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『問い続ける力』(石川善樹)を読んで

『問い続ける力』を読みました。

立川談志は努力に関してこう斬りました。「努力とは馬鹿に恵えた夢である」。

〜とは◯◯である、こういったその人ならではの言い切りを、ぼくはオリジナル定義と呼んでいます。

自分なりのオリジナル定義が増えていくといいなあ、漠然と思ってました。

本書は「では派」と「とは派」の話から始まります。著者の石川善樹さんは自ら「では派」となっていることを懸念し、「とは派」でいくことを覚悟した。

「では派」は外部の知識をインプットして披露すればいい。その一方「とは派」は自分の内側から出していかねばなりません。考え続けることは苦しいけれど、そこに道はあるはずだ!

さて、「とは」についてもう少し。「とは」って問いかけなんですね。努力とは何かという問いから「馬鹿に与えた夢である」に落とし込む。

まずは問いであります。問いが良いと、その先の解も良くなるなんて聞いたことあるような。

著者によると、わかりやすいのが科学です。アインシュタインが「自由落下する人は重力を感じないのではないか?」という問い(むずい)を立ててくれたことで一般相対性理論が誕生したと。

問いに対する解がときには世の中に対して大きなインパクトを与えます。

それは科学だけではなくビジネスの世界でも指摘されています。ピーター・ティールは、採用面接の際にこう尋ねるそうです。

賛成する人がほとんどいない、大切な真実は何だろう?」。

その著書『ゼロ・トゥ・ワン』にもそう書いてあります。

自分で考えて自分で言葉にすることの大切さはわかっていながらも、オリジナル定義を目的とすると、ただの格言・ポエムのようになってしまうのがどうしたものか。

そう思っていたところでした。

ここで著者は「考える」とは何かを自ら考えたプロセスを教えてくれました。

あまりにも問いが抽象的で難しすぎるため、まずはこの問いを取り組みやすい形に小さく、プロセスで分解することから始めた。

*いかにして考え始めるのか?
*いかにして考えを進めるのか?
*いかにして考えをまとめるのか?

みてみると「how」から始まっています。「why」はない。どうやら科学者という人間は、宗教的な帰着をし得る「why」からの反発で「how」で科学を発展させていったのではないかと。

この分解ももちろんなのですが、さらにここからの著者の気づきがとても重要で、参考になりましたので、クリップします。

ここで一度整理をすると、「why」という問いかけを突き詰めると、「who(神様)」に行き着きやすい。それゆえ科学は「what」から問いはじめ、それを「how」という形式に変えて考えをまとめていく。どうもそのような構造があるらしいと最近思っている。

〜とは。オリジナルで定義をどんどんつくるよりも、とは何か?と問い続けることが大事なんですね。

ここ、スッキリしました。問いかけによってオリジナルなるwhatが生まれると、その先にソリューションとして新しいhowが生まれることもある。

ちなみに二部は対談パートでして、ここもおもしろい!何名かと対談されていますが、個人としては二村ヒトシさんとのパートが関係性があるのか踏み込んでいらっしゃって読み応えありました。

というわけで以上です!

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