形に囚われず、自由な暮らしから自由な発想を|LAC京都三条 コミュニティマネージャー・ セブンさんインタビュー
場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約に縛られることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方「LivingAnywhere(リビングエニウェア)」。
そんな暮らしをユーザーと共に実践していくコミュニティLivingAnywhere Commonsに、2022年6月30日、新しい拠点がオープンしました。
それが今回取材をさせていただいたLivingAnywhere Commons京都三条(以下、LAC京都三条)。
LAC京都三条は、京都の中心部「京都河原町駅」から徒歩5分の場所に位置した「ザ・ミレニアルズ京都」が施設となっており、今回はそんなLAC京都三条でコミュマネをつとめるセブンさんにお話を伺いしました。
ザ・ミレニアルズ京都がLACの拠点になったワケ
ーーセブンさん、LAC京都三条のオープンおめでとうございます。いちユーザーとして、京都に拠点ができるのはとても嬉しい出来事だったんですが、今回ザ・ミレニアルズ京都はどんな経緯でLAC拠点としてオープンしたのでしょうか?
LAC京都三条がオープンした経緯として、まずはザ・ミレニアルズ京都の運営会社であるグローバルエージェンツからLACのことを知ったということがあります。
僕たちはそこではじめてLACを知り、サイトなどでLACのコンセプトを調べてみたんです。すると、LACの考えはとても興味深く、僕らがザ・ミレニアルズ京都でやってきたこととぴったりだと感じました。
弊社は開業当時から海外のお客様が多く、日本に中長期滞在しながら仕事をするための拠点として使われていました。
だからこそ館内には、コワーキングスペースやコミュニティスペースなど、どこでも仕事ができ、かつ交流が生まれるような環境を整えていたんです。
ーーこれまでザ・ミレニアルズ京都でやってきたことがLACのコンセプトと合致し、今回LAC京都三条としてオープンしてくださったということですね。
そうですね。あとは、コロナウイルスの影響で稼働率も下がっていたので、LACを導入することでもっといろいろな方にきてほしいという気持ちもありました。
「ただ仕事だけをして帰ってしまうのは寂しい」と常々思っていたので、今回LACを導入したことで、交流やイベントがどんどん生まれていったら嬉しいなと思っています。
ーーLAC京都三条は、内装がとても綺麗で施設も充実しており、常に人の出入りがあるように思います。施設のなかにはどんな設備があるのですか?
LAC京都三条は8階が共有スペース、5〜7階が居住スペースとなっています。
8階には、コワーキングスペース・コミュニティスペース・ミーティングルーム・キッチンなどがあり、仕事や食事の際には基本的にここで過ごします。24時間無料のセルフコーヒーサービスや、毎晩17:30〜18:30までやっているフリービールも自由に使うことが可能です。
6階と7階にはスマートポッドという半個室のベットルームがあり、同じフロアにあるシャワー室や洗濯乾燥機、洗面所などを利用しながら、各自がプライベートな時間を過ごしていただけます。
8階のコワーキングはアンドワークスというサービスを利用すれば、月額利用やドロップインのコワーキングスペースとしても利用が可能で、日中は仕事をしている人が多いです。
また館内装飾としてアート展示も行っていて、京都の芸術大学や外国のアーティストさんの作品を展示し販売する機会もこれからどんどん増やしていこうと思っています。
ーー実際に滞在してみて、暮らしも仕事もどちらも快適にできる場所だと感じました。このLAC京都三条がある「京都三条」という場所は、京都のなかではどんな場所なのでしょうか?
他県から来られる方は、京都駅周辺が中心部と思われている方も多いようなんですが、実は京都の人間からすると京都の中心部って「河原町」なんです。
LAC京都三条はそんな京都河原町駅から徒歩5分の場所にあり、バス・地下鉄・阪急・京阪など京都のすべての交通を利用することができます。
仕事や生活をするだけでなく、少し散歩にでるだけで新しい発見のあるこの場所は、京都に滞在するうえでとても便利な場所なんですよ。
ワーキングホリデーで日本へ。そこで出会ったのがザ・ミレニアルズ京都だった。
ーーではここからはセブンさんについて教えてください。セブンさんは元々台湾のご出身でしたね。なぜ日本に来られたのですか?
僕が日本にきたのは、語学留学がきっかけでした。
台湾で大学をでて社会人になったあと、日本語を勉強したいと思い、台湾にある日本語学校に通い始めたんです。その後実際に日本にワーキングホリデーで来たのが28歳のころでした。
ーー元々、日本や留学に興味があったのですか?
いいえ、大学時代は自分が海外に留学するなんて思ってもみませんでした。
ただ台湾って日本のアニメやドラマが日常的に流れていて、ちびまるこちゃんやHEROなど僕も小さい頃から日本の文化には触れていたんです。
そんななか大学卒業時に1度日本にきたことがあって、大阪・神戸・京都を4日間のツアーで周りました。
正直全然時間が足りなくて、僕は「いつか日本語を勉強してまた日本に来たい」と思ったんです。
ーーそれで日本語を勉強し、日本に来られたのですね。そこからLAC京都三条で働き始めるまでには何があったんですか?
日本にワーキングホリデーで来たとき、日本語を勉強することは決めていましたが、それ以外のやりたいことはわかりませんでした。
ひとまず語学学校に入ってから1年間は貯金を切り崩しながら生活をしてバイトはしていなかったんですけど、日本は物価は台湾と比べて高いので金銭面の問題があり、僕は帰国するか?仕事をするか?を決めなくてはならなくなったんです。
色々考えた結果「やっぱりまだ日本にいたい」と思い、僕は日本で仕事を探すことにしたんです。
とはいえ当時はどんな仕事がしたいのかわからなかったので、外国人でも働きやすい場所としてホテル業界の求人をみていました。
そんななかちょうどオープンしたばかりのザ・ミレニアルズ京都が清掃スタッフを募集していて、そこに応募したことが僕とザ・ミレニアルズ京都との出会いになります。
ーーもともとは清掃スタッフとして働き始めたのですね。今はコミュマネさんの他にはどんなお仕事をされているのでしょう?
弊社には肩書きというものがあまりないのですが、仕事内容としてはマネージャー業が多いですね。
今では社歴もメンバーの中で一番長くなり、アルバイトのときから数えると入社5年目になりましたよ。
LAC京都三条でさらに交流の生まれやすい場作りをしていきたい
ーー冒頭でザ・ミレニアルズ京都のしてきたことがLACのコンセプトとぴったりだったというお話がありましたが、LACユーザーさんとお話ししていると現地の人や滞在者さんとの交流を楽しみにしている人も多いように思います。これまでセブンさんがみてきたユーザー同志の交流で印象に残っているものはありますか?
それはいっぱいありますね。
例えば、以前クウェートから日本に旅行にきたお客様と、出張で宿泊していた50歳くらいの男性が、フリービールの時間帯にコミュニティスペースでそれぞれビールを飲んでいたことがありました。
自然な流れで交流が始まったのですが、あとから聞くと男性は英語がまったく話せず、なんとなくのニュアンスで会話をしていたようなんです。結局その2人は、フリービールの時間後にそのまま飲みに行ってしまうほど仲良くなっていました。
他にも、ある日男性のお客さんがチェックアウト時に、「昨日しゃべっていた女性に手紙を渡したい」と連絡先を書いた手紙を託してくれたことがありました。
結局その女性は先にチェックアウトしてしまっていたんですが、男性はもっとその女性と仲良くなりたかったととても残念そうで・・・。
結局その方は手紙を渡すことができなかったんですが、ここで知り合ったことがきっかけで生まれたカップルも実は結構多いんですよ。
ーーそんなエピソードがあったんですね。人の出入りが多く、交流しやすい場が整っているからこその出来事だと感じました。セブンさんはそんなLAC京都三条でこれからどんなことをやっていきたいですか?
一つはユーザーさん同士、交流したくてもどう声をかけていいかわからない人に対して、何か周りの人と話しやすくなるきっかけづくりをしていきたいですね。
例えば土曜のスナックみたいな感じで、定期的に小さいイベントを開いて、滞在者さんやコワーキング利用者さんが自由に交流できる場を設けるとか。
ただ最近は仕事メインで滞在している方が多いので、仕事をする人の環境と交流をする人の環境をどうバランスよく分けていくかは課題です。
ーーそうですよね。スタッフさんにでさえ、どう声をかけたらいいか悩むユーザーは多いように思います。
実はスタッフも同じように感じていて、僕らはスタッフである以上お客様の邪魔をしてはいけないという気持ちがあるんです。
だからこそ気軽に話しかけていただければ、僕らも気軽に返事ができるので、ぜひLACで泊まりにきたら遠慮せず声をかけてほしいですね。
さまざまな場所で色々なものと出逢い、形に囚われない生き方を。
ーーではここからは、数あるLAC拠点のなかでセブンさんの思う京都拠点の魅力を教えてください。
僕は京都って、とても変わった街だと思うんです。
人は多いけど街自体は小さく、景観条例があって高い建物も建てられません。神社の境内にいけば緑豊かな環境が広がっていて、鴨川や桂川といった自然もすぐそばにあります。
自然に溢れているのに人で賑わっていて、いいお店も多いのに住む場所も整っている。こんな街、世界をみてもなかなかない。それを楽しめるのがLAC京都三条の魅力です。
ーーユーザーさんがLAC京都三条に滞在しにきたら、ぜひしてほしいことってありますか?
みなさんが京都にきたら、ぜひ自転車や徒歩で街中を散策してほしいですね。
僕も学生時代はよく目的地を決めずにカメラ片手に街中を歩きました。新しいお店に出会ったり、新しいスポットに出会ったりして、それがとても楽しかったんです。
京都って小さい街のなかにいい場所がいっぱい集まっているので、適当に歩いているだけでいろいろ魅力を見つけられると思います。
歩いて疲れたらカフェに入って休憩して・・・という感じで、孤独のグルメみたいにお店探しを楽しんでもらうといいんじゃないかな。
拠点にはレンタサイクルも用意しているのでぜひ活用してください。
ーーありがとうございました。最後にセブンさんからLAC京都やLACに興味のあるユーザーへメッセージをお願いします。
僕自身、海外から日本にきて仕事をしたり、ここで多くの人と出会って人生経験を聞くなかで得た結論があります。
それは「形に囚われないようにすべき」ということ。
ザ・ミレニアルズ京都の施設も「Sleep inside the box.Think outside the box.(箱の中で眠り、箱の外で考える)」というコンセプトがあるんですが、人生においてもそれが大事だと思います。
既に決まっている形じゃなく、その枠の外側で考える。
自由に住む場所や仕事を変えたりしながら、既存の枠の外側で考えれば、もっと自由な発想や生き方ができるんじゃないかなと思うので、LACを使ってぜひ京都にも一度足を運んでみてほしいですね。
〈取材ライター:蓑口あずさ〉
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