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ラブソルはこれからも、クライアントの実業を支える「羅針盤」でありたい

恵比寿にあるノベルティ制作会社「※合同会社 LABOUSSOLE(ラブソル)」は、2020年8月に6周年を迎えました。

※2023年3月現在、株式会社LA BOUSSOLEに形態変更。コンテンツ制作会社のLA BOUSSOLEと、オリジナルグッズ制作会社のLe Plan(ルプラン)の2社に分かれている。

「好きなときに旅をしながら、自由に生きていきたい」従来の働き方に縛られずに、遊ぶように仕事をしてきた代表の2人。小さくても丁寧に仕事を愛してきた2人の元には今、多くの仲間が集うようになりました。

それと共に変わったのが「2人が楽しく生きていければいい」から、「組織として、社会に何を残すか」という意識。

この記事は、LA BOUSSOLEと関わりのある方々をご紹介するインタビュー企画 #羅針盤のつくりかた の特別編 LA BOUSSOLE Member’s note。

創業6周年を迎えた2人に、ここ数年での急激な変化による経営方針の変化と、これからの目標を聞きました。
(インタビュアー:LA BOUSSOLE アライアンスメンバー 柴田佐世子)

代表・池田実加のインタビュー
>「経営者」へとつながる、目の前の仕事を愛する力

代表・柴山由香のインタビュー
>「やりたいことって、なくちゃだめ?」ただ、今できることに夢中になる


「体に気をつけて」一発で通った事業計画書への不安

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ー2020年の8月で創業6周年を迎えましたが、お気持ちはいかがですか?

実加:今年は、これまで以上にお祝いをいただく機会が多かったよね。SNSのコメントや、「お祝いに行きます!」と、突然クライアントさんがオフィスに遊びに来てケーキを作ってくださったり。

由香:ありがたいことだよね。創業当時は仕事が少なくて、2人して寝ていた日もあったなんて、今では考えられないくらい(笑)。

ーノベルティ制作の会社として始まり、今はWEB事業部・デジタルマーケティング事業部・メディア事業部・デザイン事業部と、多岐に渡っていますよね。

実加:基幹事業がノベルティなのは変わらないけど、もともとは、2人だけが食べていければいいと思って起業しているから、まさかこんなに仲間が増えるとは思っていなかったよね。

由香:実加と一緒に夢中になっていた宝塚のファンクラブ運営の中で、イベントの時にファンの方にお渡しするオリジナルアイテムをいかに「素敵で捨てられないもの」にするかにこだわりはじめたのが、起業のきっかけ。当時は、オリジナル品を作ろうと思ったら何百個って作らないといけなかったから、同じことで困っている人って、意外と多いんじゃないかと。

実加:起業への融資を受けるために、ドキドキしながら事業計画書を持って行った日が懐かしいね。順番待ちしている間、前の人が怒られている声が漏れ聞こえてきて、「ダメだ、私たちもきっとコテンパンに言われるんだ」って、覚悟して入ったら…。

由香:パラパラ〜と見て、「良いんじゃないですか?」。さらには、「これはすごく大変だけど、喜ぶ人がすごく多い仕事だね」と褒めてくださって。「細かくて手のかかる仕事だから、とにかく体に気をつけてください」で終わり。「もっと何か、私たちの甘さとか、指摘してもらえないですか!?」という気分だった(笑)。

実加:あらゆる事業を見てきた人たちが良いと言ってくれる中で、需要は感じつつも、自分たちが一番自信がなかった気がする。

由香:今やっと、なんとなくわかる気がするよね。在庫を持たなくてもいいし、ノベルティは会社の創立記念日や、お店のオープンで作ることが多いからつくる時期はそれぞれで、年間を通して売上の上下が少ない。メールがあれば仕事は進められる、旅行好きの私たちにはぴったりなビジネスモデル。だけど本当に、大きくスケールさせる気はなかったんだよね。

実加:海外旅行に行けなくなったら嫌だし、「ちゃんと遊びの時間も取りたい」から「2人がそれなりに幸せに暮らしていける」規模でよかったの。ここ2年くらいかな、大きくしたいと思いはじめたのは。

楽しく、本気で仕事をできる人を増やしたい

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ー今はたくさんのアライアンスメンバーが参画しているラブソルですが、どのタイミングから「会社を大きくしたい」と思いはじめたんですか?

由香:WEB制作を事業にしていた大ちゃんと知り合って一緒に仕事をするようになって、アルバイトでゆりぴが入ってきて…。今ではさよ、でらみ、ゆきえちゃん、事業部制にしたことで菅井くん・大久保くんという男の子も入ってくれて、心のアライアンスメンバーさっちさんがいて。賑やかになったよね。

実加:人を雇うなんてとんでもないと思っていたけど、人が増えれば仕事が増えるというのは、学びだったな

由香:器を大きくすれば、仕事は入ってくる。ただ、そうするとなんでも入ってきちゃうから、選んで、新しいチャレンジができるように常に枠を開けるという意識に変わってきたよね。だから、「仕事を受けない」という選択肢も生まれるようになった

実加:WEB制作もコミュニティ運営も、本当に私たちがやる意味があるかを考えて、お断りすることもあるもんね。2人だけの頃の方が、なんでも受けていた気がする。

由香:一緒に働く子たちが増えて、自分が手に入れてきたものを、誰かにも手に入れて欲しいと思ったんだよね。私も実加も、長く会社員として働いていたけど、会社に通って仕事をするのは、人間にとって割と不自然だなと思って。

人生ってもうちょっと選択肢があって、仕事はもうちょっと楽しいものでいい。仕事を楽しんでやっていない人が近くにいると、大変。返事がなかったりして、進まないし。

実加:仕事の内容がね、お粗末になってしまうよね。

由香:昔、秋口のノベルティの打ち合わせをしていた時に、お客さまからこんな不満を聞いたことがあった。「他の会社に相談したら、秋の施策なのに扇子を持ってこられた」と。普通に考えて、扇子は夏に欲しいもの。でも、仕事を愛していないとそういうことを平気でしてしまう。相手の都合を考えずに、ただ在庫があるものを、提案書にまとめてしまったり。マニュアルになければ「できない」の一点張り。「できない」でも別にいいんだけど、その代わりに何か良い提案があるわけでもなく、いらない情報をどさどさっと送っしまったり。そういう仕事は嫌だなと思ったの。

楽しく働く人が増えれば、そんな働き方はしないはずだから。ラブソルでは仕事を楽しめる人を増やしたいと思ったんだよね。

実加:最近すごく思うのがさ、「ラブソルさん」という人格が強まっている気がする。私たち2人の時からそう呼んでくれる人は居たんだけど、今はさらに。普通は人が増えれば薄まりそうなものなのに。

由香:人は増えたけど、目指す先は何も変わっていないんだよね。“ものづくりとデザインの力で、世界をちょっとだけ明るく照らしたい”
その手法が、ノベルティ一からコンテンツ制作へ、いろんな形へ広がっていっているんだと思う。

多様な事業は、クライアントさんの力となるため

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ーとはいえ、なぜノベルティ制作会社から他の事業へと広がっていったのでしょう?

由香:そもそもノベルティは、その企業やお店の顔として出すものだから、その会社の本質を知らないと、本当にいい提案はできないんだよね。

私も実加も得意とするのはヒアリングで、クライアントさんたちの伝えたいことを聞いて、伝わりやすい形にしてお戻しするのが、ラブソルのノベルティ制作だったの。

WEB制作も、ヒアリングの部分をラブソルが担当するという形で始まったし、本質を知るということは、そのMTG自体が相手の事業の言語化につながったりする。そうすると、「こんなことできませんか?」「こういう風に伝えたら良さそう」って、どんどんアイディアが湧き上がってくる。

それを形にしてくれる人が増えたんだと思う。ノベルティは、自社でできるものはゆりぴが技術を習得してくれたし、さよが入ってきて取材を受けられるようになって、でらみが入って、デザインに力を入れられるようになった。細かい検証や進行管理なんかは男の子たちが得意で…、本当にみんな持ち味が違うんだよね。いろんな「得意」を持っている人が増えたから、アウトプットの種類が増えたんだろうね

実加:「ラブソルっぽい人」というのがだんだんわかってきて、何かひとつにものすごく特化した人というよりは、広く器用な人が多い気がする。うちは、一つの仕事をきっかけにどんどん展開していくから、一気通貫で任せるし、業務範囲が広いんだよね。取材してバナーもつくるし、デザイナーだけど写真も撮る。クライアントさんにとっては、コスパがいいはず(笑)。

由香:もっと仕組みにのっとって効率よく仕事することもできるだろうけど、それじゃ楽しくないんだよね。ご一緒するクライアントさんを愛しすぎちゃうから時間もかけるし、見る人によっては見合っていないと思われるかもしれない。

実加:仕事を愛するって言っても、お金を稼ぐことは大事なわけだから、それはあくまでノベルティっていう実業があってこそ。でも、今の状況を見ていると、こちらからゴリゴリ営業するわけでもなく、値上げ交渉をするでもなく、「金額あげますね」と先方から言っていただけることが多くて。それが理想でもあるんだよね。先に自分たちが考えうることを実行して、それに対してちゃんと価値を認めてもらうのが、一番嬉しい。だから、みんなで頑張って、みんなで稼ぎたい。

由香:自分が考えて行ったことで価値を認めてもらえるって、最高だと思う。私は、自分たちが稼いだものをみんなに施したいんじゃなくて、「稼げるひと」を増やしたい
いろんな経験をして今の自分があるわけだけど、自分が同じ歳の時に経験したことを、自分たちの元にきてくれた子にあげたい、機会をつくっていかなきゃってなった時に、ラブソルとしてどう仕事をしていくかが、大きく変わった気がする。


ラブソルという会社が、クライアントに還元する価値

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ー人が増え、フェーズが変わってきたお二人にとって、ラブソルのこれからはどんな未来なんですか?

由香:私たちの今の夢は、みんなの給料をあげること。一例だけど、正社員のでらみの年収を、大手企業に勤めていた自分の同じ歳の時と同じ水準にしたい。怖いけど、やっぱり目標は持った方がいいよねっていう話を、よく水風呂とかでしてる(笑)

実加:水の中で経営会議しがちなラブソル(笑)。

由香:そういう部分では、フェーズが変わってきたと思う。収入は評価だから、ビジネスパーソンとして成長の糧になるプロジェクトを任せていきたい。

実加:これまで「楽しく生きていければ」が優先であんまりお金に意識が向いていなかったけど、結局、お金は大事だよね。「やりがい」とかあるけど、結局生活ができなくなって何かを諦めることもあったりする。それだとダメなんだよなって、最近思う。

由香:何か人生で変化があった時に、お金のことが心配で出来ないのがすごく嫌で。気にせずに自分の好きなことをしてほしい。あと20年経ったらすごく人口は減って、若い子たちが高齢者を支える世界がくるでしょう? 市場が小さくなる中で食い合うような貧しい社会になってしまうのは嫌だから、自分に自分で価値をつけてほしい

女性にとって、ライフステージの変化は切っても切り離せないものだけど、特に出産や子育ては、今の日本では大変すぎる。仕事はどうする、子供を預けられるのかって、まだ子供がいない人まで不安になっている。私は、起きていない悩みに脳のメモリを使うことがすごく嫌だから、そういうのはなくしていきたい。その一つが収入なのであれば、そこを担保できる会社にしたい。さらにいうと働き方だって、家で働きたいと思えば、家で働いたらいいじゃない。

実加:うちは、みんなで言い合える環境だからお互いの強みを出しやすいのもあるし、助けてって言いやすいと思うの。わたしたちだって、代表だけど苦手なこといっぱいあるし、助けてもらっている。普通の企業は、上の人から降りてくることが正しくて、ディスカッションとかそんなにできないよね。みんなで言い合ってよくしていけるほうが、絶対にいいと思う

由香:ラブソルは、上の言うことが絶対ではない。

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実加:どういう会社にしたいかって言われると、みんなでワイワイしていたいのね。最近、クライアントさんに言ってもらえるじゃない。「ラブソルさんに会うと元気になれる」って。

由香:陰鬱としがちな世の中だものねぇ。クライアントさんの歩く道をちょっと照らせているのだとしたら、嬉しいよね。

人間はそもそも怠け者だし、自分以外の何者にもなる必要はないし。「なんだかあの人たち楽しそうだよね」で、いい気がしていて。

人生の究極の目的は、人とのつながりをどれだけつくれるかだと思う。自分が死ぬときに惜しんでくれる人がどれだけいるか。SNSで問いかけた「誰か」じゃなくて、「あなたがいい」と言われるつながりを紡いでいきたいから、仕事やクライアントさんとも異常に関わるし、好きになれない仕事はしない。だからスケールしないんだよね(笑)

実加:だと思うよ(笑)でも、それが結局、すべてだと思う。ゆかが最近プロフィールに書いているじゃない。「伝える会社」ラブソルって。あれ、いいよね。そもそも、多くのクライアントさんは「何かしたいけど、何が一番いいのかわからない」って、困っている。そこから伴走していけるのが、何より楽しい。

由香:クライアントさんには、実業に励んでもらう。そのためのフォローが私たちにできるのであれば、全力でやる。そしてそのフォローを、たった一人の力じゃなくて、一人の力を最大限引き出せるチームとして組織としていくことが、私たちのやること。

実加:そして、みんなで稼いで、夢はハワイ合宿! さて、ゆかちゃん。売上ってさ、どうやって上げるんだろうね?

由香:ね(笑)

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取材・執筆:柴田 佐世子
撮影・バナー制作:小野寺 美穂


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