【色をめぐる旅】 -インディアンイエロー-
“インディアンイエロー”
インドのベンガル地方で古くから作られ、使われていた黄色い顔料の名前です。
この色はインドから約8,800Kmも離れた地である、フランドルの画家たちが愛用していたとされ、かのフェルメールもこれを用いたといわれています。
色の製法
さて、古くから伝わるこの“黄色”はどのようにして作られてきたのか。
黄色の天然顔料には多い、“植物”を思い浮かべる人もいるかもしれません。もちろん、“鉱物”という考えもあります。
ですが、この色は…
“1頭の雌牛から作られた色”なのです。
牛のどこから?と思われたことでしょう。
この色を作るためには、まず雌牛にマンゴーの葉を与えます。
そして、栄養失調となった牛たちが出した尿を集め、蒸発させ、顔料に精製するのです。
つまり、この柔らかな深みのある黄色は、“超濃い牛の尿”の色なのです!
何故、牛の尿から色を作ろうと思ったのか。誰がこの製法を考えたのか。使うことに抵抗はなかったのか。牛はどうなってしまうのか…。
思うことは多々あるものの、人類の考え出すことに驚きを覚えます。
現在では、動物愛護の観点から、この製法は行われておらず、本来の色に似せた合成顔料が用いられているようです。
そこまでしてこの色を作っていたのか、と思った身として、ホッとします。
まとめ
私たちの日常には、たくさんの色があります。
当たり前のように見ている色ですが、その色の背景について、ちょっと思いを巡らせてみるのも、楽しいかもしれません。
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