ユーザーの頃と変わらず楽しいです|LAC石巻 新コミュマネ角田尭史さんインタビュー
場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約に縛られることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方「LivingAnywhere(リビングエニウェア)」。
そんな暮らしをユーザーと共に実践していくコミュニティLivingAnywhere Commons石巻拠点(以下、LAC石巻)に、2022年4月より新しいコミュニティマネージャー(以下、コミュマネ)が就任しました。
今回取材させていただいたのは、そんな新コミュマネをつとめる角田尭史さん(以下、すみさん)。
すみさんは元々LACのユーザーとして全国18箇所(2022年6月時点)の拠点を巡り、ご自身もリビングエニウェアな暮らしを実践していた方。
いろいろな場所を訪れるなかで出会った石巻に魅了され、2021年11月に石巻へ移住。その後コミュマネとして抜擢されています。
今回は、そんなすみさんのストーリーやLAC石巻拠点の魅力についてお話を伺いました。
はじめは僕も、1人のLACユーザーでした。
ーーすみさん、コミュマネ就任おめでとうございます!すみさんは元々LACのユーザーからコミュマネになったと伺っていますが、そもそもすみさんとLACとの出会いはいつだったんですか?
僕がLACと出会ったのは、都内の出版社で働いていた2019年8月のことです。
友人に「下田に遊びに行こうよ」と誘われ、「とりあえずいってみるか」という軽いノリで伊豆下田に行き、そこでLACを知ったんです。
LAC伊豆下田では、初代コミュマネの梅田さんにとてもよくしていただき、「LACっていいな」と思いました。
その後LACの「3ヶ月滞在キャンペーン」に応募。見事当選し、LAC伊豆下田で3ヶ月間暮らすことになったんです。
ーーはじめのきっかけは下田に遊びに行ったことだったんですね!実際にその後LACで3ヶ月生活をしてみていかがでしたか?
やりたいことが多くて、全然時間が足りませんでしたね。
だから東京で借りていた部屋を手放し、そのままLACを使って下田に移住してしまいました。
ーーすごい決断ですね!東京の家を手放してまで移り住んだLAC伊豆下田の魅力ってなんだったのでしょうか?
当時の下田はまだまだ若い人が少なく感じて、自分のやりたいことが東京にいるよりも挑戦しやすかったんです。
また、東京と比べて人との距離感が近かったのも心地よかったですね。
LAC伊豆下田拠点では、コミュマネさんを通していろいろな人と知り合いになり、「ここでならやりたいことがもっとできる」と思いました。
全国18箇所の拠点でリビングエニウェア!石巻は7回訪れた大好きな場所
ーーでは、そんな下田を中心に活動していたすみさんが、今回LAC石巻拠点のコミュマネになった経緯を教えてください。
結論から言えば、LAC石巻のコミュマネになったのは、2022年の春頃に前任の方に声をかけていただいたからです。
だけど、僕がLAC石巻に出会ったのはそのずっと前、2020年7月でした。
当時、LAC伊豆下田を拠点に過ごしながら、どんどん増えていくLACの他の拠点をみていました。
「僕ももっといろんな場所見ててみたい」、そんな気持ちで全国のLAC巡りをはじめ、下田の次に足を運んだのがたまたま石巻だったんです。
そこから1年半かけて全国18箇所のLACを訪れましたが、石巻は僕が7回も訪問するくらいどハマりした場所。
石巻のカルチャーや出会う人々に魅了され、「しばらく石巻にいたい」と思い、2021年11月に移住しました。
石巻には震災を経験したからこその学びと安心感があった
ーー短い間に7回も訪問し、移住してしまいたくなるような石巻の魅力ってなんだったのでしょう?
石巻って、言葉にできない不思議な魅力がある場所なんですよ。
僕がはじめて出会った石巻の人は、LAC石巻拠点「OGAWA」を運営している株式会社巻組のみなさんでした。
とにかく彼らのやってることがぶっ飛んでいて面白かった。ボロボロの空き家から新しい価値を生み出していく姿を知って、「なんて面白いんだ!」と感銘を受けましたね。
他にも、石巻に暮らす人々って、震災を経験したからこその価値観や考え方があり、共に暮らしていてとても安心感があったんです。
ここでの暮らしは学びが多い。だからこそ僕は、ここに住もうと決めました。
ーー石巻のみなさんの姿がすみさんに刺さった背景には、なにかご自身の原体験があるのでしょうか?
大学生の頃、部活の合宿で茨城の海沿い地域に滞在していた時に東日本大震災を経験しました。
津波警報も鳴っていて、「逃げよう」と言った僕を含めた数人に対して「大丈夫だろ」と言うメンバーも多く、その時「命をもっと大事にしろよ!これから先、人に命を預けることは絶対にしない」と憤りを覚えたんです。
石巻には今も震災当時の建物が残り、あの日の記憶を教訓にして、自然と共に生きていこうとする人々の姿があります。
災害が起きた時、自分の命は自分で守るしかない。
でもだからこそ、そんな万が一に備えて、日頃から他者とのコミュニケーションを欠かさない。
震災を経験したからこその暮らしや他者との向き合い方は、僕にとって不思議な安心感があったんですよね。
コミュマネになっても気持ちはユーザーの時と変わらず楽しいまま
ーー実際にコミュマネになってからはどんなお仕事をしているんですか?
予約管理・宿の清掃・SNSでの広報など、LAC石巻に関わることをほぼすべて担当しています。
あとは来てくれた方のアテンドですね。
これは仕事というよりも趣味でやっているんですが、はじめて石巻に来た人が少しでも街と触れ合えるように、いろいろな場所を提案して一緒にまわっています。
ーー私が滞在する際にも、たくさんの情報をくれましたよね!来てくれるユーザーさん全員に提案や案内をするのは、正直大変ではありませんか?
たしかにやることは増えました。
でもね、僕すごく楽しいんです。
コミュマネになっても気持ちはユーザーの時のまま、僕自身もLACや石巻を楽しんでいます。
ーー実際にLAC石巻を訪れたユーザーさんとの出来事で、印象に残るエピソードはありますか?
4月頃、20代の男性が1ヶ月ほどLAC石巻に滞在してくれました。
長期滞在だったので色々話せたし、一緒に石巻を見ることもできた。
その結果、彼自身も石巻に興味を持ち、「また石巻に会いに行きます」と言ってくれたのがとても嬉しかったですね。
滞在してくれた人の一歩踏み出す背中を押したい
ーーすみさんはこれまで、会社員・個人事業主・経営者といろいろな働き方を経験していますよね。今はコミュマネ以外にはどんなお仕事をされているんですか?
コミュマネ以外は、株式会社midnight sunの代表として主に企画屋として活動しています。
イベントやクラファンなどの企画・運営・集客、その後のレポートも書いたりしますよ。
僕は大学卒業後すぐに重工業のメーカーに就職しているのですが、その後出版社に転職したり、フリーランスとしても活動していました。
いろんな経験を通じて、WEBまわりのことは一通りできるようになりましたね。
ーーまさに多様な働き方ですね。暮らし方もいろいろ経験されていますよね。
はい、大学から1人暮らしを始め、札幌・東京などに住みました。
2019年からはLACを使って、伊豆下田・三豊・会津磐梯・ひたちなかなどいろいろな場所で暮らしましたよ。
ーーすみさんの働き方や暮らし方はLACのユーザーさんにとって参考になることが多そうです。そんなすみさんだからこそ、コミュマネとして大切にしていることってあるのでしょうか?
その人のニーズをちゃんと汲み取って、それを満たせるような機会をつくることを大切にしています。
LAC石巻拠点自体は生活の場なので、あまりズカズカ入らないようにしていて、その代わり、「あの場所からどうやって一歩外に出てもらうか?」はすごく考えています。
僕もユーザーとして石巻へ来た際、はじめの一歩を初代のコミュマネさんにサポートしてもらいました。
当時の僕が背中を押されたように、僕も誰かの背中をポンっと押せたら嬉しいです。
おすすめの滞在プランは1週間
ーーLAC石巻拠点に興味をもっているユーザーさんに、おすすめの滞在プランを教えてください。
宿泊日数は1週間がおすすめです。
1週間できていただけるなら、4〜5日はお仕事をして、残り2〜3日でなにか石巻の体験をしていただくといいんじゃないかな。
例えば僕のおすすめは、はまぐり堂(※1)さん。
これは蛤浜(はまぐりはま)という限界集落にあるカフェなんですけど、目の前が海というロケーションを1日貸切できるんです。
カニを捕まえて食べたり、浜の貝殻でアクセサリーを作ったり、「自然とどう向き合うか?」を一番学べる場所ですね。
他にも、農業を学べるイシノマキ・ファーム(※2)さん、エシカルコスメづくりワークショップ(※3)、農業をしている方とも知り合いなので田植え、稲刈り体験(※4)などを一緒に体験してもらうのも楽しいなと思っています。
これは半分冗談なのですが、1泊の滞在もありかなと思っています。短時間で石巻の魅力を詰め詰めでお届けするので、「石巻やべぇな」というインパクトのまま帰ってほしいですね。(笑)
ーーどのプランもとても楽しそうですね!では最後に、これから石巻に訪れるLACユーザーさんに一言お願いします。
僕自身もリビングエニウェアをたくさんしてきましたが、新しい場所にいってみることってすごいことだと思うんです。
だからLACのユーザーさんには、まずそんな自分自身の行動を認めてあげてほしい。
そのうえでたくさんの人に会い、たくさんの場所に行き、自分をアップデートしてくれたら嬉しいです。
その中の一つの選択肢として石巻にもぜひ来てほしいし、もし石巻に来てくれたらあなたに何かしらのプラスを生み出すきっかけを作れると思います。
ぜひ期待して石巻にきてください!
▶︎LivingAnywhere Commons石巻詳細:
▶︎LAC石巻「OGAWA-オガワ-」を運営する株式会社巻組:
▶︎角田尭史(すみだ たかし)さん:
《取材ライター:蓑口あずさ》
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