四国へ旅に出た
旅に出た。
とくに何か用事があるわけでもなく、目的もあるわけでもないのですが……
あえて理由をつけようとするのであれば、何か脅迫観念のようなものに追い立てられるように。ひとりでもいいのかと思ったのだけど、現地で友人と一緒に待ち合わせて。
場所は四国は、松山。『僕』は四国に行ったことがなかったので心躍って、惹かれて
どうせならと、朝一番の飛行機に乗ろうと思い、始発の電車に飛び乗った
平日の始発だから電車の中は空いているであろうと、頭の中でイメージをしていたそれとはまったく異なっていてまばらに人は座っていた。
これからどこかへ出かけるのか大きいスーツケースを持っている人、電車の椅子に座ってはすぐに寝てしまう人、はたまた寝っ転がる人がいるくらいでその様子を横目に笑っている海外の人は何を言っているのか聞き取れなかったがだいたいは予想ができた
風が強い日。そう、街の中ではどこかにおいてあったであろうゴミ箱の蓋やペットボトルなどが飛ぶ。そんな様子だったので目的の空港までのモノレールが風で運休になっていないかをスマホで調べた。通常運転。
よかった、検索した通りに電車に乗り込み予定通りの時間に空港に着いた。
あたりは国際線もあるのに薄暗く、お店も空いていない。
これは誤算だった。
成田空港ではどんな時間でもお店は空いていて、コンビニで売っているものは置いてあるのに、ここは羽田空港。
お店はどこも空いてなかった。
仕方ないので保安場を通り、搭乗ゲートへ向かう。
ホワイトボードにはゲートの変更の内容が書いてあり、バスでの移動が必要であることと説明されていた。バスに乗り込もうとするとまだ時間があるため、またゲートの変更があるから待っていたほうがいいと言われると、素直に忠告を聞き入れて近くのテーブル席へと向かった。
物書きであるため書くべき原稿を終わらせる。
時間にして30分くらいで
黒と藍色の群青のコントラストの空は山吹色が混ざっていき、辺りを明るく照らしていった。ゲートへの移動のためバスに乗り込み、ついてお店へと目を向けるがやはり開いてないため仕方がなくお茶を口にして本のページをめくっていた。
飛行機への搭乗がはじまると同時にお店が開店した。
駆け込みビールとカツサンドを手にして搭乗時間ギリギリまで口に缶をあてていた。
朝から呑むとはと言われるかもしれないけど、休み、旅の日くらいはいいのではないかと思う、無礼講で。
飛行機は滞りなく目的地へと『僕』を運んでくれた。
無事に松山に到着するとお出迎えしてくれたのは、オレンジ色一色
さすがはみかんの聖地
しかし、次第にそのオレンジ色にも慣れてきて空港を見て回る
しばらくして、友人と落ち会う
『僕』は車の運転が苦手ではないのだけど勧んでしようとは思わない
お酒を飲む人間からしたら、そういう習慣はないのです
友人はロードスターに乗っていて、車好き
お酒を嗜むことはなく、隣でお酒を飲んでいても何も問題はない(思っているのは当の本人だけだろうというツッコミがあるかもしれないけど確認済みなので安心していただきたいです)
このはじめからこの旅一番の思い出のハイライトなのだけど
しまなみ海道からの瀬戸内海の景色
これをロードスターのオープンカーで颯爽と走り抜ける気持ちよさは今まで経験したことがない素晴らしいものでしたね
これは本当に友人に感謝です。(瀬戸内レモンチューハイの缶を片手に)
車とはただの移動手段のひとつである
これが『僕』の考え、いや価値観という言葉を当てはめたほうがよいのでしょう
しかし、彼、『僕』の友人のおかげでその価値観は一変しました。
車に乗っていて楽しい、気持ちがいいという感覚。
これを知ることができたのは彼のおかげであり、感謝です。
綺麗な景色があります。
しかし、これを誰と見るのか、どのように観るのかでまた異なった感動を与えてくれる。
経験とは自分でしか得られないものであり、須らく経験というものを得ることの大切さを知るべきであるのです。これを理解というもので終わらせるのには寂しいものです。
しまなみ海道を走り抜け島々の海沿いを走る
気がつけば目の前は尾道、広島。
ここまできたらと、尾道ラーメンに舌鼓を打ち、同じ道をかけぬける
そして、夕陽のサンセットを写真に収めるべくベストプレイスで、その水平線を見つめた。
太陽は美しく、そう思えるのは夕陽の色づき見えるときだけ
ふだん見えないけど、そこにある、太陽。
別に何でもないけど見ていても飽きない
夕陽と本と音楽とカメラとトランプと万年筆とノート……
これがあればいいのではないかと思う、人生
夜ご飯は生鯖のお刺身、鯛わた、天ぷら、お寿司……
もう日本酒が進む,進む
海を見て、鯛めしを食べて、道後温泉でゆっくりする
温泉の泉質がいいのか、やはり温泉はいいもので
そして、帰路へ
友人のおかげでいい旅ができた
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