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歌を歌わなくなった話

歌わなくなって5年半ほど経つ。
双極性障害の発症と引き換えに歌わなくなった。
当初は体調が悪くて歌うどころの話じゃなかった。
調子の良くなった昨年ふと歌った方がいいんじゃないかと思い立ってトライしてみたものの、練習がつらくて断念した。

数えてみたら21年歌っていた。
10代の頃からなので、人生の若かった頃のほとんどを歌に費やしていたことになる。
歌うことこそが自分自身、自分の言語だと思ってもいた。
だが今は歌っていない。

歌わなくていいんだろうかという思いはある。
特に、良い演奏に触れた時は自分もこういう風に歌いたいと考える。
が、歌うことがいかに大変なことなのかを既に知ってしまっているだけに、また歌いたい!と気軽に再開するわけにはいかない。

倒れてから、それまでパフォーマンスアート一辺倒だった私が美術館に足を踏み入れるようになった。
世の中にはいろんな表現がある。
先日アーティストの方と作品のテーマについて話していた時に、ものすごく久しぶりに人と何かを共有しようとしていることが本当に嬉しかった。
やりたいのはこういうことじゃないかなとぼんやり思った。

表現媒体は恐らくなんでもいいのだ。

ピアニストの清塚信也さんがテレビのインタビューで
「音楽がやりたいんじゃない、人と繋がりたかった」
と話していて、病床でハッとしたのを思い出した。
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/heroes_file/211/

文を書くことで誰かと繋がれるのだろうか。

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