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I have a book hangover: "The Long Goodbye"

ハードボイルド小説とは全く縁のない人生。

そんな私が「長いお別れ」を読もうと思ったのは、
ただ単純に名取佐和子さんの「金曜日の本屋さん」シリーズに
出てくる本を制覇したかった。
それだけ。

全部は制覇出来てないのだけどさ、
(なんせ本の話が本当にいっぱいいっぱい出てくる)
このシリーズのお陰で、
本との出会いはぐーんと広がった。
感謝感激雨あられ。

このシリーズは1冊に4話入っていて、
全てが実在する本のお話。
キャラが濃ゆい登場人物たちばかりだけど、
不思議と自分の近くにもいるような、
自分を重ね合わせてしまうような、
気持ちにさせてくれる。
本好き、読書好きな人は絶対好きだと思うけど、
あんまり本読むの得意じゃないなー、
最近読んでないなー、
って人にこそ!おすすめしたい。

本題に入る前に、
金曜日の本屋さん」1作目の第3話
僕のモモ、君のモモ」から
今朝読み返していた私の心に刺さりまくってしまった文章を。

人が人とつながる瞬間は、大抵こんなふうに滑稽で、時に傍《はた》迷惑で、少しばかりみっともない。僕は今までずっと「そういうの、間に合ってますんで」とばかりに『いいね』のボタン一つで、無難に、傷つかずにやって来た。だって僕は知らなかったのだ。
滑稽で傍迷惑でみっともないことの先にだけ、つながっている世界があるなんて。その世界を知ることで、人はずっと生きやすくなるなんて。

「金曜日の本屋さん」名取佐和子

多分これは私のために書かれた文章だと思う。うん。

あー。あんな本屋さんで働きたい。



そしてそして。
今日の本題。

長いお別れ」を読んだのは確か、高校1年生の最後。
高校に入学したころに読み始めたんだけど、
海外文学に読み慣れてなくて、
独特のテンポについていけず…
途中で断念。
その後、多分冬休みとかに、
暇だから、なんか読みたいよう。
って思って再挑戦。
そしたらお布団に寝ころびながら、
一気に読んでしまいました。

中盤まで頑張れば、
面白くなる部類の本なのかも。

作品の主人公は私立探偵フィリップ・マーロウ。
彼が酔っ払いのテリー・レノックスと出会うところからお話が始まります。
二人の間に芽生える友情は、やがて予想外の展開へ…

マーロウの自分の信念を貫き通すところ、
厳しいとも優しいともとれる一歩先を見据えた行動をするところ。
彼に憧れる人がたくさんいるのが頷ける。
NCISのGibbsみたいだ。

という私は、マーロウが好みかと聞かれると
そうでもないんですけどね。
ちょっと古臭くて、回りくどい言い方が多いし。
彼のダンディな魅力より、チャンドラーの文章の巧みさと
なによりあのラストシーンに
心を持っていかれました。
読み終わった後、ゆっくり余韻が体全体に広がっていく感じ。

私がもう少し年を取った後に、
読んでみたらまた印象が違うんだろうな。
今は気づけなかったことに気づけるようになったり。

昔の映画を見ているような、
自分が今いる世界と違う場所を覗いてみたい気分の時に
読んでみるといい本だと思う。


村上春樹バージョンの「ロング・グッドバイ」は
まだ読んでないので、読まなくちゃ。
あと映画も見なくちゃ。


今週も良き1週間になりますように。

次回は本とはちょっと離れたことでも書こうかな。

Have a lovely day :)
Laica





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