らなければ、その場で作品を地面に落とし壊していたという。

ガチャーンガチャーーンと、やっぱりやっちゃってたんですね、香山も。

以前、眞葛ミュージアムに行った時に展示されていた陶片は、氷窟関連の作品の一部だと思います。
作品集や展示物をよくよく観察してから陶片を眺めると、

「あっ、これアレだ」

とピンとくるものもあるでしょう。それもコアなファンの楽しみです。


因みに、遺棄された陶片が連なる場所を、物原(ものはら)と呼びます。

古くからの窯業の地では、この物原が地層になっていたりして、貝塚のように歴史的価値をもつ貴重な場所です。

一面の陶片。さぞ幻想的で、物寂しくて、
感慨に居た堪れない景色でしょうね。

ぜひ一度見てみたいです。
きっとずっと、拾い上げてます。


参考資料:

「ふるさとの文化財」編 神奈川県教育庁文化財保護課 発行 神奈川県教育委会 1982年
「みなと横浜が育てた眞葛焼」発行 横浜市教育委員会(文化財課) 1989年
「横浜美術館叢書7 宮川香山と横浜真葛焼」著 二階堂充 発行 株式会社有隣堂2001年
「大日本明治の美~横浜焼、東京焼~」著 田邊哲人 2010年
「横濱 2010年春号 vol.28」発行 神奈川新聞社
「宮川香山 眞葛ミュージアム ガイドブック 幻のやきもの 眞葛焼」編著 山本博士 2014年
「初代宮川香山 眞葛焼」編著 山本博士 発行 宮川香山眞葛ミュージアム 2018年
「神業ニッポン 明治のやきもの 幻の横浜焼・東京焼」監修:荒川正明 2019年

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