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7/31の暴騰を受けて半導体銘柄は復活したのか?

 ここのところ、売り込まれていた半導体銘柄に上向きの傾向が見られています。AMDの決算、中国への輸出規制緩和のニュースによるASMLの株価上昇、そして米国現地7/31の昨夜、NVIDIA(12.81%の上昇)を筆頭に半導体銘柄が大きく市場を牽引した他、モルガン・スタンレーが「良いエントリー・ポイント」としたことなどで、大きくセンチメントが改善したように見えています。この流れが一過性のものなのか、今後も継続するものなのか。Yahoo Financeの番組から今後の課題や推奨銘柄について共有します。


Yahoo Financeより
(Original Published date : 2024/07/31)

[出演]
 アンジェロ・ゼノ(Angelo Zeno:CFRA Research - Senior Equity Analyst
 シーナ・スミス(Seana Smith):Yahoo finance
 マディソン・ミルズ(Mady Mills):Yahoo finance


【インタビュー】

[シーナ・スミス](Yahoo finance)
 
今日は、株式市場全体が半導体銘柄の上昇によりプラスに転じました。昨日、第2四半期決算を発表したAMDは、売上と利益の両方で好調な結果を報告し上昇を牽引。今日は、NVIDIAの株価は約11%上昇(訳注:12.58%上昇でクローズ)し、市場の注目を集めています。
 今日は、CFRAリサーチのシニアエクイティアナリスト、アンジェロ・ゼノさんにお話しを伺います。NVIDIAについてのご意見をお聞かせください。特に、これまで低迷していた半導体銘柄への株価の戻しについて、どのように見られているか、また半導体銘柄のこの勢いが今後も続くかどうかについて教えてください。

[アンジェロ・ゼノ](CFRA Research)
 
お招きいただきありがとうございます。半導体市場の現状についてですが、ここ数週間で半導体とAIインフラスからのリスク回避の動きが見られ、広範なローテーションが進行しています。これは非常に興味深い現象です。昨晩のAMDの発表に加え、マイクロソフトがデータセンターの設備投資について言及したことも重要です。
 AMDはデータセンター向けGPUの数字を若干上方修正し、今後2025年にかけて、半導体市場の勢いが持続しないのではないか、あるいは収益成長が今後1年間で減速するのではないかという懸念が緩和されつつあると見ています。
 マイクロソフトのデータセンター設備投資の数字がその一例です。最終的には、AIインフラに重点を置いたNVIDIA、AMD、Broadcom、Marvellそしてメモリ関連ではMicronなど、主要な半導体企業にとって非常に良い兆候だと思います。

[シーナ・スミス](Yahoo finance)
 NVIDIAはいつも決算発表タイミングが遅いですよね(訳注:8/28に予定)。あなたの視点から見て、NVIDIAの決算発表を待つまでの間に、AMDの決算が過去の出来事のように感じられてしまって次のカタリストを探るような状況になると、半導体セクター全体がローテーションの影響を受けやすくなってしまうのではないでしょうか?

[アンジェロ・ゼノ](CFRA Research)
 
そうですね。現時点での決算シーズンを見てみると、半導体業界に関していくつの傾向が見られます。まだ非常に初期段階ですが、人々が注目し始めている企業として、テキサス・インスツルメンツやアナログ・デバイセズ、オン・セミコンダクター、NXPなどのアナログ系の企業があります。しかし、これらの企業は、良い業績が出す一方で、当初回復が予想されていた第2四半期が強くないかもしれないことを示唆しています。よって、AIインフラ関連半導体銘柄への関心が再び高まるかどうかが注目されています。
 また、今日の株価上昇が続くかどうかについてですが、メタのような大手企業が発表する設備投資計画次第だと思います。もし投資が増えるのであれば、このテーマがさらに強化されるでしょうし、我々は、NVIDIAが素晴らしい業績を発表すると予想しており、これは業界全体の起爆剤になると思います。但し、その結果が出るまでには数週間待つ必要があります。

[シーナ・スミス](Yahoo finance)
 
アメリカの半導体輸出規制が緩和されたという報告もありますね。この最悪のシナリオがどの程度株価に織り込まれていると思いますか?また、それが今日の一部の上昇にどの程度影響しているとお考えですか?

[アンジェロ・ゼノ](CFRA Research)
 
地政学的な懸念と選挙の不確実性が重なって、今後3〜4か月の間、半導体関連株は低迷するだろうと見ていました。しかし、ここ数週間で大幅な調整があり、現在の株価であれば購入のタイミングかもしれません。多くの悪材料はすでに織り込み済みと考えています。それでも地政学的な不確実性は依然として存在し、今後数か月は半導体関連株の動きが不安定になると予想しています。ただ、今日の輸出規制緩和のニュースはASMLにとって間違いなく大きなプラス材料であり、市場規模で最も大きい半導体企業として注目に値します。

[アンジェロ・ゼノ](CFRAリサーチ)
 
地政学的な観点からいくつかの懸念材料に目を向けると、地政学的な懸念と選挙の不透明感が相まって、今後3~4ヶ月の間、これらの半導体の銘柄のパフォーマンスが低下するというのが私たちの見方でした。しかし、ここ数週間で、これらの銘柄を現時点で買うことができるかもしれないほど、大幅な調整が見られました。地政学的な面でまだ不確実性が残っていることを考えると、今後数カ月は、これらの半導体の銘柄の中でさらに不安定な動きが続くと予想しています。しかし、それでも、今日聞いたいくつかのニュースは、ASMLにとって間違いなく大きなプラス材料です。

[マディソン・ミルズ](Yahoo finance)
 
投資家の皆さんの中には、NVIDIAの株価が下がっているにもかかわらず、まだ高すぎると感じている方もいるかもしれません。NVIDIAのような大手企業に投資する資金がない場合、半導体セクターに投資したいと思っている人たちにどのような銘柄を勧めますか?あまり注目されていないピック&ショベル型の企業で、注目すべきものはありますか?

[アンジェロ・ゼノ](CFRA Research)
 
NVIDIAについては、最近の25%以上の株価下落を考慮すると、評価の面で魅力的だと感じています。しかし、Marvellも注目しています。私たちは強気の推奨をしており、AIテーマに関連して、Broadcomのジュニア版のような存在ですが、非AIセグメントの景気循環的な低迷で影響を受けていました。しかし、その影響も収まりつつあり、AIの勢いが続けば、Marvellも良いパフォーマンスを見せると考えています。また、Micronも注目すべき銘柄です。今は相当に叩かれていますが、2025年に向けてメモリ市場は非常にタイトな状態が続くと見ています。現時点の評価は非常に魅力的です。

[マディソン・ミルズ](Yahoo finance)
 
本日は、NVIDIAが主導した大規模なテックラリーについてお話しいただき、ありがとうございました。


以上です。


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だうじょん


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