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本音が話せない話

自分の話をするのが苦手だ。
周囲からどう見えているのかは知らないが、とにかく自分のどうでもよくない話を切り出していくのが苦手だ。
銀座で働いていた時に会話はずいぶん勉強したが、相手にしゃべってもらうことが主目的なので自分の話したいことを話す話術ではない。
よく飲み屋に現れる、一方的に自分の話を話し続けるおじさんがうらやましい時がある。
相手の興味が向けられているかどうか確かめることもなくしゃべり続ける度胸は、私にはない。

という話を飲み屋で話してみた。
何故あの時あんなタイミングでそんなことを言ったのかわからないのだが、とにかくその日は言ってしまった。
「僕には言えているんですか」という女殺しみたいな台詞が返ってきて動揺したのはここだけに留めておきたい。
読んでるんでしょ、そういうとこだそ。

そんなことを話せている時点で、その人にはおおかたのことは話せている証拠である。
その日の店の混み具合や場の雰囲気によってはなかなか話せないこともあるよね、というところでその話は終わった。

話せる人と話せない人がいるのは事実だ。
ここまで言うと大袈裟なのかもしれないが、心持ちとしては裸体を晒すような感覚である。
誰にでも見せるわけにはいかない。
何故話せる人と話せない人がいるのか。
本当は誰にでも気軽に話してうちとければいいのにとよく思う。
しかしそうはいかない。
何がそうさせているのか、わからないでいる。
口では話せないことやはっきりとはわからない感情を伝えるために、人は歌い踊り絵を描くのかもしれない。

さて、私は何が書きたいのだろう。

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