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私はアビスパ福岡しか知らない。

私の好きなサッカークラブのひとつに、アビスパ福岡というクラブがある。 
日本のJ2リーグに所属していて、今日(10月15日)は2位。昨日も勝利して11連勝をしている。このままJ1リーグへと突き進んでほしい。
そんなアビスパ福岡と私の話です。

私は静岡県に生まれて、藤枝という町に住んでいる。
正直愛着としては静岡市のほうがあったりするけど、藤枝にも同じくらいに愛着がある。そんな街。
愛着のある静岡市にも、住んでいる藤枝市にも、Jリーグのクラブがある。
J1の清水エスパルスに、J3の藤枝MYFCだ。
でもこの二つ、どちらもすごく応援していた時期もあるけど、今ではそこまで応援していない。

けど私はアビスパ福岡を応援している。それはなぜだろうか。

そのために、私とアビスパの出会いについて話していきたいと思う。

2015年ごろ、私はとあるJ2クラブの試合運営等をする会社で働いていた、当然そのクラブのことも気になっていたし、それと共に、その年健闘していたアビスパ福岡のことも知っていた。
そんな中で声優の田村ゆかりさんが、Twitterで時折アビスパ福岡のことを話題にしているのを目にかけた。そのつぶやきから、アビスパサポーターや応援スタイルとかも少しずつ知った。
それから2017年、私は好きなバンド同士の対バンライブを見るために福岡に行って、翌日、観光地が思い浮かばなかったので、アビスパの試合に向かった。

その試合で、私はチケット代が安いという理由だけでゴール裏席を買い、最初は脇のほうで見ていたが、いつの間にか真ん中で声を出して応援していた。
博多山笠のコール、これを聞いて感動してしまっただけなのに。

その試合は、試合終盤の劇的ゴールでアビスパ福岡が勝ったのだが、たぶん負けていても私はこのクラブを応援することを決めていたと思う、山笠のコールを聴いただけで。

なんで山笠に感動したのだろう。
それは、アビスパ福岡というクラブが辿った歴史があるからだ。

アビスパ福岡は、クラブ結成当初は中央防犯という静岡県藤枝市の警備会社のサッカー部だった。そのクラブがJリーグに参入するために、そして福岡の地にJリーグをもたらすために、沢山の福岡市民の署名もあって、福岡に引っ越しをした。
そんなアビスパ福岡が、藤枝のクラブだった時代は、藤枝市民でありながら私は全く知らない、話で聞いたことがあるだけだ。でも、サポーターたちは藤枝からの贈り物であるかのように、藤枝ブルックスという移転前の名前も大事にしている。

そんなアビスパ福岡を、山笠の掛け声で応援している姿を見て、もともと福岡のものではないこのクラブを、福岡に染めて根付かせるために頑張っているのだって感動した。そんな人達がいるから、私もこのクラブを藤枝に縁のある人として、そしてこのクラブを大事にしたい人たちの思いも込めて、応援したいと思った。

そんなアビスパ福岡だけど、実はあの試合以来博多のスタジアムには行けてないし、試合自体も現地では2試合しか見ることができていない。
けれども、このクラブを応援している。
昨年岐阜にアビスパの試合を見に行った時、藤枝ブルックスのフラッグを振りながら応援する人がいた。それを見たとき、本当に藤枝ブルックスというクラブが存在して、それがアビスパ福岡なんだと再認識できて、本当に誇らしく思えたりもした。

そんな私にとっても誇らしい、福岡の方にとっても、間違いなく地元に存在しているJリーグクラブ、アビスパ福岡。
私はこのクラブをこれからも応援するし、たとえ弱くて貧乏なクラブになっても、お金持ちのスター軍団になったとしても、アビスパ福岡であってほしいと思う。そして当然、今季J2優勝して、来年はJ1で輝いてくれることもまた望んでいる。アビスパが好きだからこそ。そして私は願う。

ずっと福岡の人たちに、アビスパ福岡が愛してもらえるようにと。


2021年10月7日 追記

この記事が公開されてから、もうすぐ一年になる。

この記事を書いた2020年シーズン、アビスパ福岡は首位と得失点差の2位でJ1に昇格することができた。そしてそのシーズンも味の素フィールド西が丘での東京ヴェルディ戦に現地観戦することができた。

そして5年ぶりのJ1の舞台、その二試合目となるIAIスタジアム日本平でのアウェイ清水戦、初めてアビスパ福岡が生まれた県、静岡県で行われる試合を見ることもできた。そしてその試合も、勝てはしなかったものの、私がアビスパと出会ったあの日の試合のように、試合終盤にエミル・サロモンソンの劇的フリーキックが決まり、2‐2の引き分け、挑戦者としてJ1残留に挑むアビスパ福岡の、J1としての姿を初めて見ることができたことは、本当に幸せでしかなかった。

そんなアビスパ福岡には、5年周期という言葉がある。
J1に昇格する5年周期と、J2に降格する5年周期。

どんなカテゴリに居ても、アビスパを応援することは心に決めているけど、やっぱりトップカテゴリで戦う雄姿はできるだけ長く、いや末永く見ていたい。

そして、繰り返してはならない5年周期を終わらせる、次の試合10月16日のアウェイヴィッセル神戸戦、今のところ福岡のサポーターが応援しに行くことはできないが、それでも、素晴らしい雄姿を見せて、悪夢の5年周期を終わらせてくれることを信じている。

たとえ姿は見えなくても、福岡やアビスパを愛する人たちの熱い思いと愛が、きっと選手の力となるはずだから。

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